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「スーパーピットフォール」 レビュー (ファミコン)

2016-10-21 21:00:57 | ファミコンレビュー
アクティビジョンのゲーム『ピットフォール』(1982年)のアレンジ版
サイドビューアクション
開発はマイクロニクス
発売はポニーキャニオン
1986年9月5日発売

あらすじ
探検家『ハリー』が洞窟にある『ラージダイヤ』を見つけつつ
地底人にさらわれた姪の『ロンダ』と猫の『クイックハロー』を救出するのが目的

特徴
ない。

このゲームに独自の要素はない。(断言)

十字キーで動かし、Aボタンでジャンプし、Bボタンで銃を撃つ。
それだけであるからだ。それ以外に目を引く要素はない。

「特長がないのが特徴」

「機動戦士ガンダム0083」の主人公『コウ・ウラキ』が
『ジム・カスタム』について評した言葉であるが
ただいい意味でとられかねないので特徴は

「クソが多すぎるのが特徴」

かねぇ…
無理矢理言うのならステージが上下左右に無駄にだだっ広いぐらいか…





点数は5点

良い点
・コンテニュー出来る。

悪い点
・操作性に難あり
・銃
・隠し要素

良い点
・コンテニュー出来る

 「スタート画面でAかBを3連打したのち、セレクトを2連打してからスタートボタンを押す」
 取説には載っていない。(ヒデェ…)
 そして再開するところはやられたところのすぐそばって所が
 このゲーム、ハードルを限りなく下げて良い点っていうか良心というか…
 但し、コンテニュー出来たところでクリアまで
 モチベーションが保てるかどうかは別である。

悪い点
・操作性に難あり

 容姿はヘルメットをかぶったマリオ風のキャラなのに操作性は激しく劣る。
 Bダッシュは出来ないし、当たり判定も大きめ。
 しゃがみから立ち上がりが妙に反応が悪くで良く敵に当たる。
 崖から歩いて落下すると十字キーの操作を受け付けない。
 (ジャンプしてからの落下では有効)
 マリオのように敵を踏めるなんて要素もない。敵が下部にいたら即死である。

・銃

 最初に銃を持っていて20発撃てるのだがどこを歩いていても銃弾は存在しない。
 しかも死のうがコンテニューしても戻らないのだ。
 じゃぁ、銃弾は20発以外はもう打てないのかと言ったらそうではない。
 上記はどこを「歩いても」と言った。
 このゲーム、アイテムなどは全て隠しでありジャンプする事で出現するのである。
 (何それ…)
 だからと言ってピョンピョンとジャンプしていればすぐ出現して即補充なんて事もない。
 銃弾出現場所はほんの数か所あるぐらいなものである。
 だからとある場所で出現場所を見つけたとしてもマップの端の端で
 銃弾が必要になった場合、引き返しに行かなければならないという酷さである。
 そんな射撃を躊躇させるようなゲームなのに
 1発で死なない雑魚が多めの場所もあるという…
 そして、通常射撃では当たらない身長が低い敵がいるのに
 しゃがみ射撃不可というバカ仕様…
 どこまで嫌がらせしたいのか…

・隠し要素

 ゲーム中、ボーナスと言える『金塊』以外のアイテムなどはみんな隠しである。
 『銃弾』も『鍵』も『水晶玉(岩壁を開ける)』も『ラージダイヤモンド』も
 『十字架(得点)』「ヒランヤ(10秒間無敵)』『ルビーの指輪(得点)』も!!
 ジャンプして探し回らなければならないが…
 それらの要素は全てこの時代ありがちなノーヒントである。
 操作性の悪さにより敵がいる事が多く避けながら探すのは大変である。

 後、ワープゾーンも隠しである。
 何もない場所でジャンプする事でワープするのだ!



まぁ、作り手の性悪さがゲーム開始数秒で分かる。
まず始めて右側に下りの梯子が見える。

「何があるんだろう」

と、ゲームの始まりだと胸を高鳴らせた子供たちは多いだろう。
そこを下っていると途中で無くなり落下。この時、制御不能。

下には飛んでいる鳥を触れることになり死亡する。
(このゲーム、「スーパーマリオブラザーズ」のような敵を踏む行為は受け付けない)
仮に鳥を避ける事が出来たとしてもその下の針山。
水さえ漏らさぬ二段構えの布陣である。

「スーパーマリオブラザーズ」的に言えば
土管をくぐったら周囲は穴しかない状況だろうか?

落ちたら死ぬしかない状況はこんな光景を思い出した。

ハリー「製作者さん!助けて下さい!減速どころか操作すら出来ません!
 助けて下さい製作者さん!」
製作者A「ハ、ハリー…君の仕様では落下中、操作は受け付けないのだ…気の毒だが…」

ハリー「うわああーッ!」(死ぬ)

製作者B「ようやく分かりましたよ。A。
 よしんば落下中の敵を鳥が倒し損ねても、
 地面に針山を置いて『ハリー』を突き刺す、二段構えの作戦ですな」
製作者A「ゲームは非情さ。そのくらいの事は考えてある」


今の「機動戦ガンダム」の『大気圏突入』のネタだけど
一応シャアは燃えつきるザクに乗るクラウンに対して

「(ガンダムも大気圏に巻き込んだから)犬死にではないぞ」

と言ってくれたのだけど
(その時点で『ガンダム』に大気圏突破の性能があるのを知らない)

実際は『ガンダム』には大気圏を突破する性能があって
『クラウン』は実質、無駄死にって所なんだけど(せいぜいシールドを捨てさせた?)
この『ハリー』も撃った銃弾が回復してりゃーなー。
まだ良かったんだけど、この時の『ハリー』もまた無駄死にである(涙)
というか、「ガンダム」での
『シャア』はこの件に関しては作戦参加者全員に
『ザク』は大気の摩擦熱で一瞬のうちに燃え尽きるってちゃんと伝えているからね。

このゲームみたいに何かありげに梯子を置いて落とさせるような卑劣な事はしていない。



しかもこの死に方何なん?
素早く土下座を繰り返す。立っていようがジャンプしていようが…
その場で土下座をプレイヤーに向けて繰り返す。
「ロックマン」の『Dr.ワイリー』は負けた時に『ジャンピング土下座』とか言われるけど
「ハリー」は『フライング土下座』だぞ!

しかし、『金塊』以外は全て隠しって何なん?
探す楽しみってのを出したかったのかもしれないけども…
確かに、ファミコン初期のゲームってのはある特定の条件を満たすと
隠しキャラが出て来るなんてのは結構あった。
ただ、それの多くは高得点アイテムだとか取るとより有利に進められるってアイテムであり
クリア必須アイテムではない。

そうだ。このゲーム、一応2人用が可能である。
勿論、落下スクロールしまくりの仕様上、同時プレイではなく交互プレイだが…
しかしこれを数時間交互プレイしていた人達は尊敬に値するな。
2~3回のゲームオーバーで

「これじゃなくてもう他のやんね?」

って言い出すのが目に浮かぶもん。
コンテニューは取説にも載っていない裏ワザ扱い。
当時やりこんでいた人たちは果たしているのだろうか?

「マイクロニクス」開発の交互プレイファミコンと言うと
魔界村」だな。
あれも酷いゲームの部類だが交互プレイには若干の意義がある。
どれだけ先に行ったかで競う事が出来るという点。
(大体、『レッドアリーマー』に狩られるであろう未来しか見えんが…)
しかしこっちは上下左右色んな所に自由に行けてしまうからな…
どれだけ進んだのか実感がわきづらいのだ。

せいぜい点数で競うしかない。
あのゲームで点数を競う奴がいたらお話がしてみたいわ。
何故にこんなゲームに2人用を作ったのか…
そのおかげでコンテニューの時に1回余分に
セレクトボタンを押さなければならないのだが…ダリィ…
(上記、Bを3回押してから3回セレクトを押すと、カーソルが「1P」→「2P」→「枠外」に行くのだ)


その上、狂った要素もあって、
ネタバレになるがある場所にワープしなければならない所があるのだが…
そのワープの方法は何と鳥にぶつかる事である。
別に他と比べて色が違うなんて違いはない。
触れると死ぬほかの鳥と全くの同様の姿かたちである。
が、そのワープの鳥に限っては触れるとワープなのである。
一体何が面白くてこんな事をしたのだろうか?

宝箱を出すのが非常に難解な「ドルアーガの塔」だって
アイテム取得などぜう何も変わらない状態で
敵に触れると宝箱が出現なんてなかったぞ。
せめてアイテムを取ってその敵に対して当たり判定が無効になってから
触れると宝箱が出るってのはあったけどよ…
このゲームにそんなアイテムなんてねぇよ!!


しかし、元の「ピットフォール」は楽しめる内容だったそうなのに
『スーパー』を付けた本作はこのような無残な出来となってしまったようだ。
スーパーを付けて劣化になるってそうないぜ。


しかし、「スーパーピットフォール」というタイトルが罠だよな。
当時小さな子供が父親にゲームをせがんだとしよう…

子供「お父さん!ゲーム買って来て!」
父「どんな奴だ?」
子供「友達んちでやったんだけど『スーパー』って名前がついていて…」
父「名前が『スーパー』ね…それだけか?」
子供「あっそうだ!主人公が髭のオッサンだった!」
父「スーパーがつく髭のオッサンだな。分かった」

次の日

子供「ワクワク…」
父「息子よ!スーパーが付く髭のオッサンのゲームだぞ!安く買えて良かったぞ!」
子供「違うよ!父さん!」
父「違うって言ったってな。お前の言う通りだろう?
 『スーパー』が付いて主役が『髭のオッサン』っていう…」
子供「そうだ!黄色いカセットだったんだ!忘れてた!」
父「今更言われてもな…折角買って来たんだ。プレイしてみなさい」
子供「は~い…
 (でも、全く新しいゲームが出来るのは嬉しいな…)

プレイ開始

開始数分で白目を剥く子供の姿しか目に浮かばん…
ファミコン初期だもんな。
マリオの知名度もまだ低めでまるっきりしらない
父親が誤って買ってくるなんて事は当然起こりうる事態である。

というか、上記の通り「スーパーマリオブラザーズ」と誤って買った子供達が
多数犠牲になったのだろう…
涙無くしては語れまい…

プレイヤー側の楽しませようという配慮が一切ないゲーム。
本来の『ピットフォール』がどういうゲームなのか未プレイなので分からんけど

「開発側に技術力が無くて『ピットフォール』をファミコンでは再現できません」

ってんならそれに代わるような要素を足せばいいじゃん。
弾を無限にして敵を倒しまくれるような爽快感をウリにするような形とかね。
何で死んでも弾が補充されねぇんだよ…
なんでプレイヤーに苦い思いをさせるようなゲームしか作らんねん…


ここからがネタバレ






















ちなみにエンディングは一応存在している。
しかし、そのエンディングの入り方は…
『ロンダ』と『クイックハロー』を救出したら?

違います!

正解はスタート地点に戻る事である。
しかも、別に救出した後にスタート地点に戻った所で何の変化もないのである。
いきなり文章が表示されておしまいである。
しかも『ハリー』や『ロンダ』については全く触れないからね。
新しい冒険が始まる的な文章だけ…
やる気あんのか…


作り手も最初から「スーパーマリオブラザーズ」と誤って買うであろうと
罠として世に送り出したのだろう。

「大劣化マリオもどきゲー」

でしかない。
ただ、ここの例えで「マリオ」という言葉を使いたくはないんだけどね。
偉人の顔に似せて整形した悪人としか思えないからな。

もうこのソフトを購入した時点で
プレイ開始直後の梯子を下りる行為と同一といった所だろうか?


「クソゲー?いいですか?
 クソゲーを見抜けなかったのは見抜けない人間の敗北なのです」

「わたしはね ゲームとは人間関係と同じ…だまし合いの関係と考えています。
 泣いた人間の敗北なのですよ」

そんな世の中の厳しさという「ジョジョの奇妙な冒険」の『ダービー兄』の格言を
幼い子供たちに強いて来るやり方は本当に救いようがないとしか言いようがない。

髭人はさ。
ゲームをプレイするときはマンガやアニメなどで転校生が隣に来たっていう気持ちでいるんだよね。
まず、教卓の前に立って自己紹介。
それから、丁度都合よく自分の隣の席が空いていてそこに転校生が座るみたいな…

先生に連れられて教室に入って来る転校生。(ソフトを買ってくる)
可愛い子か元気な子か物静かな子か期待して顔を見る。。(タイトル画面を見る)
それで、自己紹介の仕方を見る(スタートして音楽を聞いたり操作感覚を確かめる)
そして、隣の席に座ったのでちょっと交流してみる(プレイする)

このゲームの場合
第一印象は『ブス』
自己紹介の仕方、『声が汚い』『趣味など酷い』
席に来て

髭人「よろしくね」

と、声をかけてみる。

転校生「キモッ…」

もうどうしようもないよね。
顔も心もブスならさ。
というかここまで来ると逆に

髭人『ひど…
 この子、何があったんだろ?何でこんな酷くなったのか…
 家族の頭がおかしいのか?何か途轍もない人生を歩んで来たのか…』

逆に酷さに興味を持つよね。接点は絶対に持たないけどね(笑)
だから、これの開発者の事、気になるね。
もし会ったらこう聞くかもしれない。

「大丈夫ですか?」

あ?一体、何が大丈夫なのかって?
そりゃ…



察しろよ。



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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-10-29 00:00:10
出ましたねなんちゃってスーマリ。パッケージの絵からして髭オヤジが笑顔でジャンプ…角度も同じ
ことにゲーム中のジャンプ中のポーズは疑いようのないソックリぶりで
世が世ならトレース検証サイトでも立ち上がるであろうレベル
色々な意味でフリーダムだった当時を思わせる造りが豪快極まりありません
ま、中身の出来は似ても似つかなかったわけですがそれはともかく気になったのはクイッククローのドット絵

「チャトランじゃねぇか!」

チャトランとは当時フジテレビが制作した映画「子猫物語」の主人公の猫
ファミコンディスクでこれまたスーマリのパチモンみたいなACTゲーとして子猫物語のゲームが出てたんですが
このチャトランの正面向いたドット絵がクイッククローに瓜二つ。双方のドット絵を拡大してみると
色こそ多少違えど前足の曲がり具合や目と耳の形などほぼ完全に一致。ちなみに双方とも販売はポニーキャニオン
しかも発売日がスーパーピットフォールが1986年9月5日に対し子猫物語は1986年9月19日
ほぼ同時進行で制作してたのは間違いないでしょう。恐らくどちらかの開発スタッフが同じ猫キャラだし
こりゃ流用できると思って流用したのかもしれません
双方ともスーマリの二匹目のドジョウを狙って結果共に大爆死したのは皮肉なものですが
返信する
チャトラン (髭人)
2016-10-29 19:33:25
名無し殿
コメントさんきゅーです。

「子猫物語」を動画で見てみました。
この「スーパーピットフォール」よりはマシだと思えましたが…
上部の「SCORE」「TIME」などのフォントが「スーパーマリオブラザーズ」とほぼ同じですね。
どんだけ肖りたいねん!
ポニーキャニオン!!
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