鳩山テラス


里山の四季、遥かなる山稜 ・ ・ ・
               グラスを持ってテラスに出よう!

白馬三山     2010年8月21日~22日 (夜行1泊2日)

2010-08-21 | 

[1日目] 猿倉 ― 白馬大雪渓 ― 杓子岳 ― 鑓ヶ岳 ― 頂上宿舎(テント泊)

[2日目] 頂上宿舎 ― 白馬大雪渓 ― 猿倉 

                                                                              長野県・富山県 

半月前、悪天候により完遂できなかった白馬三山の縦走。お盆休みの次の週末に、今度はマイカー利用で再び訪ねることにした。 

― 1日目 ―

  会社から帰宅後、すぐ準備をして出発。今回の登山口となる猿倉の駐車場には、深夜2時頃に到着した。山荘前の駐車場は既に満杯で、少し下ったところにある駐車場へと車を止め、ライトを消し、空を見上げてびっくり。久しぶりに見る満天の星空だった。あまりの数の多さとそびえ立つ黒い岩壁に、背筋がゾクッとするくらいだった。

 車中で仮眠の後、明けた空のもと、慌てて出発。仮眠のつもりが熟睡してしまい、予定していた時間より遅くなってしまったのだ。その代り運転疲れもとれて、快調に白馬尻小屋に着いた。
 先日、ここに下って来たときには、この小屋の直ぐ上まで来ていた大雪渓の終わりが、今は更に上の方に移動していた。3週間ほどの違いで相当雪解けは進むものだ。

 軽アイゼンを付け、雪渓に降り立つ。周りの人達もぞくぞくと雪面に繰り出し、上へ上へと進んでゆくさまは、まるでウミガメの赤ちゃんが、海に向かって一斉に砂浜を歩み出すかのよう。
 空は青く明るく、雪は白く輝き、涼しい空気に包まれた今日の雪渓歩きは、先日のガスった時のものとは、やはりまるで違っていた。

 雪渓の中間地点あたりからは、両側に崩れやすそうな岩稜が迫ってきて、多くの人達は雪渓の中央で立ったままで休憩している。耳を澄ますとカラカラと石ころが転がる音がこだまする。
 やがて右上方の草地に多くの人の姿があり、雪渓歩きの終点が見えてきたようだ。天然のクーラーが効いた雪渓は、真夏の晴天下であっても、快適にここまで標高を稼がせてくれた。

                        真夏の白馬大雪渓を行く

 ここからは稜線へ向かって、一歩一歩我慢の登りが続くところだが、点在する高山植物が心を和ませてくれた。
 やがて稜線に建つ村営頂上宿舎が見えて来ると、白馬尻からの長い登りももうひと頑張り。到着した小屋で受付を済ませ、テントの設営に取り掛かる。テント場は、先日の時よりかなり空いている。

  時間はまだ正午を少し回っただけで、今日はこれから杓子岳、鑓ヶ岳へとサブザックで縦走に向かう。夏雲の湧く量が多くなってきたが、この時期としては良好な方ではないだろうか。

 白馬山頂方面へのルートから逸れると、人の姿もまばらで、静かな稜線歩きが楽しめた。緩く下って、鞍部からまずは杓子岳をめざす。巻き道もあったが、頂上を経由する道を選択。赤茶けた岩屑だらけの踏み跡をたどった。
 馬の背のような頂上は、信州側が断崖絶壁になっていて、高度感のある雲上散歩が楽しめた。先程の巻き道との合流まで下って来ると、次に鑓ケ岳への登りがはじまるが、ほどなく頂上に到着。これで白馬三山の縦走が完了し、あとはテントに戻るだけなので、頂上では1時間以上もゆっくりしていた。
 そして3000m稜線の暮れゆく山並みを楽しみながら、のんびりとテント場へ戻った。

 

 ― 2日目 ―

 快晴で明けた。白馬岳山頂でご来光を迎えた人たちが続々と降りてくるなか、時間をずらして遅めの山頂往復をした。
 テント場での朝食もゆっくり。あまりにも良い天気なので、降りてしまうのはもったいないと、朝食後にはまたカメラをもって、散策気分で白馬山頂付近を歩いた。
 この時間になると十数張りあったテントも、もう1、2張が残っているのみ。マイテントを背景に記念の写真を撮ったのち、やっと撤収にとりかかった。

 昨日登って来た白馬大雪渓ルートを、続々と登ってくる人達を横目にズンズン下る。雪渓の終盤に尻セードも少しやってみたが、あまりスピードは出なかった。

                                             剱岳をバックに稜線をゆく 

 

                    3000mの雲上レストラン (白馬山荘)

                                    *   *   *   *   *

  今回は天候に恵まれ、夜行1泊2日で白馬大雪渓と白馬三山を踏むことが出来た。思い起こせば大学生の頃にもこの山域を計画していたことがあり、この夏、2回にかけて長年の夢をひとつ叶えた、ということになる。
 白馬大池、三国境、白馬岳、そして大雪渓とお花畑。想っていたとおりの素敵な山域だった。金曜夜の出発をすれば、土日の利用でも充分に楽しめることが分かったし、これからも機会をつくって訪れることにしようと思う。