現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

晴好雨奇

2011-10-17 18:48:33 | 虚無僧日記
M先生宅は、伊勢市内の小高い山の上。周囲を
杉や竹林、柿の木に囲まれた、閑静な佇まい。

そこに、4人の吟詠家が集まり、私も招かれて、
6人だけの「観月会」。

伊勢の「観月会」はたいてい雨が降る。今年も雨
だったが、雨もまた風情があった。庭に敷かれた
那智黒石がしっとり濡れて黒光りし、霧に煙る
木立も墨絵のよう。まさに「晴好雨奇」。

朱塗の盃で酒を酌み交わし、鯛の活き造りに
舌鼓を打ち、詩を吟じ、琵琶を聴き、尺八を吹く。
余韻嫋々雨霧にこだまする。まさに漢詩の世界。

伊勢の銘酒「五十鈴川」は、まろやかで、口当たり
よく、悪酔いしない。6人で一升を飲み干した。

浮世離れした最高の至福の時を味わうことが
できた。尺八のおかげ。


●晴好雨奇(せいこううき) 晴天でも雨天でも
それぞれ風情があること。 出典「蘇軾-飲湖上
初晴後雨詩」

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