『 不撓不屈 』

『 不撓不屈 』を鑑賞。
きっと自力では選ばなかったであろうこの映画。
会社から前売り券を頂いたので、妹と出かける。

原作は高杉良の同名小説だそう。

国家権力に毅然と立ち向かう一人の男の話。

それにしても、どうしてお国？お役所？と言われるところは、
こういう体質なのか。
当局に抗う者には、権力を振りかざし理不尽なまでの行為を
繰り返す。

が、立ち向かったその男は信念を曲げることなく人としての
誇りをもってまさに「不撓不屈」の精神で闘いつづけた。

さらには、それを支える家族の絆。
感動してしまった。
場内からもすすり泣く声がたびたび漏れる。



そして、これは後に「飯塚事件」と呼ばれた実際にあった話。

ときは高度成長期の日本。
主人公の税理士・飯塚毅は誠実な人柄で、顧客からも職員
からも慕われていた。
大企業に比べて脆弱な経営基盤しか持たない中小企業の
ために勧めた節税対策（もちろん合法的で問題はない）に
対して国税局は脱税指導の嫌疑をかけてきた。
それは、飯塚が別件で国税局に対して訴訟を起こしていた事
に起因する嫌がらせでもあった。

突如、飯塚会計事務所のみならず取引先数十社にも一斉に
税務調査が入る。
飯塚、顧客への不当な調査はエスカレートしていく。
半脅迫まがいの国税局の仕打ちに、離れていく顧客も・・・
部下や大学時代の恩師にまで訴訟撤回を忠告されるが、彼の
信念は変わらなかった。

横暴なやり方や、権力を笠に着た横柄な態度、守るべきである
国民のために動くものを潰そうとする国家権力には腹が立った。

そんな嫌がらせを受け、あらぬ容疑までかけられ新聞沙汰にされ
社会的にも抹殺されたも同然でありながらも、そんなときでさえ
相手をおとしめることはしたくないという飯塚の高潔さに

彼が、ドイツでの講演で話したように
いかに優れた理念、法律であろうとそれを運用するのは人間次第
コレですよ、大切なこと。



とても良い作品だった。。。