小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「人々を幸せにするセントラルパークのベンチ」

2009-05-17 11:01:47 | ニューヨーク暮らしの日々

”ベンチよ、永久にここにいて!”






 世界のパークの中でも、ニューヨークのセントラルパークほど自
然と人間が融和しているパークはそれほどないと思う。自然もさる
ことながら、人間を幸せにする目的で作られている最も民主的な
公園である。歩きながら景色が変わり、左右、前後を振り返えり、
退屈する道がないのもパークデザインの傑作中の傑作と言える。


今はアカシアの花盛り。甘い香り、札幌の懐かしいふるさとの花。

 いたるところにあるベンチ。ベンチに座って自然と対話し、光や
雲の動きを観測し、鳥の声を聞き道行く人を眺める。毎日パーク
に来ても時間や天気やその日の気分で世界が変わる。パークが
できてからどの位の人たちがそれぞれの思いでベンチに座ったこ
とだろう。
 人気のある場所のベンチには金属に彫りこんだ銘版が張り付け
てある。恋人との思い出、愛の思い出、友情のしるし、人生をたた
え愛する人に捧げている言葉の中でも永遠のパークの美しさを讃
えている言葉に心がうたれる。

写真右:エルムの木の下のベンチ、W.Michael kleeman 2006
写真右:愛と感謝をこめて鳥の声を聞く。

写真左:72丁目ウエストの住人。このベンチでリラックスした素
適な思い出に。Harry & jennie Slayton.
写真右:セントラルパークで楽しく過ごした感謝をこめて、1999年
クリスマス Tom &Susan Madican

写真左:パークを愛しお互いを愛し合おう。
写真右:平和な美しい息づかいの自然、座って楽しみましょう。

写真左:愛と感謝をこめて鳥の声を聞く。
写真右:ニューヨークの思い出をくれたプリンスチャーミングへ。

写真左:私たちのパークのように私の喜びと拠り所、ロバートへ
写真右:ニューヨークとパークを愛したSteve Kaplan

自分碑を書きならべても、分かち合いにはならない。個人の名前
はあまり意味がないことを多くの銘版から感じる。パークを愛し、
提供されていることに感謝し、生きる喜びを分かち合う素朴な言葉
が、人々の心を打つ。今日も振り向きつ同じこを言う。
”ありがとう!パークさん、またあしたね。”

 セントラルパークには9,000以上のベンチがあり、ベンチをならべ
ると7マイルに及ぶ。(1マイル=1,609km))
9,000のベンチのうち, 2.000のベンチに銘版が付けられている。
銘版の寄付金は$7,500、手製の木製ベンチは$25.000,あいてい
る好きな所のベンチを選択することができる。


参考:ベンチに銘版をつけたい方は電話:NYC, 212-310-6617
メール: benches@centralparknyc.org Adopt-A-Bench Program.
サイト:http://www.centralparknyc.org

セントラルパークと同じベンチメーカー:
http://www.thebenchfactory.com

 


 


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1 コメント

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Unknown (ねこの手)
2009-05-26 10:05:20
プレートに刻まれた言葉、どれもシンプルで温かいですね。シェークスピアガーデンの近くの丘には”リチャード・バートン、俳優”のプレートのベンチがありました。
セントラルパークのベンチに座っていると、鳥のさえずり、子供の笑い声が聞こえてきて、風のそよぎを感じながら、自然の中であらゆる人種がゆったりくつろいでいる景色を観ていると、ここは天国(パラダイス)だと思ったものでした。
四季おりおり素晴らしい自然を楽しませてくれるこの公園の運営費の85パーセントが寄付でまかなわれていると知った時は本当に驚きました。税金は15パーセントしか使っていないそうです。お金持ちや有名な俳優さんたちも積極的に寄付をしたり、保存の為の活動に参加しています。
この公園を市民の為に守って行こうとしている姿勢が伝わってきて本当に素敵ですよね。

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