現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「馬鹿」の話

2012-02-02 15:40:45 | 虚無僧日記
「バカの壁」という本がベストセラーになった。
著者は「東大名誉教授の養老孟司氏」。200万部
売れたというから、時流に乗り遅れまいと 買った。
10分で読んだが、何を言いたいのか さっぱり
判らなかった。「理解できない私はバカなのか」と
ずっと悩み続けていた。今、ネットで検索して
みると、酷評ばかりだ。「新潮新書」の信用も
落とした。以来、私は本を全く買わなくなった。
それだけでも、この本の犯した罪は大きい。

ところで「馬鹿」と書いて、それが何故「バカ」
なのか。ずっと疑問に思っていた。

俗には、「昔、幼い皇帝が、鹿を見て『馬』だと
云ったので、馬も鹿も区別ができぬ愚かな人の
ことを“馬鹿(ばか)”といった」とされている。

だが、この出典は、史記の「鹿を指して馬という」の
故事だが、原意は全然違う。

秦の2代皇帝「胡亥」の時代、宦官の趙高は謀反を企み、
『珍しい馬が手に入りました』と皇帝に「鹿」を献じた。
皇帝は『これは鹿ではないのか』と尋ねたが、趙高は
「いえ、馬です」と。皇帝は笑って 左右の廷臣に
『これは鹿だろう?』と聞くと、趙高の権威を恐れ、
へつらう者たちは皆「馬」と言い、ついに皇帝は
「頭がおかしくなられた」と退位させられてしまった。

となると、「鹿を『鹿』」と見た皇帝は正常で、
趙高の権威にひれ伏して「鹿を『馬』です」と
答えた家臣どもが、「権威に盲従するバカ」なのだ。

ところが、中国には「愚か者」を「馬鹿(ばか)」と
いう中国語は存在しない。

ということは「馬鹿」は、日本での造語なのだ。
そして、中国の故事を“こじつけた”のだ。


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