【追記 2009.4.28】ブログ内の関連記事の紹介
「警戒レベル4、個人の新型インフルエンザ対策を!(2009.4.28)」
「新型インフルエンザ 事前対策の不確実性(2008.4.22)」
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鳥インフルエンザや新型インフルエンザについては新聞やテレビでよく報道され、インターネットで検索しても多くの情報が掲載されています。しかし、世界保健機関(WHO)が、『新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)はいつ発生してもおかしくない』と警告していることや、パンデミックに至るまでのステップと現状について具体的に知っている人は少ないと思います。
鳥インフルエンザや新型インフルエンザについては新聞やテレビでよく報道され、インターネットで検索しても多くの情報が掲載されています。しかし、世界保健機関(WHO)が、『新型インフルエンザの世界的大流行(パンデミック)はいつ発生してもおかしくない』と警告していることや、パンデミックに至るまでのステップと現状について具体的に知っている人は少ないと思います。
また、私たち生活者が新型インフルエンザの発生に備えて個人でできる対策について、厚生労働省から参考となる情報が発信されていますが、これらの情報を知って対策をしている人はほとんどいないと思われます。
そこで、鳥インフルエンザや新型インフルエンザの概要及び個人でできる対策についてわかりやすく紹介します。
【新型インフルエンザとは】
インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染によっておこる病気で、発病すると、普通の風邪の症状に加え、38℃以上の発熱や頭痛、関節炎、筋肉痛などの全身の症状が強くあらわれます。 また、気管支炎、肺炎、中耳炎、熱性けいれんなどを併発することもあります。
インフルエンザウイルスには、A型、B型、C型がありますが、ヒトに感染するのはA型及びB型で、パンデミックを引き起こす危険性があるのはA型です。A型ウイルスは、ヒトを含むほ乳類や鳥類に広く分布しています。
A型ウイルスの表面にはたんぱく質の2種類の抗原帯すなわち、「赤血球凝集素(H:hemoagglutinin)」と「ノイラミニターゼ(N:neuraminidase)」があり、それぞれH1~H16、N1~N9に分類されます。
カモやアヒルなどの水鳥を中心とした鳥類がこのA型インフルエンザウイルスに感染しても、感染している鳥類の多くは症状がなく、他の鳥類に感染して症状が出た場合に鳥インフルエンザとして扱われます。鳥インフルエンザのなかでも、感染した鳥類が死亡にいたるような重篤な症状をきたすものを高病原性鳥インフルエンザといいます。これまで判明している高病原性鳥インフルエンザウイルスは、すべてH5亜型とH7亜型に限られています。
新型インフルエンザは、鳥インフルエンザなどがヒトに感染し、ヒトの体内で増えることができるように変化して、ヒトからヒトへ感染するようになったウイルスによる疾患のことをいいます。現在、高病原性鳥インフルエンザのウイルスが新型インフルエンザに変異して、パンデミックを引き起こすことが危惧されています。
鳥インフルエンザと新型インフルエンザの関係については、厚生労働省 新型インフルエンザ対策関連情報にある下図「鳥インフルエンザと新型インフルエンザの関係」を参照してください。
【過去の新型インフルエンザ】
20世紀には、下記のように新型インフルエンザが10年から40年の周期で流行しています。
・1918年(大正 7年)スペインインフルエンザ
・1957年(昭和32年)アジアインフルエンザ
・1968年(昭和43年)香港インフルエンザ
・1977年(昭和52年)ソ連インフルエンザ
従来、これらは、スペインかぜなどのように、一般的には「かぜ」という名称がつけられていましたが、既述したように「かぜ」と「インフルエンザ」は別個のものです。いずれも世界的に流行して、スペインインフルエンザの場合、死亡者は世界で約4,000万人、日本で約39万人にものぼってます。
グローバル化した世界経済のもとでは、過去の新型インフルエンザ以上に急速なウイルスの感染拡大が危惧されています。
【高病原性鳥インフルエンザ発生の状況】
厚生労働省は、WHO及び各国政府の正式な公表に基づいた2003年11月以降の「鳥インフルエンザ(H5N1)発生国及び人での発症事例」を公表しています。これによると、家きん等によるH5N1は世界的に発生し、2008年1月24日現在、WHOの確認している人での発症は計353人で、そのうち死亡が221人と致死率が6割以上と極めて高くなっています。
日本では、高病原性鳥インフルエンザが、2004年1月~2月に、山口県(養鶏場)、大分県(愛玩鶏)、京都府(養鶏場)で発生し、2007年1月~2月に、宮崎県(清武町、日向市、新富町、いずれも養鶏場)、岡山県(養鶏場)で発生しています。(いずれもH5N1型)
最新の情報は、国立感染症研究所 感染症情報センターのサイト(http://idsc.nih.go.jp/index-j.html)から入手できます。 高病原性鳥インフルエンザ Avian influenza
【パンデミックにいたるステップと現状】
WHOは、パンデミックの警報に次のような6つのフェーズを用いています。
詳細は、国立感染症研究所 感染症情報センターのサイトhttp://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/05pandemic/0511phase.htmlを参照してください。
現在は、フェーズ3の段階にあり、パンデミックの可能性が高くなってきています。
フェーズ1:ヒト感染のリスクは低い
フェーズ2:ヒト感染のリスクはより高い
フェーズ3:ヒト-ヒト感染は無いか、または極めて限定されている
フェーズ4:ヒト-ヒト感染が増加していることの証拠がある
フェーズ5:かなりの数のヒト-ヒト感染があることの証拠がある
フェーズ6:効率よく持続したヒト-ヒト感染が確立
【個人の対策】
新型インフルエンザのワクチンの開発には、新型ウイルスそのものが必要なために、開発・製造には6ヶ月以上が必要とされています。また、政府が備蓄している1,000万人分のプレパンデミックスワクチンは、現在流行している鳥インフルエンザに対するもので、新型インフルエンザへの効果は不明です。このため、各人が可能な範囲で対策を施すことが必要です。
基本的には、通常のインフルエンザの感染予防と同様に、感染者の咳、くしゃみ、つばなどを経由したウイルスによる感染を予防するために次のような対策をとることです。
・外出後の手洗い
・マスクの着用
・流行地への渡航の自粛
・人ごみや繁華街への外出の自粛
・十分な休養、体力の維持増進、抵抗力の向上、バランスのよい栄養摂取
また、いったん新型インフルエンザが流行すると、食料品や日常品の流通が滞り入手が困難になるため、平常時から必要と思われる備蓄品を準備しておくことが重要です。
厚生労働省の新型インフルエンザ・個人でできる対策のサイトから、個人での備蓄物品の例を下記に紹介します。地震等の防災対策にも共通するものがほとんどですので、検討されることをおすすめします。
姉妹ブログ「環境とからだにやさしい生活」では、「災害時の備蓄品」を紹介しています。
個人での備蓄物品の例
○食糧(長期保存可能なもの)の例
主食類
米
乾麺類(そば、ソーメン、うどん等)
切り餅
コーンフレーク・シリアル類
乾パン
各種調味料
その他
レトルト・フリーズドライ食品
冷凍食品(家庭での保存温度ならびに停電に注意)
インスタントラーメン
缶詰
菓子類
ミネラルウォーター
ペットボトルや缶入りの飲料
○日用品・医療品の例
常備品
常備薬(胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬)
絆創膏(大・小)
ガーゼ・コットン(滅菌のものとそうでないもの)
解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)
薬の成分によっては、インフルエンザ脳症を助長する可能性があります。
購入時に医師・薬剤師に確認してください。
対インフルエンザ対策の物品
マスク
ゴム手袋(破れにくいもの)
水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用)
漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある)
消毒用アルコール
通常の災害時のための物品(あると便利なもの)
懐中電灯
乾電池
携帯電話充電キット
ラジオ・携帯テレビ
カセットコンロ・ガスボンベ
トイレットペーパー
ティッシュペーパー
キッチン用ラップ
アルミホイル
洗剤(衣類・食器等)・石けん
シャンプー・リンス
保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの)
生理用品(女性用)
ビニール袋(汚染されたごみの密封に利用)
【主な参考文献】
・日経ビジネス 2008.2.11号 最後の砦でウイルス撃退
・国立感染症研究所 感染症情報センター 鳥インフルエンザに関するQ&A
・厚生労働省 鳥インフルエンザに関する情報
・厚生労働省 鳥インフルエンザ(H5N1)発生国及び人での発症事例
・厚生労働省の新型インフルエンザ・個人でできる対策
【gooブログ投稿記事一覧】
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ここから関連のある記事にアクセスしやすくなりました。
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