SF『去年はいい年になるだろう』山本 弘(2010-04)
書店で久しぶりに山本弘さんの名前を見て、そういえばSF書いているんだよなーと思って、偶然手にした一冊がこれ!
ちょっと不思議なタイトルに惹かれたが、タイムトラベルによる歴史改変もの。と紹介すると非常にありきたりだが、内容はとんでもねー!(笑) 普段からこんなのばっかり書いてるわけじゃないよね?!
読み始めてすぐ「え、これ小説?」と思ったもんw
SF部分に関しては、さすがに研究家(?)だけあって色々な視点・考察が入っていて、自分のような門外漢が口をはさむことなんか出来ない。
が、ひとつだけ、自分も日ごろ思っていたこと(で また先に言われてしまったこと)があるので、触れておきたい。
「SF」って“サイエンス”だから敬遠されることが多いけれども、別に科学なわけじゃない。むしろ1つ「現実と違う法則」(ネタ)を設定し、そういう世界だったらどうなるか?を突き詰めていくのがSF小説。そういう世界であることのメリット・デメリット・人間関係が語られるのが面白いSF小説であって、そのネタがあればこその葛藤があれば優れたSF小説と言える。(個人的には、それに加えてハッピーエンドが満足いく小説)
1つの仮定(ネタ)を置いて語るという意味で、全てのフィクション(小説)はSFだと思う。
なので、アイデアも登場人物も生き生きしているアイザック・アシモフが好き^^。そして『去年はいい年になるだろう』もとても面白かった。
あ、今回のネタに関してひとつだけ。地震もバタフライ効果のような影響は受けると思う。特に<ソムニウム>の重力によって。
ノストラダムスの大予言を気にするところも秀逸だったなぁ。
小説の中がこういう状況になって、現実はそうじゃなくて良かった…と言っていいものなのやらどうやら…(苦笑)
さて、SF部分については語る力を持たないが、TRPG部分についてはちょっとくらい話してもいいだろう。
だってさ、なんでSF小説なのに「グループSNE」の「SNE」はシンタックスエラーだとか、妖魔夜行・百鬼夜翔やサーラの冒険といったタイトル、友野詳・秋田みやび・加藤ヒロノリ・篠谷志乃といった人物が出てくるんだ!(爆)
安田均さんに借金しに行くなんて、生々しすぎるじゃないか!?w
トリニティ×ヴィーナスのような内輪ネタ満載だよ^^;
(後世の山本弘研究家にとって、避けては通れない、必須の本だな。というか、鬼門?)
この小説の主な舞台は2001年。現実に発生した事件を取り上げているが、小説の中ではガーディアンによって語られる予言となっている。
F.E.A.R.のリプレイでよく見られる、ハンドアウトで知った内容に基づく予言プレイと一緒(笑)
自分もその世界の住人だったらどうなるかについて想像するのは好き(だからRPGが好き)だが、この小説はそれを突き詰めすぎだ(笑)
他にも『ミラーエイジ』といった懐かしい名前や聞いたことのないタイトルが出てくるが、これは宣伝だな?(笑) 『アイの物語』とか、読みたくなっちゃうじゃないか。
くそー、あまりに面白くて悔しいから、不当な総評をしてやる。
本一冊使ったノロケかよ!!(笑)
(そういえば思い出したぞぉ。サーラの冒険の3巻で恥ずかしい後書き書いてたw)
…離婚してないよね?
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます