キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

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「キャデラック・レコード」 ~音楽でアメリカを変えた人々の物語~

2010年03月20日 | 映画
Etta James - At Last


アメリカのブルース・レーベル「チェス・レコーズ」の物語。
マディ・ウォーターズ、リトル・ウォルター、ハウリン・ウルフ、チャック・ベリー、エタ・ジェームズ・・・綺羅星の如きスターたち、その光と影。

ビーチ・ボーイズやエルヴィス・プレスリー、ザ・ローリング・ストーンズも登場し、ブルースがどのようにしてロックン・ロールに進化し、黒人音楽が白人の音楽へと受け入れられ、そして溶け込んで行ったかよく解る脚本だった。

それにしてもシカゴのミュージシャンたちの危ないことといったら!
ギグの最中に殴り合いどころか、撃ち合いだもの。
マディなんかね、ギターケースに拳銃入れてるから(笑)。

リトル・ウォルターにしろ、エタにしろ、その私生活はとても哀しくて寂しくて、酒や麻薬におぼれる気持ちも解らなくはなかった。
だからこそ、マディの妻の優しさ、芯の強さが、身に沁みる、というか。

もはや盛りを過ぎたマディ・ウォーターズがストーンズのブレイクによって、イギリスで再び見直され脚光を浴びるシーン、良かったなぁ。
マディが飛行機を降りると、レッドカーペットがサーッと敷かれるところ。
「人生至るところに青山あり」って感じでこちらまで嬉しくなった。

ポーランド系のレナード・チェス役、エイドリアン・ブロディ、ものすごく説得力のあるルックスだ。
美形というには少し癖があるが、物憂さや悲哀なんかを感じさせるフォトジェニックな風貌である。
一コマ一コマがバシッと絵になる。

エタ・ジェームズの「AT LAST」は、しみじみと心に沁みる名曲で好きだ。
ボビー・コールドウェルがカヴァーしたものを、女性ヴォーカリストの曲とは知らずに昔聴いていた。
(ボビーのアルバム「ソウル・サバイバー」に収録)
作中彼女を演じたビヨンセのカヴァーもすごく素敵なのだが、ここはエタに敬意を表して彼女のオリジナルで。

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