私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

102 自殺とDNA 

2009-07-29 15:37:28 | weblog
日本国内の年間自殺者数は、ここ10年来3万人をくだらない。先の警察庁のまとめでも、今年上半期の全国自殺者数は1万7076人(暫定値)で、前年同期比で768人(4.7%)増加しており、このまま推移すると年間で最多だった平成15年の3万4427人に迫る水準となる。自殺未遂者の実態も正確には掴めないものの、自殺者の10倍と推定されている。平成6年に制定された「自殺対策基本法」も増え続ける自殺には歯止めとしての機能を果たしていない。
全国では毎月3,000人前後の人が亡くなっている。統計上突出しているのは男性、60歳代、東京、3月、病気(うつ)等であるが、長引く不況がこれに追い討ちをかけていることは否めない。自殺対策を担当する野田消費者行政担当大臣も「雇用の不安が自殺につながる可能性が高い。社会全体の問題として雇用を支える取り組みが必要だ。」と語っているところからも伺える。
ところでこの自殺者も全て遺族に引き渡され供養されているとは限らない。身元が判明せずまた身元判明までに歯型や身体特徴等長期間の労力を費やすケースはいくらでもある。こうしたロスを防ぎ効率的な確認作業を行うためにも、これから出生する胎児をはじめ同意の得られる国民全てからDNA資料(例えば髪・唾液等)の提供を受け、これをデーターベース化しておくことによって鑑定が容易となる。
4兆7000億分の1の正確性をもつDNA鑑定は、身元確認、親子鑑定、犯人特定等人権侵害を伴わない正確かつ絶対的な究極の立証法でもある。21世紀は、人間の英知が生んだこの科学的手法を活用し、その恩恵に浴する時代であるかもしれない。

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