さいごのかぎ / Quest for grandmaster key

「TYPE-MOON」「うみねこのなく頃に」その他フィクションの読解です。
まずは記事冒頭の目次などからどうぞ。

ループ犯人から見た「駒の動き」

2009年06月09日 03時12分45秒 | ループ説・カケラ世界
※初めての方はこちらもどうぞ→ ■うみねこ推理 目次■ ■トピック別 目次■


ループ犯人から見た「駒の動き」
 筆者-初出●Townmemory -(2009/06/09(Tue) 02:45:36)

 http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=26555&no=0 (ミラー
 Ep4当時に執筆されました]


●再掲にあたっての筆者注
『「犯人」がループ存在だとしたら?』の、続編です。どうしたら犯人は、ひぐらしの梨花のように、篭からぬけだして自由になれるのか。それを考えてみました。
 仮説に仮説をかさねた上で出てきた架空の結論に対して、どう対処すればいいのかを考えているわけですから、本文にも書いたとおり砂上楼閣もいいとこです。
 けれど、自分の頭から出てきた推理なのですから、それに対して処方箋を出さないのは、無責任な気がしました。「風邪です」と診断しておいて薬を出さない医者はヤブです。

 推理小説の探偵だったら、真相と犯人を指摘したら終わりですが、「うみねこ」は、
「じゃあどうしたら彼らは救われるのか」
 が問われていると思います。「ひぐらし」でも、そうでした。
 問われたら、答えるべきです。今のところ、ここまでが、精一杯ですが。

 以下が本文です。


     ☆


 ちょっと、ヘンな方向から話をしてみたいんです。

 というのは、
「誰が生き残ったら、碑文の謎は解けるのか」
 です。

 この話をするにあたっては、以下の3点を前提にしています。

・犯人は古手梨花と同様のループ記憶保持者。
・犯人は特定の条件が揃うまで、「何度も何度も永遠に13人殺し+自殺をしなければならない」という拷問にかけられている。
・拷問終了条件はたぶん「碑文の謎が解かれる→犯人からのメッセージが生存者たちに明らかになる」。


 いやあ、なんとまあ、突飛な条件だ。

 なので、この突飛な条件を、ひとまずであっても受け入れられないという方には、まっったく意味のない書き込みです。
 ていうかループ記憶説、自分でも「どうかなー」という半信半疑の面もあるんですけど。

「とりあえず、その3条件をあることにして、先を読んでやるよ」
 というあなた。
 ありがとうございます。

 ちなみに、なんでこんな3条件があるのか、という説明が、以下に示すアンカーにございます。読んだらわかりやすくなりますが、大変なので、読まなくてもなんとかなるようにしたいと思います。
 この記事を読み終えたあとで、まだ興味があったら、くらいでよろしくどうぞ。

「犯人」がループ存在だとしたら?
 チェックメイト――黄金郷再び・金蔵翁の黄金郷

 おそるべきことにこの↑説が的外れだったら、以下の長文はまっったく成立しないという……砂上楼閣にもほどがありますね。
 でも、そういう可能性を思いついてしまったので。
 思いつかなければ、そんなカケラはたぶん存在しなかったですけど、思いついちゃった(つまり「観測しちゃった」)以上、六軒島密室の猫箱の中に、そのカケラ世界は存在しえます。なら、存在しうるそのカケラ世界に閉じこめられた人を助けられるのは私だけなので、そのためになんとか頑張ってみたいと思います。
(前置き長いよ)


     *


 さて、「もう、1人も殺したくないし自殺もしたくないよう」という気持ちでいっぱいの犯人さんが、この拷問から解放される方法はなんだろうか。

 ゲーム初期から、ひとつ大きな条件が出ています。
 碑文の謎を解いたら殺人は止まる、という……。
 あまりにも大々的に出ている条件なので、これ本当に本命でいいのかな、という気もしますが、他に手がかりがないので、これでOKということにします。
「誰かが碑文の謎を解く」
「九羽鳥庵(推定)にたどり着き、どうして犯人がこんな殺人を始めなきゃいけなかったかを解明する」

 この二つの条件が揃ったら、ゲーム盤に幽閉されている犯人は解放される、と、とりあえず仮定します。

「さっさと碑文の謎を解いてみなさいホレホレ」という、あの何度も来る魔女の手紙は、実は、
「お願いだから、早く私を止めて。もう私に殺させないで」
 という、悲鳴だったんだ、そう考えるわけです。わりに好意的な解釈ですね。

 ちなみに、ep3で絵羽と楼座が到達してましたけど、殺人は止まりませんでした。
 あれって……「黄金郷を発見した」って、みんなに宣言しなかったのが、絵羽最悪の悪手だったんじゃないかなあ……と思います。
 だって、言わなきゃ、犯人もわからないから、止めようがないですよね。

 ひぐらしは「いかに惨劇を発生させないか」のゲームでしたが、「うみねこ」は、
「すでに始まってしまっている惨劇をいかに止めるか」
 のゲームなんだと思うのです。


     *


 さて……。
「誰かを黄金郷にたどりつかせたい犯人」というのを想定するとして。
 誰を生かしておき、誰にヒントを与えたら、うまいこと謎を解いてくれて、自分のいわんとすることをわかってくれるだろうか。
 それを考えてみたいのです。

 つまり、「犯人側から見た駒の動き」です。

 こんな感じかしらん。


●使用人たちに、碑文を解こうという意志はない。
(よって、彼らを誘導しようと思っても無駄である)


 これは良さそうですね。源次とか南條とか熊沢なんて、犯人の正体もやってることも知っていて、黙認している疑いが濃厚ですし。ep1書斎に現れた「魔女の手紙(不和の魔法陣入り)」なんて、真里亞、源次、南條、熊沢が結託していないと現れようがないと思いますし。


●「右代宮ペアレンツ」(親チーム)は、1名(少数)が生き残った場合、自分の子供を守ることに専念してしまうので、碑文を解かない。
(よって、この状態を作ってから誘導しようとしても無駄である)


 ep1と2から。
 第一の晩で「右代宮ペアレンツ」をたくさん殺してしまうと、のちの殺人がしやすいという点では有利なのですが、そのかわり、碑文解明はほぼ絶望的になる。
 よって、適度に人数を削減し、適度に生かしておくバランスが望ましいと見る。半減くらい? 銃二丁登場、くらいのバランスでしょうか?


●「右代宮ペアレンツ」を全員生存させた場合、「碑文解読モード」が起動する。ただしその場合、最初に謎を解くのは絵羽である。
(絵羽は解読を秘密にしてしまうので、解読者として最悪である)


 ep3です。
「右代宮ペアレンツ」が7名全員生存、銃4丁登場、というのは、殺人者としての犯人から見たら、最悪に近い状況です。
 しかし、「碑文を誰かに解いてもらい、ゲーム盤から解放されたい」というのなら、現在、もっとも「正答」に近い打ち手だといえます。
 なぜなら、これまでの4ゲームのうち、駒たちが「碑文解読モード」に入ったのは、このエピソードだけだからです。
 どうやら、親チームの残留数と、「解読モード」起動との間には、密接な関係があるのではないか、と推測します。
 親が何人生き残ったら、解読モードに入るのか。
 その境界をさぐるのが、犯人に求められている「実験」だと思えます。
 ep1を見ると、残留3人、では、無理っぽい。
 いや、ep1がダメだったのは、夏妃と絵羽夫妻という、あからさまな対立家族だったからかもしれず、友好的な組み合わせなら3人でもいけるのかもしれません。

 親全員生存で、ほぼ確実に解読モードに入るのだとしたら、全員生存させればよいかというと、そうではないようです。
 なぜなら……真っ先に解読したのは絵羽でした。
 黄金を独り占めしたくて秘密にするという……ビックリの動きに出ました。

 よって、犯人は、駒たちを「解読モード」に誘導しつつ、「絵羽以外の人間に」謎を解いてもらわねばならない、という条件になります。

 カンタンなのは、第1の晩(鍵の選びし6人)で、使用人5人+絵羽を殺して様子を見るということですね。
 もしくは、第1の晩で、秀吉か譲治を殺してしまい、絵羽を、碑文の謎どころではない精神状態にしてしまう。
 ……あ、このことは、他の誰であっても言えますね。
 例えば、「霧江に謎を解かせたい」とキメウチしたのなら、留弗夫と戦人は絶対に生かしておかねばならない。

 それともうひとつ。絵羽以外にも、「黄金を独り占めする」という行動に走る人間がいるかもしれない。それをひとつひとつ発見していく必要もあります。


     *


 今のところ、思いつく動きは、このくらいです。

 けど、もうちょっと想像を勝手にはたらかせてみたい。
 犯人にとって、誰が碑文の謎を解いてくれたらいちばん理想的か。
 つまり、黄金郷に行って、黄金以外のものを視ることができそうな人は誰か。


●候補者その1・楼座

 なんといっても、ep3ですでに、「楼座は黄金を隠匿しない」と判明しています。これが高ポイント。楼座さん思いのほか、まともな人じゃないですか。見直しました。
 もうひとつ。
 彼女は九羽鳥庵の人間ベアトリーチェに会ったことがある。だから、かなりの可能性で、ベアトリーチェと金蔵の愛に思いをはせることができる。この人は有望そう。
 ただ、「金蔵からベアトを奪ったのは自分だ」と認識したとき楼座がどう反応するのかは、未知数ですね。んー。


●候補者その2・霧江

 上で書いた「駒の動き」には入れていないのですが、こんなアイデアも持っています。
・?霧江が生存していないと、解読成功率が大幅に下がる?

 たとえば、「6つの鍵=6文字のキーワード」説などを、霧江が発想してくれない限り、碑文は解かれない、といったこと。
(ただ、それを言い出すと、「絵羽が生存していないと、碑文を解こうと言い出さない=解読モードが起動しない」とかいうことにもなってしまう……)

 霧江さんは、黄金郷に行きさえすれば、いろんなことをパッパッと思いついて説明してくれそうな、探偵キャラだとは思うのです。
 不安点があるとしたら、「戦人の出生の秘密」が、金蔵―ベアトリーチェのラインに変に接続したときどういう反応を見せるかくらい。あと、右代宮家に対して精神的に距離があるという点で、展開として地味ー。


●候補者その3&4・譲治と戦人

 ていうか、これが本命でしょう。そうでなかったらびっくりだ。

 譲治はなんといっても愛の男ですから、黄金郷にたどりついてくれれば、とって返して親たちに涙ながらに訴えてくれるでしょう。
 遺産相続なんかで争ってる場合じゃないよ! ぼくたちに必要なのは戦うことじゃない、愛し合うことだったんだ!(ここでヤマトのテーマ流れる)みたいな。
 不安点があるとすれば、譲治が謎を解くとき、絵羽と秀吉は殺されている可能性がすごく高そう……。そのことを棚に上げてくれるのかどうか。絵羽を殺さず、なおかつ碑文を解かせず、譲治に解かせるという条件?

 戦人は、犯人視点からみて「愛のない男」なんですよね。
 でも、ep2で、嘉音の疑いを晴らそうとしたり、「誰も疑いたくない」という基本路線を持っていたりして、動きとしては好感です。
 それと、チェス盤思考。
 これって、大づかみにとらえれば、
「相手の気持ちになって考える」
 ということですよね。
 現在の彼は、「思考ルートをたどる」という意味でしか使ってませんが、「感情の流れをさぐる」という使い方をしたとき、あっというまに「人の気持ちがわかる」男になれる。その可能性があります。
 碑文解読モードへの入り方は……霧江が半分くらい解いたところで殺され、「あとは、あなたが、解いて……」という遺言をのこされる、くらいの展開は余裕でいけそう。


 あと、チェス盤思考で思いついたけれど、。
 「うみねこ」の結末を、今ここで書いてきているように、「チェス盤という檻を打ち破る」というような展開だと想定するのなら、オーラスのクライマックスは、

「いまこそおおおっ、チェス盤をおおおっ、ひっくり返すぜええええっっっ!!!」

 と戦人が叫んで、チェス盤を「上下に」(星一徹のごとく)ひっくり返し、ガシャーン! ドカーン! みたいな熱血展開だったらいいなー、だったらいいなーと思います。ていうか自分でそういうカケラ世界展開を作ってしまえばいいのですけどね。

 そんな感じで。



■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■


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