便秘 － 病気が便秘を引き起こす ③ －

では、昨日、一昨日に引き続き便秘を引き起こす病気はどのような物があるのか？
その最終回です。


　⑩痔
　　　肛門での痔核や裂孔などは、いずれも激しい痛みを
　　伴うことから、排便を我慢して、便秘になることがあ
　　ります。そのため、硬くなった便が患部を擦りますま
　　す症状を悪化させてしまうという悪循環が起きやすい
　　病気です。

　　　ここで、痔の種類について説明しましょう

　　　a)痔核（いぼ痔）
　　　　　便秘のためにいきんだりして、肛門に負担がか
　　　　かると、肛門の粘膜下部がうっ血してふくらみ、
　　　　いぼ状になったものをいいます。歯状線の内側に
　　　　できたものを内痔核、外側にできたものを外痔核
　　　　といい、内痔核は、痛みはないが出血しやすく、
　　　　外痔核は、出血は少ないが痛みが強いという特徴
　　　　があります。

　　　b)裂孔（切れ痔）
　　　　　主に硬い便が肛門を通過するときにできた傷の
　　　　ことです。便秘で硬くなった便を、いきんで無理
　　　　に出そうとすると、肛門が裂けたり、便で傷つけ
　　　　られて起こります。排便時には激しい痛みがあり、
　　　　少量の出血を伴います。
　　　　　この痛みは、内括約筋において排便時の痛みの
　　　　ために痙攣を起こすことで、排便後も続く痛みを
　　　　招きます。

　　　c)痔瘻（あな痔）
　　　　　細菌感染により、肛門の周囲に膿がたまる肛門
　　　　周囲膿瘍を起こし、膿のトンネルができたものの
　　　　ことをいいます。下痢が原因で起こることが多く、
　　　　肛門周囲膿瘍の段階では、肛門の周りが腫れて熱
　　　　を出し激しく痛みます。


以上、病気が便秘を起こす例をお話ししてきましたが、便秘が先か病気が先かで若干症状が変わる物の本質的な発生機序の基は、便が詰まってしまうということです。
皆さんもいつもと違った便秘で長いな？おかしいな？と思ったらすぐに専門医にかかるようにしましょう
それが早い改善への第一歩です。いずれにせよ便秘にならない体調管理をすることが大切です


では、また。。。。。　　　　　


参考：専門医がやさしく教ええる　便秘（ＰＨＰ）　より一部抜粋