長い間ツンドクしていた「偽りの来歴」(レニー・ソールズべり)を読んだ。面白くて一気呵成。
イギリス贋作事件では最大規模の詐欺事件という。まるでミステリ小説のような面白さ。
絵にはほとんど関心もない、一見、上流階級の紳士に見えるこの詐欺師の、背筋が寒くなるような病的な精神が活写される。
彼のやり口は巧妙で、大画家は狙わない。20世紀の中堅クラスの画家(ニコルソンとかビシエールなど)を器用貧乏な日曜画家に描かせ、安値で買い叩く。
そして自分はテイト美術館に多額の寄付を申し出てアーカイブに自由に出入りする権利を得る。そこで何をするかといえば、贋作のでたらめな「来歴」を作り上げるのだ(展覧会の図録、有名人の購入者、美術館所蔵歴エトセトラ)。
こうしたものを偽作にくっつけて画商やオークション会社へ持ってゆくと、作品自体を少々おかしいと感じても、いわゆる「箱書き」が立派だから大丈夫と思ってしまう。
こうやって彼が関わった贋作が、今でも世界中で240点ほど流通しているらしい。
今から20数年前の事件。犯人は現在66歳。これほどのことをしでかし、多くの被害者をだし、本人は何億と稼ぎながら、判決はたった6年。もう出所して今も贅沢に暮らしているというから割り切れない話だ。
ただし美術鑑定に対する大きな警鐘になったのは間違いない。ほんものの絵にはオーラがある、と言われるが、こうなるとはたしてそうか?との疑問だ。
それに通じるのだろうけれど、なぜか滑稽なまでのエリート意識に凝り固まり、一昔前の村会議員なみにふんぞりかえり威張りくさる美術評論家という人種たち。。。ま、全員じゃないですけどね。
☆☆☆今後の講演予定
・2015年1月24日(土)15:30~17;00 「新 怖い絵」朝日カルチャー新宿教室 http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=269709&userflg=0
・3月28日(土)14;00~15;30 「名画で読み解くロマノフ家」朝日カルチャー名古屋
☆最新刊「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫)
☆「マンガ西洋美術史01」監修(美術出版社)
☆「ヴァレンヌ逃亡」(文春文庫)
☆「名画で読み解く ロマノフ家12の物語」(光文社新書)2刷になりました♪
☆「印象派のすべて」(宝島社別冊ムック)
☆「名画に見る 男のファッション」(角川書店)
☆「橋をめぐる物語」(河出書房)
☆「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇」(文藝春秋) 2刷になりました♪
☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社文庫)3刷になりました♪
☆「怖い絵」(角川文庫) 単行本に新しく書き下ろし2作を加え、全22作品です。4刷になりました♪
☆「はじめてのルーヴル」(集英社)2刷になりました♪
☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 4刷になりました♪
☆「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫) 5刷になりました♪
☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房) 3刷になりました♪
☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川書店) 2刷中。
☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)6刷になりました♪
☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~ 9刷になりました
☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 6刷になりました♪
☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)3刷になりました♪
☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 10刷になりました♪
☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」 6刷になりました♪
☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 18刷になりました♪
☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
2刷になりました♪
☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
☆以下の単行本は絶版としました。文庫本をお求めくださいまし~
☆「怖い絵」16刷中。
☆「怖い絵2」、9刷中。
☆「怖い絵3」 6刷中。
イギリス贋作事件では最大規模の詐欺事件という。まるでミステリ小説のような面白さ。
絵にはほとんど関心もない、一見、上流階級の紳士に見えるこの詐欺師の、背筋が寒くなるような病的な精神が活写される。
彼のやり口は巧妙で、大画家は狙わない。20世紀の中堅クラスの画家(ニコルソンとかビシエールなど)を器用貧乏な日曜画家に描かせ、安値で買い叩く。
そして自分はテイト美術館に多額の寄付を申し出てアーカイブに自由に出入りする権利を得る。そこで何をするかといえば、贋作のでたらめな「来歴」を作り上げるのだ(展覧会の図録、有名人の購入者、美術館所蔵歴エトセトラ)。
こうしたものを偽作にくっつけて画商やオークション会社へ持ってゆくと、作品自体を少々おかしいと感じても、いわゆる「箱書き」が立派だから大丈夫と思ってしまう。
こうやって彼が関わった贋作が、今でも世界中で240点ほど流通しているらしい。
今から20数年前の事件。犯人は現在66歳。これほどのことをしでかし、多くの被害者をだし、本人は何億と稼ぎながら、判決はたった6年。もう出所して今も贅沢に暮らしているというから割り切れない話だ。
ただし美術鑑定に対する大きな警鐘になったのは間違いない。ほんものの絵にはオーラがある、と言われるが、こうなるとはたしてそうか?との疑問だ。
それに通じるのだろうけれど、なぜか滑稽なまでのエリート意識に凝り固まり、一昔前の村会議員なみにふんぞりかえり威張りくさる美術評論家という人種たち。。。ま、全員じゃないですけどね。
☆☆☆今後の講演予定
・2015年1月24日(土)15:30~17;00 「新 怖い絵」朝日カルチャー新宿教室 http://www.asahiculture.com/LES/detail.asp?CNO=269709&userflg=0
・3月28日(土)14;00~15;30 「名画で読み解くロマノフ家」朝日カルチャー名古屋
☆最新刊「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫)
☆「マンガ西洋美術史01」監修(美術出版社)
☆「ヴァレンヌ逃亡」(文春文庫)
☆「名画で読み解く ロマノフ家12の物語」(光文社新書)2刷になりました♪
☆「印象派のすべて」(宝島社別冊ムック)
☆「名画に見る 男のファッション」(角川書店)
☆「橋をめぐる物語」(河出書房)
☆「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇」(文藝春秋) 2刷になりました♪
☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社文庫)3刷になりました♪
☆「怖い絵」(角川文庫) 単行本に新しく書き下ろし2作を加え、全22作品です。4刷になりました♪
☆「はじめてのルーヴル」(集英社)2刷になりました♪
☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 4刷になりました♪
☆「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫) 5刷になりました♪
☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房) 3刷になりました♪
☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川書店) 2刷中。
☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)6刷になりました♪
☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~ 9刷になりました
☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 6刷になりました♪
☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)3刷になりました♪
☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 10刷になりました♪
☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」 6刷になりました♪
☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 18刷になりました♪
☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫)
2刷になりました♪
☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版です。
☆以下の単行本は絶版としました。文庫本をお求めくださいまし~
☆「怖い絵」16刷中。
☆「怖い絵2」、9刷中。
☆「怖い絵3」 6刷中。