キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

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「親密すぎるうちあけ話」

2007年09月06日 | 映画
完全ネタバレです。ご注意ください!

「親密すぎるうちあけ話」オフィシャルサイト

パトリス・ルコント作品。

税理士の事務所をセラピストのクリニックと勘違いした女が、自分の悩みを赤裸々に税理士に打ち明ける。
女の話に無心に耳を傾けていた男は、次第に彼女に惹かれ始める・・・。

もうどう見たって女の方が男を誘惑してるんです、ええ。
無意識じゃなく、はっきり意識的に。

大体、途中で女が自分の勘違いで精神科医だと思ってた男が税理士だと気づいても税理士のオフィスに通い続け、亭主とはずっとしてないんです、という話を延々するのはもう「やってくれ」って言ってるのに他ならないと思うんですが。

この税理士ときたら硬直して話を聴くのみ。

二人ともお互いに寝たくて寝たくてじりじりしてるのに、デスクを挟んで、延々女の話を男が聞き続けるという不思議な心理戦が展開されます。

私だったら「夫とはずっとしてない」と言われた瞬間、立ち上がってカーテンを引いて、事務所に内側から鍵を掛けちゃいますが。

いや、ひとつの礼儀として。

税理士の別れた妻は同じ女だけに、「あなたは誘惑されてるのよ」的なことを男に言うんですが、まあこの男、煮え切らない男で、ただただ通ってくる女の話を聞き続けるだけ・・・という(笑)。

結局女は夫と別れ、人生をやり直すため南へと旅立ち、男はそれを追いかけて行く。

そして女の話を同じ寝椅子に座って男が聞くというところで、この映画は幕を閉じます。



まあ、あれですよ。

大体男は寝る前なら彼女の話をそりゃあ熱心に聞きますね。

でもいったん寝ちゃうと、あんまり話を聞かなくなっちゃいます。

女性の話は得てして取り止めがなくて話題があっちゃこっちゃに飛ぶし、総じて結論やオチがないし、もう永遠に続くしで、男には基本的に付き合いきれないものなのです。
(ああ、どうかそんなに怒らないで。もちろん個人差はありますとも)

・・・てな訳で、この税理士と女も本当の恋人関係になった後、果して以前のように女の話を男が熱心に聞いてくれるかは謎で、下手したら映画の冒頭に戻っちゃったりするんじゃないか、なんて心配が頭を過ぎるんですが、まあ、それは「言わぬが花」ってなもんでしょう。

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