キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

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「インファナル・アフェア」

2004年05月11日 | 映画
これは大人の男のための映画。
「男たちの挽歌」「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」「フェイス・オフ」が好きなあなたの・・・・そして私のために作られた映画だ。
酒にたとえたら生(き)のウイスキーか、それともうんとドライにしたマーティニか。
お嬢ちゃん向けの、赤やピンクの甘ったるいカクテルみたいな映画とは訳が違う。

優秀な警官でありながら潜入捜査官として生きることを強いられるヤン(トニー・レオン)と、マフィアの内通者として警官を欺き続けるラウ(アンディー・ラウ)と・・・・。
二人の男の哀しい生き様を描いたエレジィは破滅の旋律が基調に流れている。

互いに「犬」が潜んでいる事に気付いた、警察とマフィアの行き詰るような心理戦は一瞬たりとも気が抜けない。
主演の二人は勿論、それぞれの上司に当たるマフィアのボスと警視も強かで喰えない、渋い大人の男だ。
美しい女も出てくるがあくまで添え物。
情事のシーンすら削って描かれるのは男と男のガチンコ勝負だ。
互いに拳銃を手にして対峙するヤンとラウ。
誰かを激しく憎むというのは、誰かを激しく愛することと結局は変わらないのかもしれない。
相手を自分の意のままにできないという点においては・・・・。
ふとそんなことを思った。

抑制の効いた演出。
日本の日活アクション映画の正統な嫡子は香港フィルム・ノワールかもしれない。
アジアの男の美しさを存分に見せてくれるトニーとアンディ。
茶髪やピアスなんてちゃらちゃらしたものは、黒髪・短髪に清潔なシャツという男本来の美しさの前では幼稚にすら思える。

個人的にはヤンの弟分のキョン(チャップマン・トウ)の純朴さに一番泣けた。
ハリウッドが過去最高のリメイク権を支払って買い付けたというこの映画。
男の色香に存分に酔い痴れてくれ、ご同輩。



※インファナル・アフェア公式HP※

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4 コメント

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TBありがとうございます (華やぐ時間)
2005-05-05 22:25:27
わたしは Ⅱが面白いです 次にⅠかなぁ

Ⅲは なんだか ところどころ慌ただしくて・・・

ヤンとカウンセラーのやり取りの場面って そんなに必要だったかぁと よくわからない



ハリウッドのリメイクって どうなのでしょうね

たのしみのような 不要のような・・・
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ハリウッド・リメイク (偏屈王)
2005-05-06 22:11:40
こちらこそ、TBとコメント有難うございます。



リメイク権はブラピが買い取って、彼がアンディー・ラウの役をやるそうです。

楽しみなようなビミョ~なような・・・(笑)。
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うちも・・ (olive)
2005-07-08 11:43:01
初めまして♪TBさせて頂きましたぁ。うちも『フェイク』大好きです!!



>酒にたとえたら生(き)のウイスキーか、それともうんとドライにしたマーティニか



う~んすごくわかるような気がします。



ヤンの生き方が切な過ぎて・・凄くよかった!!
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はじめまして! (偏屈王)
2005-07-08 20:42:22
oliveさん、はじめまして!

コメント&トラバ有難うございます。



>ヤンの生き方が切な過ぎて・・凄くよかった!!

ヤンもラウもどちらも切ないんですが、とりわけヤンは切ないですよねぇ・・・。
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