キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

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「男たちの詩」

2008年09月23日 | 映画
ネタバレ全開です。ご注意下さい。

「男たちの詩」

白いものを見るとアイロンをかけずにはいられないヤクザを描いた話「アイロン」がどうしても観たくて東京都写真美術館へ。
「液晶絵画」展を観終わった後、7時の上映時間までサンジェルマンで腹ごしらえをしながら待って入場。
併映の映画もどれも魅力的で、これで1,000円とはかなりリーズナブル。



「アイロン」

キリッとした佇(たたず)まいの映画だった。
主演の俳優は現役のボクサー。
なるほど、道理で。
その眼差しが殺気を帯びてるはずだ。
その体に生気が漲(みなぎ)ってるはずだ。
化粧紙にまで一枚一枚アイロンを掛けるなんて強迫神経症的なんだけど、不思議と後味は爽やか。


「スパゲッティ・ナポリタン」

おかしくも愛らしい映画。
キュートでポップでカラフル。
青森生まれのオカマと岩手生まれのオカマが、スパゲッティ・ナポリタンを作りながら痴話げんかをするって話なんだけど、これがまー面白い。
なんかね、津軽弁と南部弁の会話って一瞬フランス語みたいに聞こえる。
オレンジの輪切り柄のパンツ一丁でオカマに挑んだ、吹越満の役者魂に敬礼!



「午後三時三分十五秒の観覧車」

観覧車に乗り込んだ田口トモロヲの顔に、ビカーッと鋭く逆光が射してる「絵」が、堪らなくカッコよかった。
映画と全く関係ない話で恐縮だが、田口トモロヲと歌手の稲垣潤一って何となく雰囲気が似ている。


「富士とドーナツ」

痔主なんだけど、大好きなゴルフに出かけて地獄の苦しみにあえぐ男を、カラフルなアーノルドパーマーのウェアに身を包んだルー大柴がコミカルに演じていた。
ゴルフ場から見える富士山が、それはもう、すがすがしくて綺麗。


「灯台」

松方弘樹の演技をスクリーンで見るのは初めてだけど、さすがの貫禄。
やはりドラマだけじゃなく「本編」(テレビドラマに対比して映画のこと)畑を長く歩んできた役者は違うよ。

印象的だったシーン。
主役のヤクザが父親の仇を殺すときに箸を使うんだよね。
親父が愛用していた鎌倉彫の箸と自分の箸の箸先を肥後守(ナイフ)で削って尖らせて、四本(二膳)を束ねてテープでぐるぐる巻きにしたものを相手の頚動脈に突き刺すというシーンで、十代の頃に読んだ、大友克広の短編漫画を思い出した。
それも殺人に箸を使うんだけど、なんかすごくショッキングだった。
拳銃やナイフではなく、箸を使うっていうのが・・・。

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