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三陸大津波 「津波を見た男―山奈宗真」

2005-06-26 21:16:07 | 津波
 岩手県遠野市立博物館では、6月1日より7月31日まで、遠野の起業家にして、自ら県に志願して、明治29年の三陸大海嘯(大津波)の実地調査を、単身行った山奈宗真の企画展が開かれている。

 当時49歳であった宗真は、壊滅的な打撃を受けた岩手の水産業・経済の行く末を案じ、詳細な実地踏査を行った。津波の高さ、地形、被害の実態、更には三陸地方では過去89回の津波があったとして、元亀三年(1572年)以来の溺死者数まで調査している。
 
 県知事を動かし、県から依嘱を受ける形で実現した一市井人の精密な調査結果は、残念なことにほとんど活用されなかったという。

 山奈の調査結果は現在、国立国会図書館、岩手県大船渡市立博物館、同遠野市立博物館に収められているという。企画展では東北大学が作成した津波の3Dシュミレーション画像も供覧されている。
  
 山奈の功績が明治三陸大海嘯(大津波)の記憶を現在にとどめ、津波防災対策に寄与することを期待したい。
 
 写真は山奈宗真展のポスター(遠野市立博物館)

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