安全問題研究会~鉄道を中心に公共交通と安全を考える~(旧「人生チャレンジ20000km」)

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尼崎事故遺族・藤崎光子さんとの対話

2013-09-28 22:28:10 | 鉄道・公共交通/安全問題
JR尼崎事故の歴代3社長の判決を聞くため、神戸入りしたのを機会に、大阪に1泊。判決翌日の28日、遺族の藤崎光子さんを自宅に訪ねた。私自身が所属し活動している福島原発告訴団が、不起訴処分を不服として検察審査会へ申し立てを行うのを前に、検察審査会に対し、どのように対応すべきか聞いておきたいと思ったのだ。

藤崎さんのマンションは大阪市内某所にある。自室ではなく、住人が誰でも使える図書資料室のような場所に案内された。そこで伺った話の多くは機密事項に属するもので、ほとんどこのブログに書くことはできないが、JRでも保線など安全につながる重要な業務の多くが外注化され、多重下請け構造の中で、誰が誰を雇用しているのかわからないような労働者の多くが送り込まれていることがわかった。原発の下請け労働と同じ構造で、これでは安全など到底守れない。

しかしこの日、藤崎さんから伺った話は、機密事項ではあるものの、この話を世に問わないでおくことはあまりにも不正義だと思うものばかりだった。様々な困難はあるが、なんとかして読者の皆さまに問うことができるよう努力したいと思っている。

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JR尼崎事故・3社長無罪判決に関する声明/安全問題研究会

2013-09-27 22:20:08 | 鉄道・公共交通/安全問題
今日のJR尼崎事故に関する3社長の判決は、各メディアで報道されているとおり無罪判決だった。予想されていたこととはいえ、あまりに酷い判決に怒りしか湧いてこない。

当ブログ管理人による判決結果の速報、遺族の声(レイバーネット日本)

以下は、安全問題研究会の声明である。

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<安全問題研究会声明>
JR西日本歴代3社長への「無罪」判決に抗議する
~法制度の限界あらわ、今こそ組織罰制定からJR安全再建の国民運動を~

 2005年4月25日、JR福知山線で快速列車が脱線・転覆、107名が死亡した尼崎事故に関し、本日、神戸地裁は、業務上過失致死傷罪で強制起訴されていたJR西日本歴代3社長(井手正敬、南谷昌二郎、垣内剛の各被告)に無罪の判決を言い渡した。安全問題研究会は、国策企業におもねり、企業犯罪をことごとく免罪にしてきたこれまでの日本の恥ずべき歴史を上塗りするこの判決に強く抗議する。

 この裁判は、すでに報じられているとおり、神戸地検がいったんは不起訴とした後、被害者の申し立てにより、神戸第1検察審査会において審査、同審査会の2度にわたる起訴相当議決の結果、改正検察審査会法の規定に基づき3被告が強制起訴(業務上過失致死傷罪)されていたものである。昨年1月の山崎正夫・JR西日本元社長に対する裁判と同じ裁判長(宮崎英一裁判長)によるものであり、判決は当研究会にとって想定内であったが、当研究会もまた、遺族・被害者と同様、この判決を受け入れることはできない。遺族が「即時控訴」を決意したのは当然である。当研究会はこの決意に応え、今後も最大限の支援を続ける。

 閉廷後の記者会見で、無罪判決の要因として、発言した遺族全員が「組織罰を裁くことのできる法制度の不備」を挙げていることに私たちは注目する必要がある。「組織罰を裁ける新たな法律を制定しなければ、これから先も企業犯罪が起きるたびに、同じ苦しみを味わう人がどんどん出てくる」「組織罰を設ける方向に根本的に考え方を変える時期に来ている」との遺族の言葉は、福島原発事故を通じて全国民が同じ課題に直面している今、これまでよりいっそう重みを増している。遺族の苦しみに寄り添うことなく、国策企業・JRの主張だけを一方的に採用した司法に対し、徹底的な批判を加える必要があることはもちろんだが、企業犯罪に対し、適時適切な立法措置を講じてこなかった立法府・国会の不作為・怠慢こそ私たちは根本から問わねばならない。

 とはいえ、グローバル大企業が支配する日本社会で、みずからの手に手錠をかける企業犯罪処罰立法を政府・経済界がみずから提案することは決してあり得ない。それどころか安倍政権は、日本を「世界で最も企業が活動しやすい国」にするとのかけ声の下、企業の無法状態をこれまで以上に強化しようとしている。広範な市民が手をつなぎ、ともに声を上げながら行動する闘いの中でしか、この狙いを阻止し危機を突破することはできない。

「控訴して、長く闘いを続けることが大切だと思っている。そうすることによって、世論が高まり、組織罰を裁く新法がなければダメだという気運が盛り上がってくる」と遺族のひとりは述べている。これは、私たち市民に向けた連帯の呼びかけだ。当研究会は、福島原発事故における原子力ムラへの適用をも見据え、企業犯罪を裁くことのできる法制度の整備を求める国民運動を提起する。さしあたり、2007年、英国で制定された法人故殺法(人を死亡させた企業・法人に対し、検察官の請求で裁判所が上限のない罰金刑を科することができる)がそのモデルとなりうるであろう。

 国鉄分割民営化から28年、今回の裁判は、JR北海道で車両や線路の安全が破局的崩壊の危機に瀕する中での判決となった。世論の批判が民営JR体制に波及しないよう、メディアや「専門家」を動員した防衛キャンペーンが始まる兆しも見える。しかし、彼らの思惑を超えて事態は動いている。かつてはタブーだったJRへの批判が連日メディアを賑わし、著名鉄道アナリストまでがメディアでJR北海道の再国有化を主張するまでになった。当研究会が本部を置く北海道では、今、JRの安全もろとも地方が切り捨てられようとしていることに市民の怒りが渦巻いている。

 民営JR体制は破たんした。逆転のチャンスが生まれている。尼崎事故遺族の呼びかけに応え、企業犯罪処罰のための法制度の整備を政府・経済界に迫る闘いを始めよう。JR北海道の危機を民営JR6社体制の見直しから再国有化につなげるため、すべての市民は全面反撃に立ち上がろう。当研究会は、この闘いの先頭に立つ決意である。

 2013年9月27日
 安全問題研究会

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尼崎脱線事故、JR西日本3社長へ27日判決

2013-09-25 22:35:18 | 鉄道・公共交通/安全問題
トップの責任どう判断=歴代3社長27日に判決―JR福知山線事故・神戸地裁(時事)

<福知山線脱線>JR西日本3被告27日に判決 神戸地裁(毎日)

リンク先記事のとおり、2005年に起きたJR尼崎脱線事故で、JR西日本の歴代3社長(井手正敬、南谷昌二郎、垣内剛の各氏)に対する判決が27日、神戸地裁で言い渡される。JR北海道の危機が連日報道され、再びJR問題に対する世間の関心が集まる中での判決だ。

この裁判は、先に神戸地検が起訴しながら無罪判決が確定した山崎正夫・元社長の裁判に続くもので、神戸地検が不起訴にした3社長に対し、神戸第1検察審査会が2度の「起訴相当」議決を出したことを受け、強制起訴されていたもの。検察官役の指定弁護士が禁固3年を求刑、弁護側は「事故を予見できなかった」として無罪を主張してきた。

この事故は、改正検察審査会法に基づく強制起訴事件としては、明石歩道橋事故に次ぐ第2号であり、その意味からも強制起訴制度の今後を占うものとして注目される。今後の展開次第では、福島原発告訴団による原発事故の検察審査会申し立てにも影響を及ぼす可能性がある。

なお、当ブログは、この判決を神戸地検に聴きに行く予定だ。傍聴は抽選となる可能性が高く、法廷には入れない可能性もあるが、それでもかまわない。未曾有の犠牲者を出した鉄道事故の刑事裁判、雰囲気だけでも感じ取ってきたいと思っている。

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今日未明、福島県浜通りの震度5強の地震について

2013-09-20 23:18:40 | 気象・地震
「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」について(第70報)-平成25年9月20日02時25分頃の福島県浜通りの地震-(気象庁報道発表)

今朝、福島県を襲った震度5強の地震には驚いた人も多いだろう。当ブログは北海道で揺れを全く感じず、朝起きてからのニュースで知った。地震のニュースを知って最初にしたことがふくいちライブカメラの確認というのも相変わらずだが…。福島県で震度5強を観測したのは、読売記事によれば2011年9月29日以来、ほぼ2年ぶりという。

地震の概要はリンク先をご覧いただくとして、当ブログは発表された発震機構(地震のメカニズム)を見て衝撃を受けている。北米プレート内部の地震は逆断層型であるのが通常のはずだが、今回の地震は横ずれ断層型になっているからだ。

日本の東の太平洋では、東日本の大部分が乗っている北米プレートと太平洋プレートがぶつかり合い、太平洋プレートが北米プレートの下に潜り込んでいる。北米プレートは通常、太平洋プレートに押されているから、北米プレート内部の地震(プレート境界より西側。今回の地震もこのタイプに入る)はほとんどの場合、逆断層型(内側に向かって押される力で地殻が砕ける)になる。一方、太平洋プレートは西に向かって北米プレートを押しながら移動しているから、太平洋プレート内部の地震(プレート境界より東側)は通常、正断層型(外側に向かって引っ張る力で地殻が砕ける)になる。





ところが、今回の地震は逆断層型ではなく横ずれ断層型だという。当ブログは、もしかすると、この地震が「東日本の直下、または沿岸で3.11以降起きてきた地震の潮目が変わった」と、後々評されることになる地震になるかもしれないと危惧している。「第2の東日本大震災」の接近を告げる危険な兆候かもしれないのだ。

過去の地震との対比で見ると、北米プレート内部の地震であるにもかかわらず、発震機構が逆断層型でなかったものとしては、2011年3月23日の福島県浜通りの地震(資料)、2011年4月12日の千葉県東方沖の地震(資料)、同じ日の福島県浜通りの地震(資料)などがある。これらはいずれも、東日本大震災の余効変動が続いていた時期のものだ。

その後、2011年7月31日の福島県沖の地震(資料)、2011年8月19日の福島県沖の地震(資料)、今年5月18日の福島県沖の地震(資料)はいずれも北米プレート内部の地震だが、本来の逆断層型に戻っており、余効変動の終了をうかがわせるものとなっている。

もし、今回の地震が北米プレート内部で起きているにもかかわらず、横ずれ断層型だとすれば、東日本大震災直後の発震機構にむしろ近い。このような事態が起きている理由ははっきりしないが、3.11以降の2年半で再び東北地方沖のプレート境界のひずみが極致に達し、プレートの固着域(アスペリティ)が剥がれ始めた証拠の可能性もある。当ブログのこの推測が正しかった場合、第2の東日本大震災の危険はかなり差し迫っていることになる。

当ブログは、念のため、東北地方太平洋沿岸地域に最大級の警戒をするよう呼びかける。当ブログのこの警告が杞憂に終わることを願っている。

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(2013.9.26追記)

上記の記事で、当初、『日本の東の太平洋では、…北米プレートが太平洋プレートの下に潜り込んでいる。』としていましたが、『太平洋プレートが北米プレートの下に潜り込んでいる』の誤りでした。お詫びして訂正いたします(上記記事はすでに訂正済みです)。

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【管理人よりお知らせ】「これでも罪を問えないのですか~福島原発告訴団50人の陳述書」刊行について

2013-09-17 23:15:09 | 書評・本の紹介
管理人よりお知らせです。

福島原発告訴団に加わり、原発事故による被害を陳述した告訴人50+7人の思いをまとめた「これでも罪を問えないのですか~福島原発告訴団50人の陳述書」が、このたび、週刊金曜日出版より刊行されました。

国や東電など「加害者」33名を告訴・告発した告訴団1万5千人近い告訴人のうち、代表的な50人を選び、検察庁に提出した陳述書(自分が具体的にどのような被害を受けたかを申し立てる書類)をそのまま掲載した異色の著書です。これらの陳述書を読むだけで、原発事故がいかに有形無形の被害を日本社会の隅々にまで及ぼしているか、知ることができます。2012年5~7月にかけ、雑誌「週刊金曜日」に7回連載の形で陳述書が掲載された7名(実名・顔出し)のほか、匿名で50人の告訴人の陳述書で構成されています。当ブログ管理人の陳述書も掲載されています。

この本は、発行部数が少ないことに加え、取り次ぎ側の事情により、全国の書店に出荷されているのは2000部程度で、よほど大きな書店でない限り店頭での購入は難しいと思います。福島原発告訴団で注文を受け付けているほか、インターネットでもAmazon等で注文できます。

大手メディアでは決して報道されることがなく、それゆえに忘れ去られようとしている福島原発事故の被害に、本書を通じ、ひとりでも多くの方が接していただくよう望みます。

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東京で反原発9000人集会、そして再び稼働原発ゼロへ 私達の力を信じ、脱原発社会に進もう

2013-09-15 23:46:51 | 原発問題/一般
写真報告:再稼働反対!9.14さようなら原発大集会(レイバーネット日本)
大江さん「首相のうそ」批判 原発再稼働反対、9000人集会(東京)
原発稼働ゼロずっと続いて 東京で9000人集会(朝日)

各メディアで報じられているとおり、14日、東京・亀戸中央公園で「再稼働反対!9.14さようなら原発大集会」が開かれ、9000人が参加した。「さようなら原発!1000万人アクション」が主催した集会は、これまで6~10万人もの参加者を集めてきたから、大幅に参加者が減ったように感じられるが、会場となった亀戸中央公園の収容能力、そして東京五輪決定に浮かれる東京の社会状況を考えると、よく集まったというべきだろう。集会の内容はリンク先をご覧いただきたいが、大江健三郎さんなどの著名人が脱原発を訴えた。

大飯原発4号機が停止 国内稼働原発、再びゼロに(朝日新聞) - goo ニュース

そして、国内で唯一、稼働していた大飯原発4号機が、定期検査入りのため、15日午後11時過ぎ、出力ゼロになった。3号機はすでに9月2日に定期検査入りのため停止しており、大飯原発3、4号機が再稼働した昨年7月以来、1年2ヶ月ぶりの「国内稼働原発ゼロ」だ。当ブログはこの記念すべき日を祝いたい。

こどもの日に全原発が停止した昨年ほどの高揚感はないが、今回、再び全原発停止をもたらしたのが市民の懸命の闘いの結果であることは改めて確認しておくべきだし、いくら強調してもし過ぎることはない。市民の懸命の闘いは、本来、原発推進、再稼働のための「規制」組織に堕するはずだった原子力規制委員会に対する大きな政治的圧力となり、規制委は再稼働のハードルを大幅に上げざるを得なくなった。北海道電力のように、再稼働のための安全審査が「書類不備」で規制委に受理されず、仕切り直しとなる電力会社も出た。

また、昨年9月、今年3月と大規模な集会で反原発の強い意思を示し、推進派に打撃を与え続けた。中小規模の集会や、首相官邸前の金曜行動は、今なおとぎれることなく続き、毎週、新たな参加者を迎えている。権力の喉元に突き刺さった「最も疎ましいトゲ」である「経産省前テントひろば」はいまだ撤去されることなく存続し、この9月11日で2周年を迎えた(国は、このテントを「不法占拠」だとして明け渡しを求める訴訟を起こしたが、被告を別人と取り違えるという前代未聞の大失態が起き、裁判が遅れている(参考記事)。また、自民党こそ国有地を借り上げながら賃料を払わず不法占拠しているとして、反訴が提起されている(参考記事))。再稼働阻止、原発事故の責任追及、健康被害から人々を守る闘いなど、あらゆる運動が今も多くの自覚的な市民によって日々闘われ続けている。驚くべきことであり、この力が改憲阻止などあらゆる運動に好影響を与えている。

その結果、日本の市民は、野田政権による昨年7月の「だまし討ち的大飯再稼働」を許したものの、その後、政権が再び原発推進の自民党に戻っても1基の追加稼働も許さなかった。原発ゼロは、ただ座していても実現するものではない。こうした行動の集大成として、日本の市民がおそらくは戦後初めて「闘い取った」ものである。

かつて、「敵よりも1日長く闘おう」という労働運動のスローガンがあったが、日本の市民は自覚の有無にかかわらず、このスローガンを実践しつつある。当ブログにとっても厳しい闘いは今後ずっと続くと思うが、敵よりも1日長く、したたかに、かつしなやかに闘いながら、世界から原発のなくなる日を見据えていきたい。

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【転載記事】フクシマにおける甲状腺癌ー原子力大惨事の最初の可視的インパクトか?

2013-09-11 22:12:06 | 原発問題/一般
英語原文

IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部プレス・インフォーメーション

フクシマにおける甲状腺癌ー原子力大惨事の最初の可視的インパクトか?
( 日本語訳:グローガー理恵氏)

2013年 9月 3日

IPPNWは、損壊されたフクシマ原子炉で放射線被爆線量が激烈に上昇したことを、多大な懸念をもって見守っている。また、健康被害を顧慮してみても警報解除への根拠がないのである。

それどころか: IPPNWは、福島県の18歳未満の子供たちにおける甲状腺癌罹患数の愕然とさせられるような増加に、「今後何年かの間に、異例の甲状腺癌罹患数の増加が期待されるもの」として、危惧感を高めている。原子力災害が始まってから2年半後、甲状腺癌罹患数が18件に増えた。更に、癌の疑いがあると見られる25人の子供(18歳未満)たちは、これまでのところ未だ(摘出)手術を受けていない状況である。

未だにフクシマにおける実際の甲状腺ガン罹患数に関しての、はっきりとした全体像はない。現在までの時点で、福島県では計192,886人の子供たちを対象にした甲状腺癌検診が行われた。医師たちは、超音波検査で、(検診を受けた子供たちの)およそ44%に疑わしい甲状腺の異常を発見した。

福島県内にある他の隔たった市町村からの100,000人以上の子供たちは、未だに、最初の一次検査を待っている状態である。疑わしい甲状腺異常が発見された1,280人の子供たちが再び二次検査へと出頭されたが、これまでのところ、その内の655人は未だに二次検査を受けていない。

ここで特に憂慮すべきことは、郡山における状況である。:  郡山では、最初の一次検査で疑わしい甲状腺異常が検出された442人の子供達が二次検査へ出頭となった。しかしながら、今迄のところ、これら442人の子供達の内、ただの5人だけが二次検査を終了したのみである。そして、これら5人の内2人が悪性の甲状腺ガンに罹患していることが確定された。原発事故後、日本政府は役所にヨー素剤を配布するようにとの指図をすることを怠った。

IPPNWは、フクシマにおける甲状腺ガンの高い罹患率を、所謂「スクリーニング効果」のせいであるとする日本の科学者たちの分析に対して異議を申し立てる。そのような(スクリーニング)効果 とは、集団スクリーニングによって発見された罹患の率が、一般住民における(病気の)症状を通して普通は明らかになる罹患率よりも高い場合のことを謂うのである。

IPPNWは、フクシマにおいて、チェルノブイリ最大想定事故後のように、多年にわたって、継続的に甲状腺ガン罹病率が増えていく可能性が強いと、みなしている。

「甲状腺ガンに罹った子供達は、甲状腺が全摘出されなければならない複雑な手術を受けなければならない。更に、摘出手術を受けた子供達は、定期的に血液検査を受ける方法によって正確に調整された甲状腺ホルモン剤を一生、服用していかなければならない。ま た、そればかりではなく、甲状腺ガンが再発するケースは稀でないため、アフターケア検診を定期的に受けなければならなくなる。」と、小児科医であるアレックス・ローゼン博士(IPPNW)は説明する。甲状腺ガンに対する良い治療選択はあるにもかかわらず、甲状腺ガンを患った子供を持つ家族にとっては、苦しい、運命の打撃となってしまうのである。

更に、甲状腺ガンだけが放射線被爆によってもたらせられる健康被害ではない。それ以外にも、白血病、固形腫瘍、他種のガン、免疫システムの低下、妊娠合併症、先天性奇形、流産が、フクシマにおいて発生するものと予測されている。それ故に、緊急に、日本における健康調査範囲を他の人口グループや、(放射線被爆によって誘発される)他の罹病可能性ある疾病検査に拡大していかなければならない。

以上

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【転載記事】英科学誌「Nature」2013.9.5付け社説-日本は、福島問題に海外の専門家の助けを受け入れよ

2013-09-10 21:40:45 | 原発問題/一般
以下の記事は、英科学誌「ネイチャー」9月5日号に掲載された社説である。福島第1原発事故に関し、日本政府を事実上「当事者能力なし」と断定する衝撃的内容である。翻訳は、yokofurukawaさん。

引用元:こちら

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日本は、海外の専門家の助けを受け入れて、福島問題を調査し、危機の軽減に努めるべきだ

放射性のある汚染水が壊れた福島第一原子力発電所から漏洩している、という事実は、この、チェルノブイリ以来最悪の核事故である福島の危機が、まだその真っ最中である、ということを改めて確認させてくれます。2011年3月の地震と津波で福島第一原子力発電所が崩壊して以来、地域の環境を浄化していくにはたくさんの時間とお金がかかる、ということはわかってきていましたが、ここに来て、この作業はTEPCO〔東京電力〕には手に負えない程大きなものである、ということが明らかになりました。2013年9月3日に、日本政府から、浄化作業はTEPCOではなく政府が先頭になって行うことになった、という発表がありました。でもこの介入はもっと以前に行われるべきであったでしょう。

原子力事故から2年半、TEPCOは、三機の破壊された原子炉での核燃料の貯蔵タンクで起こる問題の原因とその深刻さを、認識できていない、ということが何度もありました。現在一日あたり約40万リットルの水が、核燃料の温度を管理するために原子炉に注入されています。TEPCOは、最近になって初めて、この冷却に使われた、放射線で汚染された水のいくらかが、コンクリートの割れ目から原子炉の地下室に流れ込んで、更にそこから地下水や隣接する海洋に漏洩している、という事実を認めました。外部(の中立)団体などによる被ばく状況の測定はほとんど実施されていません。この汚染水の漏洩が人体、周辺環境、そして農産海産物に与える影響がほとんどわかっていない、というのは問題です。しかも、問題はそれだけではありません。今現在、1,000機近くの使用済み冷却水貯蔵タンクがあるわけですが、これらに保存されてる水は、浄化装置を一度通しているにもかかわらず、トリチウムなどの有害な放射性核種で汚染されています。今回の漏洩で、この貯蔵システムは、管理の行き届いていない時限爆弾のようなものだ、ということがわかってきました。

ゴムで閉じてある配管や貯水タンクが漏れやすい、というのは誰でも知っていることです。TEPCOが漏れの予防を定期検査だけに頼っていたのは、もし無責任だ、と責めるのは言い過ぎだとしても、ぞんざいであった、とは確実に言えるでしょう。今回の漏れへの対応策として、TEPCOのプランがただ単にもっと多くのセンサーを配置したり、安全弁を増設する、という応急処置にとどまっている、ということ自体が、この汚染水のタンクがもともとその場しのぎで設置されたものだ、ということを物語っています。そして、現在も、続々と溜まってくる汚染水を最終的にどうするのか、ということに対しての結論は出ていません。今年の前半に出てきた、汚染水を海洋に廃棄する、という提案書は、案の定、地元の漁業者からの強い反対にあっています。

日本政府の今までの対応や情報公開(のお粗末さ)の前例から考えると、日本政府がこの事態の収拾を、TEPCOよりも上手くやっていけるのか、そして事態の経過をTEPCOよりも上手に一般市民に伝えていけるのか、というのは疑問として残ります。この週末、漏洩しているタンクの周囲の放射線量は、当初の報告よりも18倍高かった、ということがわかりました。単なる「異常事態」として始まったはずの漏洩が、結果的には本物の危機となってしまったわけです。日本は、ここで海外の専門家に助けを求めるべきです。米国、ロシア、フランス、そして英国などの各国は、原子力工学、浄化、そして放射線が人体に及ぼす影響などに精通した専門家がいます。これらの専門家は日本の助けになることが出来るでしょう。研究と環境再生を、国際的な協力の下で進めていくことで、一般市民の、事態の調査と危機回避に対する不信感を和らげていくことが出来るでしょう。

この汚染水の漏洩で一番重要な影響を受けるのは、福島沖の海洋と、そして太平洋です。これらの地域はしっかりと調査監視していかなければなりません。2011年と2012年に日本と米国の研究者が共同で行った調査の後、二つの重要な疑問が明らかになりました。一つ目は、どれだけの放射能が現在まだ海洋に漏洩しているのか、ということ。そして二つ目は、いまだに海洋生物の種類によってはかなり高い放射線量が計測されていることを考えると、汚染地域からの海産物が、消費しても安全なレベルになるにはあとどれくらいの時間がかかるか、ということです。汚染水の漏洩、という事実で、この二つの問題に対する答えを見出すことが、さらに重要な課題になって来ました。

今回の漏洩の環境汚染にたいしての影響を正確に査定するためには、科学者は海洋の食物連鎖系をサンプリングして、全ての半減期の長い原子核種(特にセシウム137、ストロンチウム90とプルトニウム239)について分析する必要があります。そして、科学者は、汚染がどこから来ているのか、を知る必要がありますし、原子核種が地下水、堆積物、そして海流を媒介にしてどう拡散していくか、を研究する必要があります。現在の首長である安倍晋三と彼が率いる政府は、科学の振興に力を入れる、ということを約束しています。彼らは、世界中からの研究者がデータを集め、解析し、シェアできるように、サポート体制をととのえるべきです。チェルノブイリでは、事故後にそれを研究に利用して、われわれの原子力や環境についての理解を深めていく、という機会は持てませんでした。少なくとも福島では、まだ遅くはありません。この機会に、事故後の研究を推進していくことができるはずです。

 6 September 2013

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【声明】検察当局による原発事故「不起訴」に関する声明

2013-09-09 23:55:31 | 原発問題/一般
管理人よりお知らせです。

福島原発告訴団を含む複数の市民団体が、福島第1原発事故に関し、検察当局に行っていた告訴・告発について、検察当局は本日、政府・東電関係者など全員を不起訴とする決定を行いました。

この不起訴決定について、当ブログ管理人が声明を発表しました。

以下にご紹介するのは、当初、福島原発告訴団の公式声明案として当ブログ管理人が起草したものですが、その後の情勢変化によってこの案が採用されないことになったため、当ブログ管理人が個人の立場で発表するものです。

なお、この声明をお読みいただくに当たっては、福島原発告訴団による告訴・告発が政治家を対象としていないため、菅直人・元首相らに対する告訴・告発は福島原発告訴団によるものではないこと、また、以下の声明が福島原発告訴団の公式声明でないことに特にご留意願います。

福島原発告訴団の公式声明、団長談話は、こちらをご覧ください。

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【声 明】

検察庁による政府・東電関係者の不起訴処分に抗議する
~市民自ら法執行者となる新たな時代の扉を開こう~

 本日、検察当局は、1万5千人近い告訴人と、適正捜査、起訴を求める10万筆を超える署名に込められた市民の思いを無視し、国と東京電力関係者からなる被告訴人全員を不起訴とする決定を行った。この決定は、福島原発事故という史上最悪の企業犯罪を引き起こした加害者を免罪するのみならず、企業犯罪では誰も罰せられないことが常態となっている日本の恥ずべき歴史にさらに新たなページを積み重ねる不当なものである。私たちはこの不当な決定に強く抗議する。

 この決定はまた、日本が法治主義に基づいた近代社会であり続けることを放棄するものであるとともに、市民の生命より経済活動を優先することを宣言した点において、それ自体、新たな犯罪と呼ぶべきものである。収束の気配が見えない福島原発事故に苦しむ多くの市民の怒りはさらに強まるであろう。

 検察庁含む政府・東電が、今回の決定により、企業犯罪の責任を追及するために行動し続けてきた私たちの意思を挫くことができると考えているなら重大な誤りである。もとより困難を承知の上で立ち上がった私たちは、福島原発事故の責任者が正当な社会的制裁を受けるまで、今後もひるむことなく行動を続ける。

 民主主義社会では国民が主権者であり、すべての法は国民の名において作られる。検察が法治主義も国民の奉仕者としての立場も放棄した今、私たち市民は、みずからの名において作られた法をみずからの手で執行していく新たな時代の入口に立った。私たちは、どんな逆風が吹いても、困難に見舞われても、未来に対する責任と勇気をもって、この新しい時代の扉を果敢に開く決意である。

 私たちは、政府や企業の犯罪に苦しんでいるすべての人たちと連帯し、ともに闘っていくことが、未来を切り開く唯一の方法であると考える。ひとりひとりが尊敬され、大切にされる新しい時代を作るため、できる限り多くの人がこの決意を共有し、ともに行動するよう、私たちは呼びかける。

 2013年9月9日

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我が家の通信環境と声優ラジオ

2013-09-08 23:43:14 | IT・PC・インターネット
アニメ・声優オタク趣味からはすでに撤収状態の当ブログ管理人だが、カネをかけず、手軽にアニメ・声優とのつながりを維持する方法のひとつとして、声優のラジオ番組は支障がない限り聴くことにしている。特によく聴いているのが「水樹奈々 スマイルギャング」「林原めぐみのTokyo Boogie Night」「堀江由衣の天使のたまご」(通称「てんたま」)の3つだ。

転勤族の当ブログ管理人にとって、これらの番組が聴けるかどうかに直結するAMラジオ放送の受信状況はいつも関心事のひとつだ。名古屋、千葉勤務時代はラジオの受信状況に全く問題がなかったが、福島に出向してからは、AMラジオは屋外でもNHK以外はほぼ受信できなかった。本来なら、政令指定都市クラスの大都市でないにもかかわらず、「スマイルギャング」「てんたま」の2番組がネットされている福島県はきわめて恵まれた環境なのだが、私の住んでいた場所は山間部で、地面を這うように電波が伝わってくるAMにはきわめて不利な場所だったのである(電波が光のように直進しかできない性質を持つFMにはもっと不向きな地形だったが、FMは近くに中継所があったためクリアに受信できていた)。

インターネットサイマル放送サイト"radiko"の登場でこの状況に風穴が空くかと思っていたが、"radiko"登場時は首都圏以外での受信はできなかったから、状況に大きな変化はなかった。

根本的に状況が変わったのは、携帯をスマホに変えてからだ。スマホ版の"radiko"は地域にかかわらずどこでも受信できる(携帯さえつながれば、基地局やGPSデータによって最寄りのラジオ局を拾ってくれる)。ここに来てようやく、「スマイルギャング」「てんたま」をスマホ経由で受信できるようになった。

今年4月から住んでいる現在の自宅(北海道)でも、AMラジオの受信状況は悪く、声優ラジオの受信はスマホ頼みだが、"radiko"を起動してみて愕然とした。地元、北海道のラジオでは「スマイルギャング」「林原めぐみのTokyo Boogie Night」はネットされているが、「てんたま」はネットワークされていないのだ。

5月頃までは、ネットされていない以上、仕方ないと思い、この状況でも「スマイルギャング」「Tokyo Boogie Night」だけを聴く生活を送っていたが、先日、何気なくPCで"radiko"を起動してみて驚いた。地元、北海道の局ではなく東京の局が表示されている。「てんたま」もこの方法で文化放送を選択すれば聴くことができるようになった。

なぜPC版"radiko"を起動させると、我が家で地元局ではなく東京の局が表示されるのか初めはわからなかったが、ひとつの理由が思い当たった。我が家のある地域は光どころかADSLすらサービス圏外で、最も通信速度の速い固定回線はいまだISDNという状況だ。動画の閲覧など速い回線が必要な人はG3端末などを使用してPCをネット接続するしかないが、当然ながらG3端末は固定回線ではないから、PCが回線の局番などから接続地域を特定することができず、東京の局が表示されるのかもしれない。

いずれにせよ、PC版"radiko"で東京の局が表示されることで、「スマイルギャング」「Tokyo Boogie Night」を聴くのにもわざわざスマホを使う必要はなくなり、「てんたま」と併せて3番組すべてをPC版"radiko"で聴くことができるようになったのは大変ありがたい。高速固定インターネット回線が通じていないゆえの怪我の功名のような気がしなくもないが、最も近いコンビニまで10km近くも離れているような生活不便な地に住んでいるのだから、これくらいの見返りはあってもよいのかもしれない。

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