濃いめのピンクの花をつけたポールセンローズの小さな鉢を買ったのは、
たしか三年近く前のこと。
ブラックな仕事を辞めてひたすら休養と充電の日々のなか、
体力維持のための散歩で小石川後楽園を訪れたときだった。
わが家にやって来たのがそんなころだったから、
花が咲くたび、きれいだね、かわいいね、と声かけてはいたけれど。
水をやったりやらなかったりの過酷な放置プレイをくぐりぬけた鉢植えが、
西の国にやってきたのはこれまた生命に危険があるほどの酷暑8月。
相も変わらず江戸との往復で不規則に放置されつつも、
師走も半ばを過ぎたころ、小さいけど固く締まったつぼみをつけた。
だがしかし、これからちょうどクリスマス&年末年始の休暇だし、
まる二週間近く完全放置になっちゃうし、と頭を悩ませた結果。
そうだ、出かける前に、よぉーく、よぉーく、言い含めておこう!
(苦し紛れにもほどがあるが。)
「
バラくん、それじゃーヒイラギは行って来るからね、
できるだけ暗ーく涼しーくしておくからね、
帰ってくるまで、咲いちゃわないで、待っててね。
お願いだから、いい子で、咲かないで、待っててね。
じゃあね、いってきまーす。
」
12月22日の朝、そうやって言い含めて仕事に出かけて、
そのまんま江戸と京の都での休暇を経て、戻ったのが正月三日の夜。
12月22日の朝。つぼみー。
1月3日の夜。必死で花びら開かずに待ってましたの図。
1月4日の朝。安心したのか早速ちょっぴり開花。
1月4日の夜。いい感じに咲きました。
1月5日の朝。もうここからは花開いてく一方です。
1月6日の朝。どんどんオープン。
結論。ポールセンローズは人間の言葉が分かります。