環境と体にやさしい生き方

環境の悪化は生物系全体に大きな影響を与えています。環境と体にやさしい健康的な生活を考えるための新鮮な情報を紹介します。

畜産汚水の不適切な処理が環境と健康を阻害

2009年12月27日 | 環境問題
下の写真は何だと思われますか?
タイトルに示すように「畜産汚水」です。

それでは、ここはどこでしょうか?
中国ではありません。日本です。





日本では、平成11年11月1日に「家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」(家畜排せつ物法)が施行されてから、堆肥化処理施設や浄化処理施設が整備されて、野積みや素掘りの問題は解消されたことになっています。

しかしながら、適正に処理している農場がある一方で、未だに写真に見られるような不適切な処理(素掘りなど)が行われているところが全国各地にあります。
また、汚水の処理施設が整備されていても、その管理がずさんでうまく処理できていない農場も少なくありません。

未処理の窒素分が湖沼や河川、海洋に流出すると、富栄養化の原因ともなります。特に、亜硝酸、硝酸は土壌と同様にマイナスイオンのため、土壌に保持されずに地下水に浸透しやすい特徴があります。
硝酸塩・亜硝酸は人体に有害であり、汚染された地下水は健康に影響
を与えます。特に、乳幼児の場合には、チアノーゼの症状を引き起こす、メトヘモグロビン血症にかかります。また、亜硝酸は、胃でアミノ酸と結合して、発ガン性物質であるニトロソアミンを生成します。

このため、一定以上の規模の畜産業では、水質汚濁防止法で「アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸性化合物」の排水が規制されています。たとえば豚の場合、畜舎の面積が50m3以上であれば対象となるため、ほとんどがこれに該当します。

この排水の許容限度は100mg/Lとなっていますが、平成22年6月30日までは暫定排水基準900mg/Lが適用されています。
しかし、行政担当者の中には、このことを知らない人もいるのには驚きです。

因みに、「アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸性化合物」の許容限度の算出式は下記になります。
 [ アンモニア性窒素×0.4+亜硝酸性窒素+硝酸性窒素 ]

世界経済の低迷、物価の下落で、安くないと売れないといった状況にありますが、環境対策なくして健全な経営はあり得ません。また、消費者である私たちも、環境や健康を守るために、商品にはそれに必要な経費を加味した適正価格というものがあるということを認識すべきです。


【当ブログ中の関連記事】
窒素バランスの変化が世界環境を悪化!(2007.12.9)


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クローン牛研究、複製を中断

2009年12月25日 | 食生活等
国内の体細胞クローン牛の研究が、曲がり角を迎えています。

12月19日(2009年)の南日本新聞によると、国内の自治体が運営する研究機関のなかで最多となる51頭の「体細胞クローン牛」を複製してきた「鹿児島県肉用牛改良研究所」が、今後の複製を中断しました。
同研究所に残っているのは、2008年12月に生まれた1頭のみとなりました。

ブログ下段の【ブログ中のクローンに関する記事】にもあるように、これまで「クローン」について何回かとりあげてきました。
クローン技術には、「受精卵クローン技術」と「体細胞クローン技術」の2通りの技術がありますが、「体細胞」の場合、クローンを作出したい家畜の皮膚や筋肉などの体細胞を培養してドナー細胞として利用するために、生産頭数にほとんど制限がないという利点があります。
しかし、過去ブログにも書いたように、『死産・生後直死、病死』の占める割合は、受精卵クローン牛よりもかなり高く約55%となっています。

今回、鹿児島県の研究所で体細胞クローン牛の複製を中断した理由については、下記の2点があげられています。

・食品の安全に関して、消費者の不安が払拭されない。
・畜産農家が種牛造成に関して、従来の「産肉能力検定(間接検定)」を信用しており、クローン技術の理解が得られない。


※産肉能力検定(間接検定)
肉の色や脂肪の交雑具合は実際にその牛を殺してみないと確認できないので、種牛のかわりにその子を殺して、その肉や脂肪から間接的に種雄牛の遺伝的能力を推定する方法。

これらの理由から、現状では商業ベースに乗りにくいと判断されたわけです。
しかし、過去ブログで書いたように、1月19日(2009年)には、内閣府食品安全委員会の専門家作業部会が、体細胞クローン技術でつくられた牛と豚は「一般の繁殖技術で生産した牛・豚と同じ安全性を持つ」との報告書を発表しているように、「商業ベース」に乗れば流通できる条件は整っているといえます。食の安全性の見地から引き続き注意が必要です。


【ブログ中のクローンに関する記事】
クローン家畜流通の時代がやってくる?(2008.6.9)
クローン食品は安全か?(2008.6.16)
ついに体細胞クローン牛・豚が流通か?(2009.2.10)


【主な参考資料】
・「クローン牛 曲がり角」南日本新聞 2009.12.19

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日米地位協定が環境汚染を拡大

2009年12月17日 | 環境問題
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題はますます混迷の度を深めていますが、我が国と米国との間の大きな問題のひとつに『日米地位協定』があります。

この協定は、正式名称を「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」といい、1960年(昭和35年)に新日米安保条約に基づいて締結されました。

本協定は不平等条約であり、その第4条には次のような取り決めがあります。
第4条(施設・区域の返還のさいの無補償)
1 合衆国は、この協定の終了の際又はその前に日本国に施設及び区域を返還するに当たって、当該施設及び区域をそれらが合衆国軍隊に提供された時の状態に回復し、又はその回復の代りに日本国に補償する義務を負わない。


要するに、米国が日本に軍事基地を返還する場合、『後始末も補償も必要ない。』というとんでもない不平等条約が結ばれているのです。そしてこの不平等条約が、永年にわたって重大な環境汚染を引き起こしています。
その衝撃的な報告は、次をご覧ください。

「日米地位協定」の制約:環境汚染


この報告によると、1995年に米軍から返還された沖縄の恩納通信所から、翌96年に有毒なPCBに汚染された土壌104トンが発見され、現在、航空自衛隊の恩納分屯地にドラム缶694本に詰められて保管されています。

また、2003年に返還された北谷町(ちゃたんちょう)桑江・伊平地区の元海兵隊基地からは、米軍の燃料タンクから漏れ出した油が土壌を汚染したことが明らかになりました。
国は、日米地位協定に基づいて、約1年半、2億8千万円をかけて汚染物質を取り除きましたが、その後も、町の区画整理で60箇所以上から燃料タンクや弾薬が見つかっています。

汚染物質が見つかっているのは、返還された基地からだけではありません。普天間飛行場のある宜野湾市では、1976年に陸軍基地から大量のディーゼル燃料が流出して沿岸を汚染するなど、これまでたびたび汚染の被害を引き起こしています。

その他の在日米軍基地でも、鉛やヒ素、六価クロムなど、極めて毒性の高い有害物質が発見され、除去に要した国の費用は8億円を超えています。
また、これらの環境汚染が起こっても、行政が容易に立ち入ることはできないのが現状です。

多くの日本人が、この不平等な「日米地位協定」の中身について知りませんし、まして米国民で知る人は皆無だと思われます。しかし、この協定の不平等の現実を知れば、たとえ米国民でも良識ある人々は、早急な改訂に理解を示すでしょう。

国内でも、基地のある地域に住む人々だけの問題にとどめるのではなく、国全体の重要な問題のひとつとしてとらえていくべきです。


【主な参考資料】
・「日米地位協定」の制約 :環境汚染 You Tube
 http://www.youtube.com/watch?v=IaEHPjllocc

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農業起業で成功するには?

2009年12月07日 | 暮らし全般
11月25日(2009年)、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国が、政府系投資持ち株会社ドバイ・ワールドの負債総額が約600億ドル(約5兆円)と発表して、債務不履行の懸念から世界中に信用不安が広がりました。
このドバイ・ショックで、市場ではドル売り・円買いの流れが進んで、円は一時、84円台まで急騰しました。

日本国内では、このところ物価の下落が続いています。このデフレ現象は、1990年代後半から続いた金融危機によるものと異なり、内需が低迷していることによる正真正銘の真性デフレです。

今後、内需低迷で物価が下落して賃金の減少は止まらず、円高で輸出企業の競争力は低下して国内の設備投資は大きく減速していくことは避けられそうもありません。民主党政権は、マニフェストに掲げる子ども手当てや高速道路無料化を実行するとなると、大幅な財政赤字を埋めるための増税や新たな税の徴収を検討せざるを得なくなる可能性が高くなります。

このような中、人員削減で職を失った人や定年を迎えた人の中には、農業で生計を立てたいと思う人も少なくないと思います。また、今の職場の将来に不安を感じて、農業への転職を考える人もいると思います。
この傾向は、農業従事者の減少や高齢化、耕作放棄地の増加などに起因する低い食料自給率を食い止めるためには喜ばしいことですが、安直に農業で起業しようとしてもうまくいきません。

これまで農業に関する本を10冊以上読んでみましたが、特殊な成功体験やある側面からしか論じていないものが多く、あまり参考となるものはありませんでした。
このたび、『夢で終わらせない農業起業』(松下一郎、鈴木康央共著、徳間書店)が発売されました。

夢で終わらせない農業起業 1000万円稼ぐ人、失敗して借金作る人
松下一郎,鈴木康央
徳間書店

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本書は、農業初心者が陥りやすい点を明らかにし、事前準備から資金の活用方法、農地の見つけ方、作物の選定や販売方法まで具体的に説明されており、農業起業を考えている人におススメの本です。
特にこれまでの本と異なるのは、いかに無駄なお金を使わずにまたリスクを最小に抑えて農業起業することが大切かを、失敗事例等をあげて具体的に紹介している点です。
親や親戚、知人等の持つ土地などを借りて兼業農家をお考えの人にも、大いに参考になると思います。

著者2人の下記ブログも、新しい情報の入手や書き手の人となりを知る上で参考となります。
 松下一郎 グリーン・ブレイカーズ 
 鈴木康央 いのち文化研究所

この本を読んで、私も、これまで幾度と無くやりたいと思っていた農業について、また真剣に考えてみたくなりました。

上記著者の3部作のうち、残り2冊も参考になります。
 
本当は危ない有機野菜―リサイクル信仰が生み出す「恐怖の作物」
松下 一郎,エコ農業のウソを告発する会
徳間書店

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これを知っても食べますか?野菜畑のウラ側
松下 一郎,鈴木康央 安全で安心な野菜研究会
ゴマブックス

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【主な参考文献】
・世界同時「真性デフレ」の恐怖 (日経ビジネス2009.12.7号)
・夢で終わらせない農業起業


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