法華山一乗寺は険しい山中の寺院です。今も周りはすべてどちらを向いても山です。現在では、山中を通り抜ける車道が整備されているので、車で向かうことが可能になりましたが、江戸時代以前は険しい山道を歩いて登ってきたはずです。この先に大伽藍があるとは思えない参詣道だったでしょう。そして、ようやくたどり着いた境内には、長い石段があって、観音様にお参りするには、この石段を上ることになります。その途中に三重塔があり、参拝者を励ましたのは間違いないでしょう。そこから見上げると、大悲閣という大きな扁額を掲げた、懸け造りのお堂が見えるのです。そして、たどり着いたお堂の内部には、多くの巡礼者が訪れたことを示す巡礼札がいっぱい見えるのです。まさに祈りの空間です。巡礼者の感激はいかばかりであったかと、そんな思いがわき上がってくるのです。
30秒の心象風景27839・大悲閣祈りの空間~法華山一乗寺~
https://youtu.be/sZzBI5-CpAE