私たちが生活していくうえで、食品添加物の全くない食生活を送るということは現実的には不可能ですが、これらのなかには、アレルギー性や発がん性が疑われるものや、遺伝子損傷性、染色体異常、催奇形性などのさまざまな障害を引き起こすものが少なくありません。
食品添加物には、その種類によって「食品の保存性を高める」、「製造・加工に役立つ」、「品質を高める」、「栄養成分を強化する」、「風味を改善する」、「製造コストを下げる」などの効果があり、私たちは、これらの恩恵に預かって生活しています。
また、添加物の中には、「食品を着色して、美しく仕上げる」などの目的で使われる着色料や漂白剤、発色剤なども多く、見た目で他社製品との差別化をはかり消費者の購買意欲をそそるために、これらの使用は特に増えてきています。
なお、食品衛生法第四条第2項では、食品添加物について「添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいう。」と定義されています。
食品添加物のうち、厚生労働大臣が指定している「指定添加物」は413種類(平成23年3月15日改正分まで)です。
過去に私が調べた平成18年12月26日改正時点では364種類でしたので、4年余りで49種類増えたことになります。。
私たちは、食品の包装容器等に貼られているラベルを見ることで、食品に含まれている添加物の名称についてはおおむね知ることができますが、その安全性については余り深く考えないのが実情です。
しかし、添加物には便利さの裏でアレルギー性や発がん性が疑われるものや、遺伝子損傷性、染色体異常、催奇形性などのさまざまな障害を引き起こすものが少なくありません。
食品添加物は、「さまざまな毒性試験を行なって厚生労働大臣が安全性を確認して指定したものだから安心だ。」とは言い切れません。なかには、「効果が高い」、「代替するものがない」などの理由で、毒性の強い添加物や明らかに発がん性があるものが存在しているのです。
食品添加物の安全性を主張する側にいる人のなかには、ある食品添加物を一生涯毎日摂取しても影響を受けない量を示す『1日摂取許容量(ADI)』は、実験動物によって得られた最大無作用量(NOEL)の100分の1に設定してあるから安全であるという人もいます。
(最大無作用量とは、反復投与毒性試験、催奇形性試験、発がん性試験、繁殖試験などの結果をもとに、まったく影響が観察されない群の食品添加物の最大投与量より求められます。)
しかしながら、私たち人間の場合は、環境の整った実験室で一つの添加物を用いて試験される実験動物とは異なり、さまざまな食べ物を摂取しておりこれらが複合的に影響を与えています。また、胎児や幼児はこれらの添加物の影響を受けやすいと言われており、必ずしもADIが安全基準とはなりえません。
さらにおそろしいのは、体内に入った添加物が相互に影響を及ぼしあって変化し、毒性を増す場合があり得るということです。
また、商品のなかには、他との差別化をはかるために、「合成着色料無添加」などの表示をことさら強調しているものがありますが、他の添加剤はしっかり使われている場合も少なくありません。
塩分の過剰摂取を心配する人向けに『低塩梅干』や『低塩漬物』として販売されているものには、塩分の持つ「保存(防カビ)、色落ち防止、食感」などの役割を補うために、化学調味料やソルビン酸、酸化防止剤、酸味料などの添加剤が使われているものも少なくありません。
食品の製造にたずさわる人で、自分の勤務している工場で作っている食品を決して買わない人が多いのも事実です。これは、それらの人々が、いかに多くの体に悪い添加物を使用しているかを目の当たりにしているからに他なりません。
ここで、添加物の中でももっとも安全性に不安のあるタール系着色料についてふれてみたいと思います。
現在日本で許可されている着色料のうち石油を原料としたタール系着色料には下記の12種類あります。これらのタール着色料は、お菓子やジュース、あめなどに使われていますが、発ガン性やアレルギー性が高いものが多く、米国やEC諸国などでは使用禁止になっているものもあります。
(下記の用途は「すぐわかる食品添加物ガイド」(西岡一監修)を参考にしています。)
●食用赤色2号(別名アマランス)
菓子、清涼飲料、冷菓、洋酒などに使用
●食用赤色3号(別名エリスロシン)
焼菓子、和洋菓子、農水産加工食品などに使用
●食用赤色40号(別名アルラレッドAC)
菓子、キャンディー、ゼリー、冷菓、清涼飲料などに使用
●食用赤色102号(別名ニューコクシン)
漬物、タラコ、ソーセージ、つくだ煮、ジャム、飲料、和菓子、あめなどに使用
●食用赤色104号(別名フロキシン)
かまぼこ、ソーセージ、でんぶ、和洋焼菓子などに使用
●食用赤色105号(別名ローズベンガル)
かまぼこ、ソーセージ、でんぶ、和洋焼菓子などに使用
●食用赤色106号(別名アシッドレッド)
でんぶ、福神漬け、みそ漬け、桜エビ、ハム、ソーセージ、和洋菓子などに使用
●食用黄色4号(別名タートラジン)
漬物、練りウニ、つくだ煮、ドロップ、あめ、和洋菓子、冷菓、飲料などに使用
●食用黄色5号(別名サンセットイエローFCF)
菓子、清涼飲料、農水産加工品などに使用
●食用緑色3号(別名ファストグリーンFCF)
菓子、清涼飲料などに使用
●食用青色1号(別名ブリリアントブルーFCF)
菓子、清涼飲料に使用
●食用青色2号(別名インジゴカルミン)
和菓子、焼菓子、あん類、冷菓などに使用
このなかで、赤色2号は米国で禁止、赤色104号・赤色105号・赤色106号は発ガン性などを理由に諸外国で使用禁止になっています。また、緑色3号は米国やEC諸国で禁止され、青色1号もEC諸国で禁止されています。その他のものも安全性にかなり不安がある添加物です。
因みに私が先日スーパーで購入した「サバ弁当」の原材料名には次のように書かれていました。(文字の着色は筆者)
上記のうち、ソルビン酸は、細菌の増殖を抑え保存性を高めるために多くの食品に使われていますが、「すぐわかる食品添加物ガイド」によると、動物実験で肝の重量増加、肝臓肥大、成長抑制、肝・腎・精巣の重量減少などが確認されています。
私たちが生活していくうえで、添加物の全くない食生活を送るということは現実的には不可能です。
重要なのは、添加物には危険なものがあるということを認識して、「危険なものを避ける」、「危険なものを控える」努力をすることであり、食品添加物の危険性から身を守るためには、この方法しかありえないのです。
以前、食品添加物の専門商社に勤めていた安部 司さんは、『食品の裏側』という本の中で、現状では食品添加物の情報公開が不十分なため、私たち消費者はその実態を知らないで食品を購入している場合が多いといいます。確かに食品のラベルには使われている添加剤が書かれていますが、それを見ただけでは理解できないものが多いのも事実です。
安部さんは、食品を買う場合には次のような視点で商品の裏側にある原材料表示を見て、常識の範囲内で判断することが大切だと言っています。
●「台所にないもの」が入っていない食品を選ぶ
現状では、日常生活で添加物の全くない生活は不可能です。阿部さんは、「台所にないもの=食品添加物」という図式で、原材料表示になるべく「台所にないもの」が入っていない食品を選ぶだけで、随分、添加物の少ない食品を選ぶことができると書いています。
●加工度の低いものを選ぶ
加工度が高くなればなるほど、使用されている添加剤は多くなります。
●安いものを安易に買わない
安いものには、安いなりの理由があります。
●素朴な疑問を持つ
「家族や自分の健康は自らで守る」ために、意識して危険な添加物を避ける努力をすることが大切です。
今後、個々の食品の添加物についてもブログでとりあげていきたいと思っています。
【主な参考文献】
・改訂版 食品・化粧品危険度チェックブック(下記に紹介しています。)
(体験を伝える会添加物110番編、情報センター出版局)
・食品の裏側(安部 司、東洋経済)(下記に紹介しています。)
・すぐわかる食品添加物ガイド(西岡 一監修、家の光協会)
食品添加物には、その種類によって「食品の保存性を高める」、「製造・加工に役立つ」、「品質を高める」、「栄養成分を強化する」、「風味を改善する」、「製造コストを下げる」などの効果があり、私たちは、これらの恩恵に預かって生活しています。
また、添加物の中には、「食品を着色して、美しく仕上げる」などの目的で使われる着色料や漂白剤、発色剤なども多く、見た目で他社製品との差別化をはかり消費者の購買意欲をそそるために、これらの使用は特に増えてきています。
なお、食品衛生法第四条第2項では、食品添加物について「添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用する物をいう。」と定義されています。
食品添加物のうち、厚生労働大臣が指定している「指定添加物」は413種類(平成23年3月15日改正分まで)です。
過去に私が調べた平成18年12月26日改正時点では364種類でしたので、4年余りで49種類増えたことになります。。
私たちは、食品の包装容器等に貼られているラベルを見ることで、食品に含まれている添加物の名称についてはおおむね知ることができますが、その安全性については余り深く考えないのが実情です。
しかし、添加物には便利さの裏でアレルギー性や発がん性が疑われるものや、遺伝子損傷性、染色体異常、催奇形性などのさまざまな障害を引き起こすものが少なくありません。
食品添加物は、「さまざまな毒性試験を行なって厚生労働大臣が安全性を確認して指定したものだから安心だ。」とは言い切れません。なかには、「効果が高い」、「代替するものがない」などの理由で、毒性の強い添加物や明らかに発がん性があるものが存在しているのです。
食品添加物の安全性を主張する側にいる人のなかには、ある食品添加物を一生涯毎日摂取しても影響を受けない量を示す『1日摂取許容量(ADI)』は、実験動物によって得られた最大無作用量(NOEL)の100分の1に設定してあるから安全であるという人もいます。
(最大無作用量とは、反復投与毒性試験、催奇形性試験、発がん性試験、繁殖試験などの結果をもとに、まったく影響が観察されない群の食品添加物の最大投与量より求められます。)
しかしながら、私たち人間の場合は、環境の整った実験室で一つの添加物を用いて試験される実験動物とは異なり、さまざまな食べ物を摂取しておりこれらが複合的に影響を与えています。また、胎児や幼児はこれらの添加物の影響を受けやすいと言われており、必ずしもADIが安全基準とはなりえません。
さらにおそろしいのは、体内に入った添加物が相互に影響を及ぼしあって変化し、毒性を増す場合があり得るということです。
また、商品のなかには、他との差別化をはかるために、「合成着色料無添加」などの表示をことさら強調しているものがありますが、他の添加剤はしっかり使われている場合も少なくありません。
塩分の過剰摂取を心配する人向けに『低塩梅干』や『低塩漬物』として販売されているものには、塩分の持つ「保存(防カビ)、色落ち防止、食感」などの役割を補うために、化学調味料やソルビン酸、酸化防止剤、酸味料などの添加剤が使われているものも少なくありません。
食品の製造にたずさわる人で、自分の勤務している工場で作っている食品を決して買わない人が多いのも事実です。これは、それらの人々が、いかに多くの体に悪い添加物を使用しているかを目の当たりにしているからに他なりません。
ここで、添加物の中でももっとも安全性に不安のあるタール系着色料についてふれてみたいと思います。
現在日本で許可されている着色料のうち石油を原料としたタール系着色料には下記の12種類あります。これらのタール着色料は、お菓子やジュース、あめなどに使われていますが、発ガン性やアレルギー性が高いものが多く、米国やEC諸国などでは使用禁止になっているものもあります。
(下記の用途は「すぐわかる食品添加物ガイド」(西岡一監修)を参考にしています。)
●食用赤色2号(別名アマランス)
菓子、清涼飲料、冷菓、洋酒などに使用
●食用赤色3号(別名エリスロシン)
焼菓子、和洋菓子、農水産加工食品などに使用
●食用赤色40号(別名アルラレッドAC)
菓子、キャンディー、ゼリー、冷菓、清涼飲料などに使用
●食用赤色102号(別名ニューコクシン)
漬物、タラコ、ソーセージ、つくだ煮、ジャム、飲料、和菓子、あめなどに使用
●食用赤色104号(別名フロキシン)
かまぼこ、ソーセージ、でんぶ、和洋焼菓子などに使用
●食用赤色105号(別名ローズベンガル)
かまぼこ、ソーセージ、でんぶ、和洋焼菓子などに使用
●食用赤色106号(別名アシッドレッド)
でんぶ、福神漬け、みそ漬け、桜エビ、ハム、ソーセージ、和洋菓子などに使用
●食用黄色4号(別名タートラジン)
漬物、練りウニ、つくだ煮、ドロップ、あめ、和洋菓子、冷菓、飲料などに使用
●食用黄色5号(別名サンセットイエローFCF)
菓子、清涼飲料、農水産加工品などに使用
●食用緑色3号(別名ファストグリーンFCF)
菓子、清涼飲料などに使用
●食用青色1号(別名ブリリアントブルーFCF)
菓子、清涼飲料に使用
●食用青色2号(別名インジゴカルミン)
和菓子、焼菓子、あん類、冷菓などに使用
このなかで、赤色2号は米国で禁止、赤色104号・赤色105号・赤色106号は発ガン性などを理由に諸外国で使用禁止になっています。また、緑色3号は米国やEC諸国で禁止され、青色1号もEC諸国で禁止されています。その他のものも安全性にかなり不安がある添加物です。
因みに私が先日スーパーで購入した「サバ弁当」の原材料名には次のように書かれていました。(文字の着色は筆者)
原材料名 白米、鯖、煮物、揚物、添物、野菜、調味料(アミノ酸等)、(原材料の一部に小麦、卵、乳、鯖を含む)、保存料(ソルビン酸)、着色料(赤102 104 106 カロチノイド 黄4 カラメル)
上記のうち、ソルビン酸は、細菌の増殖を抑え保存性を高めるために多くの食品に使われていますが、「すぐわかる食品添加物ガイド」によると、動物実験で肝の重量増加、肝臓肥大、成長抑制、肝・腎・精巣の重量減少などが確認されています。
私たちが生活していくうえで、添加物の全くない食生活を送るということは現実的には不可能です。
重要なのは、添加物には危険なものがあるということを認識して、「危険なものを避ける」、「危険なものを控える」努力をすることであり、食品添加物の危険性から身を守るためには、この方法しかありえないのです。
以前、食品添加物の専門商社に勤めていた安部 司さんは、『食品の裏側』という本の中で、現状では食品添加物の情報公開が不十分なため、私たち消費者はその実態を知らないで食品を購入している場合が多いといいます。確かに食品のラベルには使われている添加剤が書かれていますが、それを見ただけでは理解できないものが多いのも事実です。
安部さんは、食品を買う場合には次のような視点で商品の裏側にある原材料表示を見て、常識の範囲内で判断することが大切だと言っています。
●「台所にないもの」が入っていない食品を選ぶ
現状では、日常生活で添加物の全くない生活は不可能です。阿部さんは、「台所にないもの=食品添加物」という図式で、原材料表示になるべく「台所にないもの」が入っていない食品を選ぶだけで、随分、添加物の少ない食品を選ぶことができると書いています。
●加工度の低いものを選ぶ
加工度が高くなればなるほど、使用されている添加剤は多くなります。
●安いものを安易に買わない
安いものには、安いなりの理由があります。
●素朴な疑問を持つ
「家族や自分の健康は自らで守る」ために、意識して危険な添加物を避ける努力をすることが大切です。
今後、個々の食品の添加物についてもブログでとりあげていきたいと思っています。
【主な参考文献】
・改訂版 食品・化粧品危険度チェックブック(下記に紹介しています。)
(体験を伝える会添加物110番編、情報センター出版局)
・食品の裏側(安部 司、東洋経済)(下記に紹介しています。)
・すぐわかる食品添加物ガイド(西岡 一監修、家の光協会)
食品・化粧品危険度チェックブック―買ってはいけない商品を成分表示から判定できる情報センター出版局このアイテムの詳細を見る |
食品の裏側―みんな大好きな食品添加物東洋経済新報社このアイテムの詳細を見る |