私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

古 希

2007-03-30 09:47:55 | weblog
昨日(3/29)は私の70回目の誕生日。還暦から古希まではアッという間の10年だった。
定年後、第二第三の職場で過去を振り返ることなく夢中で働いてきたが、下り坂は早く「光陰矢の如し」「歳月人を待たず」を実感している。「古希」は唐の詩人杜甫の曲江詩「人生七十古来稀」に由来し、孔子もまた「七十にして心の欲するところに従い、矩(のり)を踰(こ)えず」と教えている。これ程までに高齢社会となった昨今では、70歳まで生きることは当然で希でもなければめでたくもない。
娘夫婦の食事の祝いに誘われた際、4歳になる孫のS君から手紙を渡された。開いてみると私の似顔絵のわきに「たんじょうびおめでとう」と判読しなければ読めないたどたどしいひらがなが並ぶ。おそらくこの子にしては、私のために自分の精一杯の能力と心を込めて書いたもので思わず胸が熱くなる。
自分の人生70年を回顧するに、時には虚栄を張り、背伸びをし、ドロ臭くしたたかに生きてきた。こうした生きざまが正解だったか今もって自分でもわからない。
「生きる意義はいかによく生きるかにあり、どれだけ長く生きるかになし。」
「自分の良いイメージを傷つけたくない完璧主義をやめることだ。過ぎたプライドや欲を捨て、不器用に生きている自分を受け容れればいいんだ。8割主義でいい。よりよく生きることを目指せばいいのさ。」
こうした先人の教えは、この歳になってようやく分かり吟味するほどに深くそして重い。
今後、孫の成人まではとても生きられそうにない。ならば残された人生「よりよく生きる」ためにより健康で、より楽しく、そしてより充実した好日を過ごしたいものである。
「古希」を記念して「ヤゴ自嘲記(Ⅱ)」を発刊するのもその一方策かも・・・。

惻隠の情

2007-03-26 09:44:10 | weblog
「惻隠の情」他人のことをいたましく思って同情する心。語源は「孟子、公孫丑」の性善説に繋がっており、人の最高の徳である「仁」に通ずるものだそうだ。この性善説では、人間の心の中にはもともと人に同情するような気持ちが備わっているから、自然に従うことによって徳に近づくことができるという。
こうした考えは武士道精神にも受け継がれ、当時士農工商といった階級社会、格差社会の中にあっても、階級や格差の上の者は下の者を思いやり、下町の生活でも向こう三軒両隣り、庶民レベルで貧しいながらも惻隠の情という美しい心を失わず助け合ってきた。
時の流れとともに核家族、心の荒廃、勝ち組・負け組、損得勘定で世渡りする利己的日本人の増殖によって、昔の美しい言葉、美しい風情、美しい人情は風化し、今やよき時代の原風景は喪失しつつある。
過日、定年退職した仲間で作っているゴルフ会の総会で、次回からの競技に「ノータッチルール」を採用することが決った。私は、会が今後このルールで競技を続けることには反対だ。なぜならこの会の最大の目的が、「ゴルフを通じて人生を楽しみ、健康増進と融和を図る」ことにあり、勝つことではない。まして年齢差(60~80歳)やパワー、技術の差は歴然だ。プロや公式競技ならともかく「6インチ以内リプレース」は、ローカルルールとしてはすでに全国に定着している。
60歳台の人も他人事ではない。明日はわが身だ。弱者、敗者もゴルフを通じてともに楽しめるよう「惻隠の心」で高齢者を思いやり決断して欲しかった。

赤ちゃんポスト

2007-03-21 08:54:03 | weblog
「赤ちゃんポスト」は、その名称の違和感は別として諸事情のために親が育てることのできない新生児を、受け容れるための容器及びシステムで、日本にはこれまで実例はなかった。今回熊本市の慈恵病院がその設置を計画、設置申請をしたことからこれが社会問題化した。これには法的な問題や育児放棄の助長など賛否両論がある中、すでにイタリア、ドイツではNPOや私立病院によって数多く設置され定着している。
厚生労働省も本年2月設置申請に対し「明らかに違法とは言いきれない」として熊本市に設置を認可したが、これからの運用に当たってはまだ論議を呼びそうだ。
私はこの問題については以前から疑問をもち矛盾を感じていた。新生児の堕胎や遺棄は古い昔からこれを法律が厳しく禁止してきたが、近年、優生保護法に基づく堕胎が一般化した。しかし、堕胎費用が高額のため病院で処置できない生活困窮の女性の一部が、新生児を遺棄し刑罰を受けている現実・矛盾がそこにある。
私自身赤ちゃんポストについては、当初「子捨て」「育児放棄」を助長するものと短絡的に考え、その設置には反対の考えでいたが、たとえ望まない妊娠出産であっても生まれてくる子供になんの罪もなく人として生きる権利はある。
この設置によって失われる命が救われる可能性が少しでも高まり、殺人・遺棄など母親が犯罪者になることが防げ、さらに将来子供の引き取りの道も開けてあるとすればむしろ賛成し拍手を送りたい。-ポスト先進国であるヨーロッパでは、実施後50%を超える母親が引き取りにきている現状をみると、かけがえのない命、変らぬ母子の情愛に国情の差などない。

蜃気楼に実刑

2007-03-18 06:57:01 | weblog
3月16日東京地裁は、ライブドアー(LD)事件で証券取引法違反に問われた前社長堀江貴文被告に懲役2年6ケ月(求刑同4年)の実刑判決を言い渡した。
昨年9月以降本年1月までの約4ケ月間に公判回数28回精力的な審理を行い、被告が否認している事件としては、超スピードの短期公判で先ずは裁判関係者に敬意を表したい。
当の堀江氏は、公判中から部下に責任を転嫁することに終始し、反省や謝罪をしないばかりか「事件は検察がでっち上げた蜃気楼だ」「狙い撃ちされた」と一貫して強気で無罪を主張していた。冗談じゃない。何が蜃気楼だ。何が無罪だ!この事件の訴状に挙がったのは、証券取引法の偽計・風説の流布、有価証券報告書の虚偽記載罪(5年以下の懲役)であるが、その本質・事件の筋は、粉飾決算(利益50億円余)の報告・公表によって株主や一般投資家を欺き、その犠牲の上に企業利益を得た企業犯罪であり詐欺行為である。
私自身この事件の被害投資家の1人でもある。会社から送られてきた決算報告書を見る限り、着実に利益を挙げており将来の有望株と判断して購入後半月足らずでこの事件を契機に大暴落、多大の損害を受けた。赤字の実態をひた隠しこんなあくどい手段で市場を混乱させ、一般投資家を騙す企業経営者を許すわけにはゆかない。
判決後も堀江氏の口から謝罪はなく「早く解決して月旅行をしたい」など被害者感情を逆撫でする言動が目立つが、そんなに行きたいのなら月に行って「天罰」でも受ければよい。

胴体着陸

2007-03-14 11:40:52 | weblog
3月13日高知空港を離陸した全日空1603便ボンバルディアDCH8-Q400型が着陸時に前輪が出なくなり、同空港に引き返し胴体着陸した。幸い機長の冷静な対応と卓越した操縦技術によって乗員・乗客60名は難を逃れたが、こんなお粗末な劇場型シーンは、どんなにテレビ放映をされてもあまり見たくない。
同機はプロペラ機でありながらジェット機並みの速度が出、小回りもきくことからYS11の後継として主にローカル線に就航しており、現在日本各社で30数機を保有しているという。報道によればこの機種のトラブル率は、他機種に比べて圧倒的に多いらしい。飛行機事故の80%までが離発着の際に起きていることを考えると、飛行機にとってエンジンと足回りのトラブルは致命的といえる。
それだけに機種選定にあたっては、単に価格や航行速度ばかりでなくトラブル率の少ない機種、安全性を最優先とした総合的な判断をしてもらいたいものだ。
また、航空機事故の都度思い浮かぶのが「ハインリッヒの法則」である。同法則は「1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在する」というもので、ヒャッとした潜在事故の数が多ければ多いほど現象事故の確率は高くなる。
空の安全のためにトラブル率を少なくし、設計・製造・整備・安全管理等から徹底した原因究明を行い、再発防止を図ることをこの業界に強く求めたい。
「タッチ・アンド・ゴー」の前に「セイフティー・アンド・ファースト」の方が先ではないか。

「解決済み」

2007-03-11 18:41:15 | weblog
3月8日ハノイで開かれていた6ケ国協議の日朝作業部会が、事実上決裂状態で閉会した。拉致問題で日本側が原則を堅持したことに北朝鮮が反発した結果だ。日本側が拉致問題で「拉致問題の解決なくして国交正常化も経済支援もない」と国家意思を示し、具体的には
 ・ 生存している拉致被害者の全員帰国
 ・ 真相の究明
 ・ 拉致実行犯の引渡し
 ・ 特定失踪者の調査と帰国
の4点を要求した。これに対し北朝鮮側は「生存者は全て帰国した。拉致問題は解決済みだ。」として、会談を一方的に引き延ばしたうえ最終日はわずか45分で協議を打ち切った。
過去30年間前記4項目については何の解決もみていないばかりか、関係のない他人の遺骨まで提出してくるとは、なんと失礼な誠意のない国であろうか。「解決」とは双方が納得して落着することではないのか。
国際社会が注目している国と国との協議において、これほどまでに開き直り相手国を侮辱した態度をとる国、北朝鮮には拉致被害者をはじめ日本国民は怒り心頭だ。ブッシュ大統領、安部総理の支持率低下を逆手にとり彼らの強気かつ巧妙な硬軟戦術はこれからもさらに続くであろう。
日本は一歩も怯むことなく当初の基本方針どおり、完全解決まで圧力を掛け続けて欲しい。困るのは北朝鮮なのだから・・・。

ポリープ

2007-03-08 13:15:17 | weblog
過日市内の医院で大腸と直腸にできたポリープの摘出手術を行った。突起性の2ケを切除、いづれも良性のもので組織検査の結果もガン細胞の検出は認められないことが確認され、まずは一安心した。昨年暮行った人間ドックで「便潜血陽性反応」にひっかかり、その後2回の検便と医師の勧めもあって内視鏡(電子)での摘出となった。
当日は痛いのでは、苦しいのではないかと私の予想に反し、眠っている20分ほどの間知らないあいだに医師の判断で摘出してくれた。手術後その経過を撮影したカラー写真に基づいて医師から説明を受けたが、改めて現代医療技術のすごさを身をもって体感した。
大腸にできるポリープの80%までが腺腫といわれるものだが、性別に関係なく40歳を過ぎると発生し、高齢になるほど増えこのうち悪性なものはガン化していくという。ポリープの存在自体自ら確認のしようもなく自覚症状もないとなれば始末はわるい。また、大腸ポリープの増加は動物性脂肪や糖分の摂りすぎ、食物繊維の過少から大腸への負担が大きくなったことと密接な関係があるとされているが、はっきりした原因はまだ解明はされていない。それだけに定期に健診を受け早期に発見摘出以外にこれを防ぐ方法はない。
3月6日宮内庁の発表では、皇后(美智子)さまの腸壁からの出血が確認されたとのこと。(公務)多忙とストレスの心労が原因と思われるが、身体あっての象徴ですので、ごゆっくりご静養のうえ一日も早く全快されますことを願ってやまない。

金属ドロ

2007-03-05 10:28:45 | weblog
「浜の真砂は尽きぬとも・・・」最近各地で金属ドロが横行している。
対象は鉄板、電線、側溝・マンホール蓋、半鐘それに墓場の線香台・花立てにまで及び、今度は公園にある子供遊戯用滑り台が消えた。この調子だと銅版葺きの屋根や塀まで身ぐるみ剥がされるのではないかと心配したくなる。
鉄、銅、ステンレスが狙われる背景には、北京オリンピックの建設ラッシュの需要が高騰をよび追い討ちをかけているようだ。それにしても高圧電流が流れている高所で危険を冒して敢行する電線盗、手当たり次第に側溝やマンホールの蓋を持ち去ることによってどれほど大きな迷惑や危険が生ずるか計り知れない。もともと窃盗はその所有がAからBに移るだけだが、今回一連の金属ドロの行為は、自分の利益を図るばかりか社会公共の危険を与えており、その犯情に同情の余地はなく罪深い。
私の知る限りでは、過去に半鐘が何十個も連続して盗られたケースなど聞いたこともない。それは「ドロボーにも一分の魂」があり、単に「高く売れるから」といったものではなく、彼らなりのドロボー哲学が無節操に窃取することを抑制していたと考えられる。
まさか兵器に転用するとは思わないが、「中国は世界中のスクラップを買いあさっている」といわれる通り、盗られた金物は溶解、切断、分別されて海外に出て行く。行為者ばかりでなくこの買取り悪質(仲介)業者を摘発しない限り、これからもこの種無節操な窃盗事件は絶えそうもない。

暖冬異変

2007-03-02 11:33:45 | weblog
早いもので昨日からもう3月。例年この時期はまだ四方雪の中の生活で三寒四温を繰り返しながら春の訪れを心待ちしている頃だ。それが今年は年末から年始にかけ高温のうえほとんど積雪はなく、除雪・雪かきをしたのはたったの1回しか記憶にない。こんな暖冬を天の恵みとして喜んでいていいのだろうか。
調べてみると最近のこうした異常気象は世界的な傾向といえる。フロリダの竜巻、ジャカルタ、ボリビアの集中豪雨、イギリス、ドイツ、オランダを襲ったハリケーン(160㎞/h)等で多くの死傷者が出たほか、オーストラリアでは過去1000年で最悪の干ばつが発生、南極の融氷に加え、南太平洋に浮かぶサンゴ礁の小国「ツバル」は、人が住めなくなる最初の国とも言われている。日本列島とてこの例外ではなく、高温と記録的な小雪暖冬のため各地でスキー場や雪まつりの閉鎖・中止をはじめ動・植物界からも数え切れないほどの異変が報じられている。
「地球温暖化」が言われて久しくそのメカニズムは解明されていないが、「人間の産業活動から排出された温室効果ガス(主に二酸化炭素)によって引き起こされている」とする説が有力な定説となっている。
これから先、生態系や人類の活動への悪影響が懸念される昨今、人類が蒔いた種によって生じた弊害は、人類が自ら刈り取らなければならない。それにしてもCO2排出量トップクラスのアメリカ、中国が京都議定書から離脱したり排出削減義務が課されないのはなんとも不思議で納得がゆかない。地球は今悲鳴をあげている。