名古屋駅の交番の前で虚無僧をしていたら、
年配の警察官が交番から出てきて、私の方に
近づいてきた。しばらく、尺八に耳を傾けた後、
「上手ですね、尺八」とやんわり声を掛けてきた。
余計なことは言うまいと無言でいると、
「あなたはお坊さんですか?」と 職務質問?
「虚無僧です」と答えて「明暗教会の会員証」を見せ、
「京都東福寺内の明暗寺から、『会員証』を
いただいています」
「東福寺?、有名な寺ですよね」
「判ったような判らんような顔をされたが、
会員証で納得されたのか、戻っていった。
虚無僧は、本来、肩書も資格も無いのだから、
明暗教会の会員証など要らないのだが、法治国家
である。「会員証」があれば、「これが目にはいらぬか」で すんなり収まる。