EM(有用微生物群)は1981年に発見されたのですが、それから10年経過した1991年に出版された本が「微生物の農業利用と環境保全」です。EMは農業利用目的で開発改良されて来た経緯がありますから、EMの農業利用に関する記述は実に分かり易い。
しかし、本の中では一言もEMと言う言葉は出て来ないが、意図的に何らかの理由で控えたのだろうか。比嘉教授は微生物の機能から見た「土壌の分類」として、
1)腐敗型
2)浄菌型
3)発酵型
4)合成型
を上げ、3)と4)の組み合わさった土壌が最適と結ぶ。意味するところ、乳酸菌や酵母菌などの発酵微生物が優占していて、腐敗菌であるフザリウムが極めて少ない土壌で、しかも、光合成細菌や藻菌類、窒素固定菌などの合成型微生物が優占する土壌が最高、となる。
このような土壌は少量の有機物施用でも土壌は肥沃化し、浄菌型とも連動する場合も多く、正に理想的な土壌となるそうです。そうは言っても、夢のような理想的な土壌は一朝一夕には出来ないが、継続的なEM活性液散布があれば数年で可能。
我々のグループ報告でも化学肥料や窒素分の多い肥料の施用は、間違いなく「根焼け」を発生させ、植物を衰弱させ、腐敗型土壌にしてしまっている家庭菜園家は実に多いようです。こんな状態の土壌では病害虫の発生も多く、土壌の臭いからして腐敗型と分かる。来年の春野菜用にEMボカシ肥料を仕込んだ方も多いと思いますが、鶏糞などのC/N比の低い肥料との共用は避けるようにし、EM活性液10倍液を多めに土壌散布する事を勧めます。
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