キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

キネオラマとはシネマのこと 映画・本・音楽・お笑いネタ コメント・TBは承認制 コメント入力時の数字は半角でプリーズ

「チェンジリング」

2010年06月22日 | 映画
アンジェリーナ・ジョリーの息子に成りすまして帰ってきた子どもが一体誰なのかの謎解き目当てで見たのだが・・・。

う~む。
なんという話であろうか。
手垢の付いた言葉だが、まさに「事実は小説より奇なり」。
まさかこんな物語だとは予想だにしなかった。
というか、普通の人間には予想できない。

かりにこれが全くのフィクションだとしたら、「おいおい、こんな滅茶苦茶な話ってないだろ!?」と観客からツッコミが入りそうな、驚愕の展開が続く。
非常に猟奇的なシーンもあるが、そこをあえて淡々と表現するクリント・イーストウッド監督はいつもながら見事。
きっとこういうセンスを「品格」と呼ぶんだろう。
もし他の監督が撮ったら、とんでもなく下劣かつ残酷になりそうなところを、極めて上品に仕上げている。
イーストウッド監督の高い精神性と人間や人生への深い洞察が、この映画を高貴とすら呼べるものにしている。

余談だが、刑事役の俳優はFOXドラマ「バーン・ノーティス」の主演。
私はかねてからこの俳優、アクション・コメディの主役にしては顔が怖すぎると思っていた。
この映画の刑事役こそ、彼のルックスに相応しいドンピシャの役だ、と、胸のつかえが取れた気分である。

最新の画像もっと見る