『私にとっての一番の幸せは、和田さんにご飯を作ることだったんだ』

イラストレーター 和田誠さん死去
2019年10月11日 14時18分

本の表紙や絵本の挿絵など、さまざまなジャンルを手がけたイラストレーターの和田誠さんが今月7日、東京都内の病院で、肺炎のため亡くなりました。83歳でした。

和田さんは、昭和11年に大阪府で生まれ、多摩美術大学を卒業したあと、広告制作会社を経て昭和43年にフリーのイラストレーターになりました。

たばこのパッケージのデザインをはじめ、書籍や雑誌の表紙、それに、絵本の挿絵など、さまざまな分野のイラストやデザインを手がけ、日本のグラフィックデザイン界をリードしてきました。

また、エッセーや絵本など、数多くの書籍を出版したほか、映画監督としても活動し、平成6年には、さまざまな文化的な分野で業績を上げた人に贈られる菊池寛賞を受賞しています。

事務所によりますと、和田さんは去年から体調を崩し、自宅で療養していましたが、ことし7月に都内の病院に入院し、今月7日、肺炎のため亡くなったということです。83歳でした。

和田さんの妻で、料理愛好家の平野レミさんは、「最後は家族みんなに見守られながら、安らかにお別れをしました。肺炎を患ってからはごはんを食べられなかったので、和田さんが好きなごはんをたくさん作って、安らかな顔の横に置いてあげました。47年間、私の料理をおいしいおいしいって食べてくれて、本当にありがとう。安らかにね」などとコメントしています。

葬儀はすでに近親者だけで行われ、後日、お別れの会を開く予定だということです。

妻の平野レミさん コメント発表
和田さんの死去にあたり、妻で料理愛好家の平野レミさんは次のようなコメントを発表しました。

「1年ほど前から体調を崩し自宅で療養していました。7月より都内の病院に入院していましたが、最後は家族みんなに見守られながら、安らかにお別れをしました。肺炎を患ってからはご飯を食べられなかったので、和田さんが好きなご飯をたくさん作って、安らかな顔の横に置いてあげました。最後の料理を作っている時はすごく幸せで、『私にとっての一番の幸せは、和田さんにご飯を作ることだったんだ』とあらためて気付きました。47年間、私の料理を美味しい美味しいって食べてくれて、本当にありがとう。安らかにね」

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女性の社会進出にともない、食事の手作り信仰に疑問を投げかける声もあがるようになり
日常の食卓にも外食・中食が積極的に取り入れられるようになってきた。
衣食住の分業化とでもいおうか、
ライフスタイルに応じていろんな選択肢がふえることは生きやすさにつながるとおもう。

だけど、いまのところ私は、家でつくるご飯が案外大好きなんですよ。

レミさんは料理愛好家なんだよね。
私もそうかもなぁ。
そして、王子にご飯をつくることがきっと幸せなんですよ。

毎朝の弁当づくりも、おかずや盛り付けを考えるのが難しい日もあるけど
決して嫌ではない。
頭が動かないなりに、手を動かしてものをつくって、体裁を整えて
その日最初の作品が仕上がる気分は悪くない。
しかも、王子が食べる顔を想像しながら、
卵をわって混ぜたり、酢の物を弁当の端に詰めたりするのは
きっと幸せなんだろうなと思う。

いまのところは。
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