狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

再「ごじゃっぺ」考

2007-02-06 12:46:04 | 怒ブログ
 新聞投稿の「ごじゃっぺ考」とは、畏友俳人K兄のエッセーである。
先ずその「ごじゃっぺ」の鉾先を昨年末店頭で手にしたという「俳句朝日」に向ける。
…大特集「日本は伝統と長寿と俳句の国」。
「新しい年が始まります。古きよきものを後世に伝えつつ、新しきものを大いに取り入れようではありませんか」と言う呼びかけに続いて、「皇室では、平成18年(2006年)悠仁さまのご誕生があり」と述べられ、このページには「御すこやか悠仁さま愛子さま」の見出しとともに皇室の写真がカラーで飾られているのである。表紙にも同じ見出しと一緒に皇族の写真がカラーで掲載されている。4,5,6ページもカラー写真が続くのだ。…(略)

 昨年、年配者の年金は大幅に下がった。医療費が上がった。大増税の新年がやってきたのである。庶民は「皇室」ではなく「くらし」を詠む。
(念のために書きそえるが「皇室」を詠みたい人は自由に詠めばよい。その事を妨げるものは誰もいない!)

  
次に筆者K兄は「憲法六十年 明かるい年にしていくために」(澤地久枝・朝日新聞1月4日付)の1節を次のように紹介している。
昭和前期の、戦争前夜の世相とよく似ていますか、という質問は多い。人々が口をつぐみ、世のなりゆきをうかがって腰を引く、その点では、まったくよく似た世の中がまたしても姿をあらわした。この国には今も『お上』に対する脅えが生きているのか。ことなかれでゆくことこそ、安全コースという守りの姿勢はなぜなのか。…戦死者ゼロ、福祉国家を目ざした現憲法下の実績の否認がはじまろうとしている。さらにこの反動的選択は、同盟国アメリカの要望への答えであること。つまり主人持ちの政治である事。…」
私は「ことなかれでいくことこそ、安全コースという守りの姿勢ではないか」という澤地久枝氏の指摘に目を開かせられた。ところが「俳句朝日」が「伝統をふりかざして、戦前の「神の国」へ向かう道を「先触れ」として立ちあらわれたことにあぜんとしたのである。うちの実家のおばあちゃんに「ごじゃっぺ」という方言(コトバ)を編集長に差し上げたいと思うのだ。…’(略)


「君が代」の音量に覚め昭和の死者  角田重明 
で結ぶ「時代を映す」俳句5句をあげ、

故郷の方言「ごじゃっぺ」年新た   K
自作の句を披露して稿を閉じている。


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2 コメント

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Unknown (みらパパ)
2007-02-07 00:33:49
澤地さんの投稿、私も読みました。
贅肉のない文章に引き込まれ、切れ味のよい内容に感服しました。
全く同感。
「俳句朝日」もとっています。あの表紙と記事には、「俳句とはなんぞや?」でした。
あれにはハイクブログから期待の俳人へと進みつつある若者が嘆いていましたよ。
彼とK氏に、全く同感。
角田氏の句、重く重く受け止めます。
一人の日本のオトナとして、何かを言い続けていかねばと。
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Kさんの句 (tani)
2007-02-07 08:13:28
お早うございます。
メッセージありがとうございました。
こちらは、今朝も晴天です。

白菜の押漬←小生の作
沢庵←あの人の作
味噌汁←ねぎ。わかめ。赤味噌。で今朝飯を了えたところです。
K氏は新俳句人連盟幹事。現代俳句協会会員です。
193◎年生まれ。ご夫婦で俳句を詠みます。

八月の音のひとりとして歩む
菊の香の記憶千人針日和
裸木の戦に遇わぬ瘤を持ち
談合の秘訣山蟻列となる
贅肉の馬肥汚職知事逮捕
憤激のかたちに群れる蓮の花
          (句集八月の音より)
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