最悪上司

アメリカでしていた仕事は日本人に付く秘書だった。　最初のボスは東大卒で仕事はできるらしいけど、超無愛想で、アメリカ人の秘書達に　How are you! なんて声でもかけられたら、何でアナタが私の健康の事を気にするんだ、と実際言ったそうです。　私は入ったばかりで仕事の失敗が多く、暫くは口も利いてもらえなかった。

次のボスは、ペコペコオヤジ。　私は国粋主義者ではないけれど、アメリカ人に必要以上ゴマをすってるのを見ると腹が立つ。　モノを無くしては私のせいにして、つまらない事でも騒ぎ立てる。　冗談やギャクを飛ばして、自分で笑ったりして、怒られても怖くない。　仕事を言いつけるのが下手で、言葉ばかり多くて、ポイントが何だか分からない。　向こうも私の事をマヌケな秘書と思っていて、二人でトンチンカンしていた。

最悪上司を並べ立てたけど、結局お二人とは仲良くなって、惜しまれつつ引越しの為に辞めました（本当です）。　私もスゴク若くてアメリカで生活を始めたばかりだったし、二人のボスも異国で慣れない、しかも責任ある業務の重圧で大変だったと思う。　今のように外国に気軽に行き来していた時代じゃなかったから、日本人秘書は当時私だけだったので、甘えていたのかもね。　使えないけど、日本語で用事を言いつけられるのでホッとしていたと思う。