キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

キネオラマとはシネマのこと 映画・本・音楽・お笑いネタ コメント・TBは承認制 コメント入力時の数字は半角でプリーズ

「ゴッドファーザー」のトム・ヘイゲン

2007年11月27日 | 映画
「ゴッドファーザー」で印象深かったキャラクターといえば、ロバート・デュバルの演じた、トム・ヘイゲンである。
孤児だったのをドン・ヴィトー・コルレオーネに拾われ、頭が良かった為、ファミリーの顧問弁護士となるべく育てられる。
血の結束を誇るコルレオーネ・ファミリーの中で、彼一人だけはイタリー系でもなければ、シシリー生まれでもない。

私は始終トムが裏切るのではないかとハラハラして見ていた。
確かに彼はドン・コルレオーネに深い恩義を感じているだろし、ファミリーのみんなも愛しているのだろうが、あまりにも沈着冷静で感情を表に出さないので、一体腹の中では何を考えているのか判らなかったからだ。

トムのような男は確かに頼りになる。
しかし、口が堅いということは、反面、人間の生の喜怒哀楽の感情に乏しいということだ。
そこに何ともいえない薄ら寒さを感じる。
若い頃はトムのような人間―頭が切れ、沈着冷静で感情を表に表さない人間―に憧れたけれど、今はむしろ長兄ソニーのような熱血バカの方が友人としては信頼できるかも・・・などと思っている。

「ゴッドファーザー」のスピンオフ映画を作るとしたら、トム・ヘイゲンの目線で作ると面白いかもしれない。
ファミリーの中にいながら、家族ではなく傍観者として生きる人間・・・。

最新の画像もっと見る