WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

ジョアン・ジルベルトの声とギター

2006年07月11日 | 今日の一枚(I-J)

●今日の一枚 1●

Joao Gilberto  ジョアン・ジルベルト

Joao voz e violao  ジョアン 声とギター

Scan10008

 春は曙、夏はボサノヴァ。夏が近づくとボサノヴァを聞きたくなるのはなぜだろう。メロディーとともにさわやかな風が吹いてくるような、そんな感覚を覚える。というわけで、私は毎年夏が近づくと何枚かのボサノヴァアルバムを買い込んで備えるのです。今日の一枚はつい最近購入したもの。こんなアルバムが出ていたなんてなぜもっと早く気づかなかったのだろう。

 ブラジルの至宝ジョアン・ジルベルトの2000年発表作だ。『声とギター』というタイトルがいいじゃないか。タイトル通り声とギターだけで綴られるソロアルバムだ。録音の関係なのだろうか、耳元でささやかれるようなジョアンの声にググッときてしまう。ジョアンの同じような系統の作品に名作『彼女はカリオカ』があるが、こちらもクグッとくる。

 「これよりいいものといったら沈黙しかない。そして沈黙をも凌駕するのはジョアンだけだ。」とはカエターノ・ヴェローゾの言だが、それは大げさではない。ジョアン・ジルベルトを知ったのはもちろん『Getz / Gilberto』だが、ジョアンのソロもなかなかいいものだ。(ただ、全10曲で30分13秒というのは、CD時代の作品としてはちょっと短すぎか)

 今朝、早起きして仕事をしながら聞いていたら、あんまり気持ちよくて仕事に行くのが嫌になってしましました。そんなわけで、このアルバムは朝聞くにはお勧めできません。