目白大学 鈴木章生研究室 

地域人になろう!
目白大学社会部地域社会学科の教員が、地域や社会の出来事や疑問に対するメッセージをお届けします。

日本丸の行方

2010年04月07日 | Weblog
昭和63年の春だったと思う。バブル直前になるのか。博士課程の院生のころ非常勤で高校の教壇に立っていた。講師室である先生との会話で印象に残ることがある。
日本の繁栄について話していたときである。私は繁栄は続かない。30年といった。するとある女性英語教師はそんなことはないと否定した。私はイギリスの例を引き合いに出して栄枯盛衰の理りを説いた。一理あると納得してくれた感はあったが決して心底理解はしていなかったことは間違いない。
あれから東西冷戦構造は崩れ、この時から日本の政治と外交と経済は試されて来たと言える。
何度総理大臣が代わっただろうか。いくつの政党が立ち上がり消えていったか。日本丸の舵取りは迷走し続けている。教育水準も、企業競争力も、GDPも、生産年齢人口も……
何かを変えないと変わらない。どう変えたら良いのかわからない。
今こそ人文科学が必要ではないのか。スーパーコンピューターで宇宙の起源を調べるのもいいが、数字はある課題の結果と予測でしかない。仮説と証明の分析が必要であり、ビジョンと理念、夢が欲しい。
若者が夢と期待を持てる社会をどうつくるのか。今日本社会の低迷を打破する政治家、夢に応えてくれるシステムはあるのか。
ベルリンの壁崩壊後のグローバル社会の展開は世界に目を向けるチャンスだった。しかし足元を見なくて良いわけではなかったはずだ。
今一度冷静に日本丸の進路を考えて行くべきではないのか。

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