目白大学 鈴木章生研究室 

地域人になろう!
目白大学社会部地域社会学科の教員が、地域や社会の出来事や疑問に対するメッセージをお届けします。

旧正月

2011年02月03日 | Weblog
雪で苦労している地域が多いなか、関東では太陽の光が強くなったと感じる。そう言えば節分の豆や鬼の面をスーパーマーケットで見かけ、横浜中華街の旧正月を祝うイベント広告も新聞に掲載されるなど世間は旧暦の正月を迎えようとしている。太陽の光が強くなるのも自然の理だ。
それにしても日本人は季節に敏感に反応すると思う。長い年月の中で自然と人との交流の歴史が季節の変化に敏感な文化や国民性を作ってきたのだろう。逆らうことなくいつも受け入れる。人間が自然のなかで生活していく最上の暮らし方に違いない。どんなに科学技術が進歩しても台風は止められないし避けられないのである。噴火もありのままを受け入れるしかない。できることは予測と準備と最小限の被害に留める対策だ。自然の流れを受け入れ、常に感謝と恐れを抱きつつ生きる。そこに日本人の謙虚な態度が培われた背景が見えてくるのではないか。
正月は一年の中でも大きな意味を持つ。一年の計は元旦にありとはよくいったもので暦のスタート。新しい年の神を迎え祝い祭る。太陽の光が強く輝くこの時期にこそ正月は意味を持つ。再生復活、生まれ清まりの儀式が太古から営まれたのも、日本人が自然を敏感に察知し生活の中にメリハリのあるリズムを刻み新たな年を迎えスタートさせてきた歴史に他ならない。
季節感すら忘れがちな都会生活のなかで、湧き上がるようなエネルギーを太陽からもらい受けながら心も体も開放されていくこの感覚と感性を大切に受け継いでいきたい。そう願う人は多いのでは。
明けましておめでとうございます〓

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