目白大学 鈴木章生研究室 

地域人になろう!
目白大学社会部地域社会学科の教員が、地域や社会の出来事や疑問に対するメッセージをお届けします。

よりよく生きるために

2012年04月29日 | Weblog
朝日新聞の上野千鶴子さんの記事を読んで思った。かつて恐いというイメージの上野さんだったが、癒し系の女性に変わったのかと思わせる記事に目が釘付け。

上野さんの批評が問題ではない。上野さんがさまざまな相談に冷静にかつ的確な回答を出していることに敬意を捧げたい。あんな風に回答で悩んでいる若い人の力になりたいものだと、つくづく思った。

最近の話題は、政治、経済、生活とどれを取っても話題が暗くて重い。学生らも就活、バイト、人間関係と悩みや不安が多い。大人にしてもリストラ、年金、増税と人生に直結する悩みばかりが頭をかけめぐる。

大人も若者も日本は本当に元気がない。若者の70%が満足していると指摘する若い社会学者もいるが何を指標にするかで数字はどうにでもなるだろう。

まじめで几帳面な人が多い日本人だからこそ頑張ってしまい、その反動が心の病気になって返ってくる。その病気に気づかなくなるほど麻痺状態なのが今の日本の現状なのかも知れない。若者の満足度も本当の満足や喜びがわからなくなった麻痺した生活観によるものかもしれない。

その一方で日本人独特の中庸というか、どっちつかずというか、ほどほどの生き方、過ごし方がある。肩の力を抜いて、今日無事に過ごせた事に感謝して、楽しい事や新しい発見を喜ぶ日々を過ごすことができたなら、幸せなんだと思えるかも知れない。そんな日が長く続いたらいいなと。自然の移ろいに素直に感動し、人との関わりをうざいと思わず、こんなことがあった。あんな人がいたことを少し離れて楽しむ余裕がほしい。

上野さんがかつて目をつり上げて社会に、男性に、物申していた顔を思い出すと、いささか変な感じがするが、極めた人でないとできない事なのかも知れない。

一人になりたいときもある。でも一人では生きていけない。疲れたときは食べて寝るのが一番だろうが、人と接して話すことで元気をもらうこともある。よりよく生きるために。

日本再生

2012年04月24日 | Weblog
先日、都内区役所の職員の方数名と退職の会をした。いつもの会話で、日本をだめにするのは役所と学校だ、なんてワインを飲みながら意見を交わした。役所は変わったと皆でここ十数年の振り返りをしたが、学校はどうかなぁで苦笑いだった。

最近は、会社が日本をダメにするとの声を耳にするようになった。正規雇用をギリギリにして非雇用を調整しながら採算を取っているところが問題視されている。

今に始まったことではないが、これで最低限の生活しながら、好きなことして生きていけるなんて勘違いした若者も少なくない。
保険は、結婚は、子どもは、老後は…
人世80、90歳としたら先は長い。ずっとパートやアルバイトではやっていけない。

ところが世の中の会社が、それを望んでいる。なぜか、正規雇用が難しいからだ。
会社が苦しくなるとリストラする方も、される方も誰だっていやだ。パートなら切れる。会社には調整役として都合がいい。かつて外国人労働力を受け入れていたが、言葉や生活習慣の違いからなかなか日本式の働くスタイルに馴染まない。飲食店やコンビニならやれても、普通の事務職や単純な工場労働は苦手とする外国人は少なくない。

その代わり、日本人ならあうんの呼吸で効率よく仕事をこなす。最近は、そうとも言えないが。
そういった部分に日本の若者や主婦らは入り込んでいる。

ホントにこれでいいのか。
残業は夜11時。土日出勤、ズーッと休みなし。それて今の日本を支えているとしら何とも情けない話だ。

何とかして、若者の雇用が増えるように政府も会社ももっと努力していいんじゃないか。

正規社員が残業しないでアフターを上手く使えば、消費行動は増えるでしょう。デートも出来れば結婚して子どもができることも増えるだろう。
会社もアフターに別の人を入れて、業務の簡潔化、スピード化をはかり、業務を常に誰かがカバーできるような環境に配慮すべきと考える。

政府は雇用を増やす努力をすべき。採用しやすくするよう会社も同じ。エネルギーや為替や競争も難しいが、目の前のことでなく、遠い未来の日本を考えて政策を打ち出してほいし。

残業しないというと、解雇されると考えて会社に忠誠を使ってる人が何人もいる。また、その仕事をあなたしかできないからと専門特化してやってる人もいる。

人間的な暮らしのために、残業はしない。仕事は組織でやり、誰もが業務内容を知っているやうにする。

多少給料が減っても自分の生活を中心に考える昔の日本人の暮らしを見直すべきではないか。

会社のために働くのでなく、人間らしく生きるために働くことの価値観を基軸に、日本を再生させてはどうか。甘いのだろうか。
夢物語?

桜の木の下で

2012年04月08日 | Weblog

東京は、昨日、今日が花見日和り。コンビニやスーパーでは酒やつまみを買い込む客でごった返している。両手に袋を提げてお目当ての場所へと向かうグループやカップルがあちらこちらに見える。まだ、少し風が冷たい。暖が恋しい。

昨日の帰り、電車のホームで30歳前後の男性がワイシャツ姿でベンチにすわりこんでいた。酔ってるとは言え、寒いだろうなと気の毒になった。

毎年、入学式では大宮公園で花見をしている。昨年は震災で入学式はなし。今年は3日が入学式だったが、まだ2分咲き程度。それに加えて春の嵐で花見どころではなかった。

今日はちょっと花見でもと思ったが、計画倒れになって買い物やらメールの整理やらで過ごす。何となく気持ちが落ち着かないのは、桜のせいか。いや、少し精神的に不安定だから。

新しい年度、新しい役職、学会事務、たまった原稿…新しい出来事は緊張と不安、そして期待と喜びが交互に押し寄せる。休まらないからなんだろうな。きっと。

昔、高校生卒業の頃同じようような気持ちになったことがあった。回りが浮かれているのが許せないみたいな。社会への反抗だったら尾崎みたいでカッコいいが、浪人となったことの単なるひがみだ。

だから、一人車でドライブをして、桜の花の様子をドア越しに見ることに。1時間くらいあちこち回ってふと家の近くの桜並木で有名な場所へ車を走らせてみた。あざみ野の住宅街を抜ける道で並木は500mはあるだろうか。この辺の人なら誰もが知っている桜の名所だ。

でも、何だか迫力がない。寒かったからか?
いや、よく見るとまだ蕾がちらほら。花びらも散る気配がない。まだ、満開じゃないからだ。
桜は散り際がいいとはよく言ったもので全くその通り。

夕方になって風が強くなってきた 。今年の桜は冷たい。桜は生命力に溢れる精なる樹として昔から崇められてきた。古くから日本では男女が桜の木につどい宴を張って豊穣の神に祈った。春を喜びそして恋の花を咲かせて秋の実りに期待した。素朴にして純粋な愛の営みは日本の風土で何千年と育まれてきた。

明日、芝のある大使館に行く。そこでの桜はどうか。新たな門出にどんな花が迎えてくれるのか少し楽しみだ。

初めてのフィールドワーク

2012年04月06日 | Weblog
一年生のオリエンテーション合宿(フレッシュマンセミナー)で、地域社会学科オリジナルプログラムとしてフィールドワーク(巡検)を実施しました。
海浜幕張をベースに、浦安、千葉、千葉みなと、南船橋、蘇我、稲毛など10名くらいのグループで巡検です。

初めてのフィールドで中身的にはまだまだ。同じミッションで取り組んでグループワークを体験したことが大事。「見る、聞く、書く、話す」ことがいかに難しいか、それに気づいてくれたら、初めてのフィールドとしては良しとしたい。

情報量が多くて時間不足になったり、逆に簡単に終わったところも。
反省点もいが、落ちこむのでなく「そうか、ああやればいいんだ」と気づけば大きな成長。
先輩学生の準備に感謝。

これからです。頑張りましょう。

社会人は疲れる

2012年04月03日 | Weblog
この春、社会人になった教え子からメールが入った。

「社会人は疲れる」

そうだろう、そうだろう。
学生から社会人ともなれば、リズムも言葉づかいも違う。
慣れるまでは神経も使うし、先輩や顧客との折衝も気遣いの連続だ。

しかし、みんなこれまでの人たちが出来たたわけだし、遅い早いはあるが、特別一人できないわけではない。給料を貰うからにはそれなりの働きがないといけないから。

是非とも頑張って輝く社会人をめざし欲しい。
ファイト!