功夫電影専科

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『レジェンド・オブ・トレジャー 大武当 失われた七つの秘宝』

2014-07-03 22:19:47 | カンフー映画:珍作
「レジェンド・オブ・トレジャー 大武当 失われた七つの秘宝」
原題:大武當/大武當之天地密碼
英題:Wu Dang
製作:2012年

●時は1910年代の中国。トレジャーハンターにして拳法の名手である趙文卓(ヴィンセント・チャオ)は、500年に一度開催される武術大会に出場するため、娘の徐嬌(シュー・チャオ)とともに武当山へ向かった。
彼の目的は武当山に眠る七つの宝で、娘が大会に出場している間にゲットしようという寸法だったが、宝の1つを狙う女盗賊・楊冪(ヤン・ミー)と遭遇。一時は対立するも、利害の一致で共同戦線を張ることとなる。
 そのころ徐嬌は、武当山の代表として大会に出場する羽目になった樊少皇(ルイス・ファン)と出会い、純朴な性格の彼に惹かれていく。だが彼女は難病を患っており、病状は悪化の一途を辿っていた…。
趙文卓はそんな娘を救うため、宝に秘められたパワーを入手すべく奔走する。しかし徐嬌の容体は急速に悪化し、宝の強奪を目論む譚俊彦(ショーン・タム)一派も動き出していた。
やがて、譚俊彦と結託していた武当山の道長・杜宇航(デニス・トー)が本性を見せ、ここに最後の戦いの幕が上がった。果たして趙文卓たちは巨悪を倒し、徐嬌を助けることができるのだろうか!?

 本作は珍しく武當派がメインの作品で、日本版の予告編では「アジア版インディ・ジョーンズ」「武術大会」「3大武打星の豪華競演」の3点がフィーチャーされています。
確かに趙文卓の役柄はインディ・ジョーンズ風ですが、七つの宝は比較的簡単に入手できる(中には何ひとつ難関がない宝すらある)ので、宝探しのワクワク感というものは殆ど感じなかったですね。
武術大会に関しても、主に活躍するのが徐嬌や楊冪といった非・功夫俳優なので、内容は実に平坦。樊少皇も出場しているという設定ですが、彼が出てくるのは残念な内容の決勝戦だけなので、あまり期待しないほうがいいでしょう。
 そして趙文卓・樊少皇・杜宇航という実力派3人の活躍っぷりですが…こちらも思っていたほどではありませんでした。本作のアクションは全体的にワイヤーの使用率が高く、どこかフワフワした動作となっています。
BGMや効果音も盛り上がりに欠けていて、2度に渡る趙文卓VS杜宇航もパッとしません。樊少皇に至っては他の2人より扱いが悪く、大会決勝戦とラストバトルでしか戦ってくれないのです。
そのラストバトルでも、CG空間の中で杜宇航と何度か殴りあっただけで敗北し、吹っ飛ばされたと思ったらそのまま出番終了という始末。キャリア的には3人の中で一番のベテランなのに、こんな扱いは無いよ!(涙
 ドラマ部分にも穴は多く、特にラストの強引な結末には仰け反ってしまいました。せめて登場人物たちのその後をフォローして欲しかった気もしますが、バッサリと終わるのは香港映画の伝統なので仕方ない…のかな?
実際に湖北省の武当山で行われたロケーション、立派に育った徐嬌(『ミラクル7号』のディッキー!)の姿など、見るべき点もあるにはある本作。つくづくアクションと恋愛描写の不徹底さが惜しまれます。

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