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NPO法人 おきなわ環境クラブ

この度は、「緑のgoo」を通じて、おきなわ環境クラブ(OEC)に寄付を頂きありがとうございました。皆さまからいただいたご支援は、沖縄県国場川下流河川敷の水辺の緑化活動へ活用させていただきました。

OECが、国場川河川敷で水辺の緑化活動について、始めたきっかけやこれまでの経緯は、第8回寄付の実績レポートで報告をしておりますので、そちらをご覧ください。

緑のgoo 寄付実績レポート おきなわ環境クラブ

http://blog.goo.ne.jp/greengooactivity/e/a01956159018028dcca5e369cb4b74d7

前回、活動報告をさせていただいた2010年11月以降も、2か月に1回のペースで、当クラブ会員やサガリバナのオーナー、地域の方々と一緒に、サガリバナの手入れや沖縄の海浜植物を用いた雑草抑制の実験をおこなってきました。さらに定期的にワークショップを開催するとともに様々な環境教育プログラムの試行、地域の環境イベントにも参加をしました。

2010年12月11日(土)平成22年度 第3回おきなわ環境クラブ 国場川環境調査ワークショップ
水辺環境の現状について、一緒に考えてみましょう!






漫湖水鳥・湿地センター(環境省)で、ラムサール条約登録湿地・漫湖(国場川河口域)の概要を勉強し、併設する木道でマングローブや底生動物(カニや貝)を観察して、特徴を理解しました。また南岸ではゴミの調査もおこないました。流域から河岸に流れ着いたごみについて、一定範囲で種類ごとに数えました。上・中流域から流れ着いたと思われるペットボトルや発泡スチロール、ポリ袋など、私たちの生活から出ているごみが目立ちました。今回は、これらの観察や調査を通して、国場川下流域(漫湖)の自然や環境について、現状と課題について理解を深めることができました。

2010年12月18日(土)第16回 国場川水あしび





国場川水あしびは、16年前から国場川水あしび実行委員会が、国場川流域(7市町村)に住む方々にイベントを通し、身近に残された貴重な自然に親しみ、水辺の環境保全の大切さを認識してもらうために開催しています。OECは、国場川や国場集落等での環境啓発活動、水辺の植物や漂着物の展示をしました。また『「マングローブ」の不思議な生き方を見にいこう!』と題した自然体験型プログラムを提供して、たくさんの参加者に楽しんでもらいました。

2011年1月22日(土)第12回国場川サガリバナお手入れワークショップ
地域で一緒に水辺植生を再現しましょう!


 

今回のワークショップは、趣向を変えて、前半に「漫湖公園内」や「ジョギングロード」の植物や公園内にある「ちょうちょガーデン」でオオゴマダラの観察をおこない、沖縄の動植物を楽しみました。沖縄といえども冬は寒いので、この時期は夏に比べ海浜植物や雑草の成長が遅くなります。後半は、これまで同様、海浜植物の植栽をおこないました。今回は、実験的に植栽方法を変えて、河川敷上段から下段方向に向けて、ツワブキ、グンバイヒルガオ、ハマオモトの順番で、約0.3~0.4mの横幅間隔で植栽をしました。ツワブキやハマオモトの緑色が映え、参加者は植栽作業の達成感を味わうことができたようです。また参加者には、公園苗床でおこなっている苗づくりを見学するとともに、それらの作業を体験していただきました。

2011年3月12日(土)


前日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で、沖縄地方沿岸全域も津波警報が発令され、この日に予定していたワークショップは中止となりました。震災の被害を受けた方々には、お見舞い申し上げます。

2011年5月21日(土)第13回国場川サガリバナお手入れワークショップ
地域で一緒に水辺植生を再現しましょう!

 





昨年(2010年)3月に植栽をした区域では、すでにグンバイヒルガオが定着し、河川敷斜面を覆っています。これまでの成長で伸びたツルを切り取り土に植える(差し込む)ことでも正常に生育することから、今回は、この区域で取ったツル苗(栄養体)を用いて、新しい地区にグンバイヒルガオを広げました。また、これまでと違い「ツワブキゾーン」「ハマオモトゾーン」など、種類ごとに植栽をする新たな方法を試みました。ワークショップ後半は、苗木づくりの一環で空ペットボトルを利用したアクアプランターづくりを体験しました。このやり方は、廃材料で苗床を準備することができ、身近に種子から苗までの成長過程を楽しむことができます。参加者は、大いに興味を持ったようです。

2010(平成22)年度のまとめと今後の活動


会員やサガリバナオーナー(管理者)をはじめ、地域の方と一緒に、約1年間で、河岸の長さ100メートルの範囲で、雑草・雑木の刈り取りをおこないました。特にギンネム株の根切り作業やギンネムの実生(芽生え)を抜き取りました。対象とした河川敷実験区では、基礎資料として、植物相(フロラ)の作成調査も行いました。

ギンネムや雑草を抑制する方法として植栽する海浜植物は、種類ごとに、それぞれの種子や栄養体から苗を育て、移植後の保育管理、植栽方法やその後の維持管理方法を試行しました。実験区では、4回にわたり、海浜植物(グンバイヒルガオ、ボタンボウフウ、ハマオモト、ツワブキ)を植栽したところ、それぞれ順調に成長し、6ヶ月程度で花を咲かせ実をつける状態になり、沖縄の海浜植物群落が再現されました。また年間を通した活動で、雑草の成長傾向や草刈り・草抜き効果を確認できました。

これらの成果は、リーフレットとして「一緒にサガリバナの並木をつくろう!」にまとめ、これまでの参加者をはじめ、近隣の学校・自治会に配布し、活動の理解を深めてもらうよう配布をしました。

 

今年は、昨年の実験区の維持管理と同時に新たな実験区を広げ、それらの結果を検証しながらいろいろな試みを挑戦していく計画です。特に雑草・雑木として目立つギンネムについては、株の根切りの効果を確認することができましたが、まだグンバイヒルガオとチガヤやススキなどの雑草が競争をしている場面も見られます。どこまで人の手を加えれば、あとは自然の力に任せることができるのかについて確かめる必要があります。また、用いる海浜植物の適した種類や効果的なレイアウト(配置)など、もう一年かけて検証・実験を継続するとともに、人工的につくられた自然や埋め立て地(河川敷)を、沖縄の自然と環境を学ぶ場としてつくりあげていくことを目指します。

今後も地域の方々に、安心して緑化活動に参加する場を提供し、身近な自然の変化を見つめる場として、ひとりひとりが水辺の環境に関心が高まり、理解が深まっていくことを期待して活動を続けていきます。


NPO法人 おきなわ環境クラブ

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