golf130のクラシックお笑い原理主義

オッサンのしがない日常や妄想話とその日聴いた音楽。

アルビノーニ「協奏曲集Op.9 」ホリガー、イ・ムジチ

2008-11-18 21:36:59 | Weblog
それでは次は、はるばるイタリアからお越しになられたトマゾ・アルビノーニさんです。

ご実家はたいそう裕福で敢えて働く必要も無いそうなのですが、「ピン芸人」としての活躍を夢見て来日されました。

ハーイ!、世界のアルビノーニで~す。

いち、ニ、サ~~ン、よん、ゴ、ロ~~ク、なな、ハチ、キュ~~!、じゅう、ジュウイチ、ジュウニ~~!。カンツォ~ネ!
どうもありがとうございました。

あれっ?アルビノーニさんこれで終わり?

ハイ、そうですが、それが何か?問題ありますか?

問題って、あなたこれパクリじゃ無いですか!こんな人の真似するためだけにわざわざ日本に来られたのですか?!全くお金持ちはいいよな~。

いや、人まねではないです。私が作曲した作品9の協奏曲集は12曲から出来ていますが、独奏楽器が「ヴァイオリン」、「オーボエ」、「2つのオーボエ」、「ヴァイオリンと2つのオーボエ」の曲に分かれています。それを声色を変えて表現したのが先ほどのギャグです。

なるほど、いわば新曲のキャンペーンの為の出場という訳ですね。確かに、独奏楽器に拠って番号を言う声が違っていましたね。

ひらがな:ヴァイオリン協奏曲
カタカナ:オーボエ協奏曲
カタカナ~~:2つのオーボエの為の協奏曲
カタカナ~~!:ヴァイオリンと2つのオーボエの為の協奏曲
と言うことでしたか。

そうです。私の代表作の作品9をキャンペーンするために、レンタタイムマシンを借りて18世紀の世界から21世紀の日本までやって参りました。私の時代には想像も出来ませんでしたが、この東洋の島国でバロック音楽が人気だと聞きましたのでね。

あっ、いけない!
約束の6時間を過ぎると追加料金を取られてしまうので、そろそろ失礼致します。さすがにレンタタイムマシンは高いのでね…。

ピン芸人、もとい作曲家のアルビノーニさんは、急用でお帰りになりました。残念ですが、途中退場の為失格となります。

それでは次の方どうぞ~。

ハインツ・ホリガー、モーリス・ブルグ(オーボエ)、フェリックス・アーヨ(ヴァイオリン)、イ・ムジチ合奏団(PHILIPS盤)

トマゾ・アルビノーニ(1671~1751)は裕福な商人の家に生まれ、生活の心配なく作曲していたようです。

現在は、このオーボエ協奏曲などで知られていますが、生前はオペラ作曲家として有名だったとの事。

しかし、大変残念なことに、第2次大戦のドレスデン空襲で大半の作品が焼失されてしまったそうです。

今日は、先日から繰り延べになっていた紅葉の季節にピッタリの曲を聴きましょう。

本来であれば、秋の林を逍遥し紅葉を愛でながら聴くのが相応しい曲ですが、残念ながらまだ時期が早い為、食の中に紅葉を求めることとしました。(写真:先日食べた「キムチ奴」(自作)。元気があれば何でも出来る、キムチがあれば何でも(美味しく)食える。ダー!)

第1番 ヴァイオリン協奏曲変ロ長調
曲集の開始に相応しい爽やかさと、全曲を貫く哀愁を兼ね備えた作品。

第2番 オーボエ協奏曲ニ短調
全曲の中でもたぶん一番有名な人気曲。哀愁充溢する弦楽オーケストラの主題を引き継ぎ、オーボエがその音色で哀愁の度を更に深めます。第2楽章のたゆたう弦の伴奏に載って、オーボエが奏でる息の長い愁いに満ちた甘美な旋律も堪りませんね。鮮やかに紅葉した葉っぱが秋の柔らかな光に照らされてはらはらと舞い落ちる様な第3楽章。やはりこの第2曲は全曲の白眉でしょう。

第3番 2つのオーボエの為の協奏曲ヘ長調
オーボエが2本になりました。ヴェネチアの波を思わせる様な爽やかな第1楽章。静かで落ち着いた響きの中にも哀感を漂わせる第2楽章。生気に満ちた第3楽章。オーボエ2本と弦の掛け合いが楽しく推進力のある曲。

第4番 ヴァイオリン協奏曲イ長調
哀愁は薄まった替りに、ヴァイオリンの技巧的なパッセージが快感な第1楽章。第2楽章は優しい癒しの世界。爽やかで小気味良くヴァイオリンが活躍する第3楽章。

第5番 オーボエ協奏曲ハ長調
哀愁と爽やかさがほど良くミックスした第1楽章。万物が寝静まった夜を想わせる第2楽章。第3楽章は落ち着いた曲調の中にもオーボエの細やかで技巧的な音型が心地良い。

第6番 2つのオーボエの為の協奏曲ト長調
2つのオーボエの掛け合いが可愛らしくどことなくユーモラスな第1楽章。2つのオーボエと弦の緩やかな掛け合いが楽しい第2楽章。行進曲の様なリズミカルな第3楽章。

第7番 ヴァイオリン協奏曲ニ長調
ヴァイオリンの技巧的な動きが心地よい第1楽章。なめらかで静寂な第2楽章。爽やかな朝の目覚めの様な第3楽章。

第8番 オーボエ協奏曲ト短調
また哀愁が戻って参りました、第1楽章。第2楽章は穏やかな秋の午後の微睡みか。哀感が悲しさをも誘う第3楽章。ト短調はモーツァルトの独占じゃ無いですぜ、ダンナ。

第9番 ヴァイオリンと2つのオーボエの為の協奏曲ハ長調
低音弦が堅固な音響を造り出す第1楽章。2つのオーボエは教会の尖塔のキャニオン(鐘)のよう。仄かに哀愁漂う第2楽章。第3楽章は爽やかな弦に載ったキャニオン、もといオーボエの響きが愛らしい。

第10番 ヴァイオリン協奏曲ヘ長調
黄色く色付いた銀杏の葉が舞散る様なリズム感に哀感を孕む第1楽章。ヴァイオリンの柔らかな響きは秋の午後の弱い日差し?第2楽章。第3楽章のカノン(フーガ?)には短いながらも引き付けられますね。

第11番 オーボエ協奏曲変ロ長調
長調ながらも秋のもの悲しさが伝わって来る第1楽章。オーボエの寂しくも美しい歌の第2楽章。生き生きしているのだが、どこかもの悲しさの抜けない第3楽章。

第12番 ヴァイオリンと2つのオーボエの為の協奏曲ニ長調
全曲の終わりに相応しい壮麗さも有する第1楽章。前の12曲と違った力強さもありますね。第2楽章は今までの世界に回帰、哀愁。第3楽章、それではお時間となりましたので、本日活躍頂きましたヴァイオリンと2つのオーボエに締めて頂きましょう。

それでは、サン~~!、サン~~!、なな拍子、お手を拝借…。

★日本ブログ村ランキングに参加しています。クリック頂けると順位が上がります↓
ブログ村 クラシック音楽鑑賞

★人気ブログランキングに参加しています。
こちらにもクリック頂けると幸いです↓
人気ブログランキングへ