私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

参議院選

2007-07-30 13:16:23 | weblog
第21回参議院選は昨日7月29日投票、即日開票された。結果は下馬評どおり自民党は、勝敗を左右する全国29の1人区で6:23と敗れ、歴史的惨敗を喫した。比例区においても自民党の総得票数は伸びず、公明党とともに前回を下回り参院における過半数を大幅に割って、第1党を民主党に明け渡すこととなった。
この選挙戦を通じて感じたことは、憲法、教育、安全保障、参院のあり方等国の根幹にわたる諸問題が論争されず、終盤「年金をどこにやった」「金持ちだけが優遇されている」といった怒りが、有権者のエネルギー、うねりとなって土石流のように無差別に与党候補をなぎ倒していった感がする。象徴的なのは、「姫が虎を倒し」(岡山)青木議員会長のお膝元(島根)でも自民前職が、国民新党の新人女性候補に敗れている。四国は全滅、九州・東北も壊滅状態とあれば結果はうなづける。自民の敗因、国民を怒らせたものは何だったのか。これからその究明、対策はすすめられようが、少なくとも「亥年の選挙は大荒れ」といったジンクスを信じて一蹴して欲しくない。
以前、小泉純一郎前首相は、「この選挙は勝ってよし、負けてよしだ。政権選択の選挙は衆院選だ。首相はそれだけを考えていればいい。」また、中曽根康弘元首相も「参院選でいかなる結果が出ようとも、首相は自らの政治信条に従い、豪胆にやればよい。」とメッセージを贈っている。
安倍首相も選挙後、「国民との約束、責任を果たしていくことが私に課せられた使命だ」と続投を宣言した以上、一喜一憂することなく自らの信念でこれからはじまるいばらの道の舵取りに邁進してもらいたい。

宮本顕治

2007-07-23 09:01:25 | weblog
7月18日日本共産党元議長宮本顕治氏が、都内の病院で老衰のため死去した。享年98歳。
宮本といえば半世紀にわたり日本共産党の指導的地位にあり、非公然活動をはじめ「中ソからの自主独立路線」「民主集中制」等彼の周辺には暗いイメージばかりがつきまとう。
宮本は党内の権力闘争にあっても、自分とソリの合わない野坂参三(元議長)の査問をはじめ徳田球一、袴田里見、志賀義雄といった著名な側近同志を、民主集中制の名のもとにまた自己保身のために容赦なく次々と除名、抹殺している。
共産党の過去をみても、「天皇制を打倒せよ」とするコミンテルン(国際共産主義運動組織)のテーゼをいち早く信奉したのは宮本であり、革命の手段も平和的か暴力的かは敵の出方次第だと公言してはばからなかった。また、旧ソ連共産党、中国共産党の指導をきっぱり拒否し、自主路線で「民主連合政府構想」を掲げて共産主義社会の建設を目指し行動した宮本ではあったが、賢明な国民はついぞ彼に国家権力を与えることはしなかった。
「歴史は、思いやりに満ちた人物よりも、酷薄と評判だった人の方がどれだけ民衆を団結させ、彼らの信頼を獲得し、秩序を確立したかを示してくれる」(君主論)は、まさに独善、カリスマ、非情なまでの宮本の生きざまと合致、符号する。
参議院選も後半戦を迎え熱を帯びてきたが、宮本亡きあと「たしかな野党」を唱え、宮本の洗脳を受けた志位共産党に国民がどのような審判を下すか興味はつきない。

「人体不思議展」

2007-07-18 10:20:18 | weblog
現在、県立信濃美術館で開催されている「人体の不思議展」を興味深く鑑賞してきた。会場内には中国人と思われる数十体の人体標本や臓器が展示されており、ケース越しに向き合っているとなにか別世界を訪れた錯覚に陥る。生前から当人の意思に基づき提供されたという献体を、プラストミックという新技術を用いて樹脂状半永久的な標本としたもので、骨格、筋肉、血管そして神経にいたるまで部位別に、より原形に近い形で見事に再現されている。
本不思議展の趣旨は、従来解剖学という一部の専門分野でしか知り得なかった世界を一般に公開し、人体標本を通じて「人間とは」「からだとは」「健康とは」を来場者に理解させ、未知なる小宇宙を実感してもらうことだそうだ。
健康の大切さと生命の尊厳の再確認と名打って全国各地で行うこの巡回展示会。果たして来場者に当初の開催趣旨が伝わっただろうか。鑑賞した人それぞれ個人差があり、その受け止め方も異なるだろうが、私の鑑賞後の感想は、「珍品物体の陳列による金儲けイベント」としかとれなかった。その理由は、次のとおりでパンフ上も明らかにされていないことだ。
 ・会場事務局は明らかにされても、実施主体が公開されていない。
 ・献体の生前における承諾の経過が明らかでない。
 ・会場内の土産コーナー、脳年齢・骨密度チェック(有料)も実施主体が明確でない。
少なくとも入場料をとり、公共の施設を使用して県や教委(県・市)が後援する以上、こうした問題は、疑念のないよう透明にして行うべきではないだろうか。

領収書

2007-07-15 21:09:02 | weblog
年金掛け金の支払い証明や政治家の事務所費問題で「領収書」が話題となっている。こうした領収書は、代金受取人が支払い者に対して受け取ったことを証明するために発行する書類である。日本における経理処理では、公共交通機関の運賃や香典等一部の例外を除き、領収書で証明が出来ないと税法上経費として認められず、その保存期限も商法上10年、税法上7年となっている。複雑な経済活動や社会生活の中で誤解や疑惑、トラブル防止のためにその役割を果たしている領収書の使命は果てしなく大きい。
それだけに従来社保庁も苦情を申し立てた年金受給者に対して、掛け金支払いの判断基準を領収書の有無において対応してきた。国が領収書の存在と重要性を自ら認め、広範な行政運営に際して国民に対し要求してきたものにほかならない。
ところが今回問題となった松岡前農相、赤城農相の事務所費疑惑については、両名とも「法律に従い適正に処理している」と説明を繰り返すのみで、国民のもつ疑惑は解消されていない。国民感情からすれば冗長な説明を何回も聞かされるより、事務所費の科目ごとの領収書が開示されれば、その内容次第では疑惑はたちどころに雨散霧消するはずた。
参議院選も12日に公示となり「過半数」をめぐって与野党の攻防が続けられるが、この領収書問題が「政治とカネ」に一層ベールをかけことになりはしないか。また、年金問題も「突然降りかかった災害のようなものだ」と言うなら、先ずは消火や救助を最優先とし、原因究明や責任論はその後にじっくりやってもらいたい。

弁護の限界

2007-07-11 10:17:16 | weblog
少し前になるが、山口県光市で発生した母子殺害事件の差し戻し控訴審が広島高裁で行われた。この裁判は1・2審とも無期懲役が言い渡されたが、死刑を求刑した検察側が不満として上告し、最高裁も「死刑を選択しない理由は認められない」として2審判決を破棄し、審理のやり直しを命じたものである。
1・2審とも被告は、殺意を認め事実認定がなされたものを「少年であり、更正の可能性もある」と無期懲役の温情判決を下したことが、今回の発端となった。やり直し裁判では、被告の弁護に全国から死刑廃止論者を集め、総勢21人もの大弁護団を組織したこと自体私には理解出来ない。
この裁判では被告は、遺族への謝罪どころか殺意までも否認し、母親への強姦は「復活の儀式」幼児の殺害は「ドラエモンがなんとかしてくれる」等と意味不明、弁解ともつかない反論を繰り返した。こうした反論の筋書きは、この弁護団の入れ知恵によって展開されたことは容易に推察できる。死刑判決を回避せんがために手段を選ばず、この程度の聞くに堪えない理論を、法廷に同席した本村さん(被害者の夫)はどんな思いで受け止めていただろうか。可哀相でならない。
こんな明らかな事件・裁判に無駄とも思える大弁護団を組み、遺族の心情も省みず、多額の国家費用をつぎ込んで裁判を引き伸ばす弁護活動にどうしても割り切れないものを感じる。
「裁判員制度」の導入は2年後に迫ったが、裁判の信頼を得るためにも神聖な裁判を「芝居化」している被告・弁護団の言動に振り回されず、極刑判決がなされることを信じている。

七夕への願い

2007-07-08 10:48:29 | weblog
 「お米もお野菜も命です。お肉もお魚も命です。これらの命のお陰で私達の命は生かされています。いただきます。ごちそうさま。尊い命に感謝してお食事をいただきましょう。お父さんお母さん美味しいお弁当をありがとうございます。いただきます。」
幼稚園で教えみんなで声をそろえて行う昼食前のセレモニーである。純粋な幼児達にものの大切さと感謝の気持ちをこの時期から教え込んでいる。素晴らしい集合教育である。子供の教育にむずかしい理論など必要ない。まず「形(かたち)」から入り、それを習性化させることによって「身体・細胞」に憶えさせることが大切だ。「三つ児の魂 百まで・・」と言うが、もともと優しさ、思いやり、感謝の心といったパーソナリティーや愛国心、親孝行、社会性等は、人間生まれながらにして持ち合わせた本能ではない。幼い頃から集団生活をしていく過程で教えられ、自然と身につき成長していくものである。
今年も早いもので七夕の時期を迎えた。本来七夕は、中国から伝来し奈良時代に広まった祭事で、天の川に隔てられた彦星と織姫が年に一度だけ会う男女の出会いを象徴的に表した年中行事だったものが、最近は星に願い事をする依存型に変わってきている。5歳の孫の七夕への願いは「ポケモン軍団のさとし君になれますように」だ。力も強いし優しいさとし君に将来の自分を重ね合わせている。
私自身この歳になってなお政治、経済、教育、国防等々お願いしたいことは山ほどあるが、健康で働くことのできる現在の境遇に感謝し、あまり高望みをせず欲をかかないことにしている。

私腹と自腹

2007-07-02 17:13:55 | weblog
自分の利益や財産を増やす意味で使われる「私腹を肥やす」と、他人の費用を自分が身銭をきって負担する「自腹を切る」とでは、金の貯め方遣い方に大きな差異がある。いつの時代にも人間はこの”金銭欲”の呪縛にとりつかれ金に溺れて晩節を汚し、自分の人生を台無しにしたケースが跡を絶たない。
6月28日在日朝鮮人総連合会(朝総連)中央本部の売買をめぐり、土地・建物の所有権を移転させ、不動産を騙し取ったとして元公安調査庁長官緒方重威(73)が詐欺容疑で逮捕された。今回の事件に関する限り朝総連は被害者の立場で4億8000万円余の金が支払われ、この内1億円余が緒方氏に渡っている。緒方といえばかつては仙台・広島高検の検事長まで上り詰めた検察界のドンで、退職後も弁護士としてまた上場企業の役員として広範な活躍をしていた。なにが彼の人生を狂わせてしまったのか。ここにも彼の私腹を肥やす執拗なまでの金銭欲の執念と呪縛が醜い形で見え隠れする。
また、6月29日は公務員に夏のボーナスが支給された。もちろん社保庁職員にも。このボーナスについては、安倍総理をはじめ柳沢厚労相、村瀬社保庁長官らが、支給額の全部または一部を国に返納するほか、同庁職員にも5~10%を自主的に返納するよう指示がなされた。いわゆる”自腹を切って反省せよ”との趣旨だが、この返納をもって責任を回避したりみそぎが済んだというわけにはゆかない。まして一時のパフォーマンスであってはならないのは当然で、この返納行動は「国民に不安と迷惑をかけた反省とこれからの取り組み姿勢の徴表行為」と受け止め、前記の「私腹を肥やす」行為より数段増しと評価し、これから先の真摯な取り組みに期待したい。