U.S.Catman: Lethal Track/Catman in Lethal Track
製作:1990年(1989年説あり)
●前回はキョンシー映画がニコイチの犠牲となりましたが、そもそもキョンシー映画がムーブメントを起こしたのはアジア圏のみの話。ニコイチ映画の主戦力となっているニンジャと比べると、国際的な知名度ではやや劣ります。
それでも数本ほどニコイチ系キョンシー映画(『必殺!ムーンウォーク拳/キョンシーマン』『ギャンブル・キョンシー』等)が作られたのは、当時のブームがそれほどの勢いだったことの証なのかもしれません。
そんなわけで今回取り上げるのは、打って変わって世界的なヒットを飛ばしたジャンルを扱った作品です。80年代末期、ハリウッドではマイケル・キートンが主演を飾り、実力派のティム・バートンが監督した『バットマン』(1989年版)が大ヒットを記録しました。
続いて『パニッシャー』『キャプテン・アメリカ/帝国の野望』が製作され、アメコミ系ヒーローの映画化が続発。この流れにいち早く目を付けたIFD Films & Artsは、無謀にもニコイチ映画でヒーロー・アクションを作ろうと画策します。
この『U.S.Catman』は、ヒーローに覚醒したジョナサン・イスガー(『天地黎明』の英国商人役でおなじみ。本作ではジョナサン・ジェームス名義)と、タイを混乱に陥れるゲリラや邪教集団との死闘をダラダラと描いた作品です。
もちろんジョナサンのパートは新撮カットですが、ベースとなったタイのアクション映画が『ニンジャ・コマンドー』に比べて質が低く、ゲリラと対抗勢力による無味乾燥な抗争劇には眠気すら感じました。
主役となるヒーローも実にお粗末で、その名もずばりCatman! 明らかにゴッサムシティの彼を意識したデザインをしており、黒ずくめの衣装にさんぜんと輝く黄色のシンボルは、どう見てもクロネコヤマトのロゴマークにしか見えません(苦笑
ただし誕生の経緯はいささか異なっていて、怪しげなワゴン車を邪教集団から守ったジョナサンが、輸送されていたネコに引っかかれたことで超能力に覚醒します。…もはやどこから突っ込んでいいのか解りませんね、コレは。
なお、超能力の内訳は電化製品の制御・発火能力・怪力の3つだけで、いずれの能力も最初に発揮した以降は忘れ去られていました。恐らく特殊効果を仕込む手間を省きたかったのでしょうが、どうせなら猫っぽいパワーとか使ってくれよ!(爆
では、敵のボスはどんなヴィランのパクリなのか気になる所ですが、こちらは邪教集団を率いる神父という月並みなキャラが担当。彼も発火能力を持つものの、最終決戦で使うのは単なる機関銃だったりします(笑
アクションシーンではジョナサンが仲間のケン・グッドマンとともにザコ集団(うち1人が『天地黎明』で元彪と戦ったスティーブ・タータリア)と戦い、最終決戦では中国系の幹部が鋭い蹴りを連発していました。
ジョナサン本人の動きも悪くはなく、あまりにも呆気なく終わる敵ボスとの対決を除けば、アクションの質は無難なレベルにまとまっていたといえるでしょう。
その他のポイントとしては、邪教集団のアジト(そこら中にガラクタを置いただけの単なる倉庫)や、ラストの儀式(そこら中にゴミを並べただけの原っぱ)など、頭を抱えながら笑える箇所がぼちぼち存在しています。
ただし本作は全体的に酷い出来なので、視聴の際は充分ご注意を。ちなみにIFDは1本で終わらすのは勿体無いと判断したらしく、のちに『U.S.Catman 2』なる続編まで作ったそうです。当方は未見ですが、一体どんな惨状になっているんでしょうか?(汗
さて次回は、またもやIFDが激安アクションに挑戦! B級映画の代名詞にして、数多くのアクションスターも関わったメジャーなジャンルに、ニコイチ映画の毒牙が襲い掛かります!
製作:1990年(1989年説あり)
●前回はキョンシー映画がニコイチの犠牲となりましたが、そもそもキョンシー映画がムーブメントを起こしたのはアジア圏のみの話。ニコイチ映画の主戦力となっているニンジャと比べると、国際的な知名度ではやや劣ります。
それでも数本ほどニコイチ系キョンシー映画(『必殺!ムーンウォーク拳/キョンシーマン』『ギャンブル・キョンシー』等)が作られたのは、当時のブームがそれほどの勢いだったことの証なのかもしれません。
そんなわけで今回取り上げるのは、打って変わって世界的なヒットを飛ばしたジャンルを扱った作品です。80年代末期、ハリウッドではマイケル・キートンが主演を飾り、実力派のティム・バートンが監督した『バットマン』(1989年版)が大ヒットを記録しました。
続いて『パニッシャー』『キャプテン・アメリカ/帝国の野望』が製作され、アメコミ系ヒーローの映画化が続発。この流れにいち早く目を付けたIFD Films & Artsは、無謀にもニコイチ映画でヒーロー・アクションを作ろうと画策します。
この『U.S.Catman』は、ヒーローに覚醒したジョナサン・イスガー(『天地黎明』の英国商人役でおなじみ。本作ではジョナサン・ジェームス名義)と、タイを混乱に陥れるゲリラや邪教集団との死闘をダラダラと描いた作品です。
もちろんジョナサンのパートは新撮カットですが、ベースとなったタイのアクション映画が『ニンジャ・コマンドー』に比べて質が低く、ゲリラと対抗勢力による無味乾燥な抗争劇には眠気すら感じました。
主役となるヒーローも実にお粗末で、その名もずばりCatman! 明らかにゴッサムシティの彼を意識したデザインをしており、黒ずくめの衣装にさんぜんと輝く黄色のシンボルは、どう見てもクロネコヤマトのロゴマークにしか見えません(苦笑
ただし誕生の経緯はいささか異なっていて、怪しげなワゴン車を邪教集団から守ったジョナサンが、輸送されていたネコに引っかかれたことで超能力に覚醒します。…もはやどこから突っ込んでいいのか解りませんね、コレは。
なお、超能力の内訳は電化製品の制御・発火能力・怪力の3つだけで、いずれの能力も最初に発揮した以降は忘れ去られていました。恐らく特殊効果を仕込む手間を省きたかったのでしょうが、どうせなら猫っぽいパワーとか使ってくれよ!(爆
では、敵のボスはどんなヴィランのパクリなのか気になる所ですが、こちらは邪教集団を率いる神父という月並みなキャラが担当。彼も発火能力を持つものの、最終決戦で使うのは単なる機関銃だったりします(笑
アクションシーンではジョナサンが仲間のケン・グッドマンとともにザコ集団(うち1人が『天地黎明』で元彪と戦ったスティーブ・タータリア)と戦い、最終決戦では中国系の幹部が鋭い蹴りを連発していました。
ジョナサン本人の動きも悪くはなく、あまりにも呆気なく終わる敵ボスとの対決を除けば、アクションの質は無難なレベルにまとまっていたといえるでしょう。
その他のポイントとしては、邪教集団のアジト(そこら中にガラクタを置いただけの単なる倉庫)や、ラストの儀式(そこら中にゴミを並べただけの原っぱ)など、頭を抱えながら笑える箇所がぼちぼち存在しています。
ただし本作は全体的に酷い出来なので、視聴の際は充分ご注意を。ちなみにIFDは1本で終わらすのは勿体無いと判断したらしく、のちに『U.S.Catman 2』なる続編まで作ったそうです。当方は未見ですが、一体どんな惨状になっているんでしょうか?(汗
さて次回は、またもやIFDが激安アクションに挑戦! B級映画の代名詞にして、数多くのアクションスターも関わったメジャーなジャンルに、ニコイチ映画の毒牙が襲い掛かります!
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