L'APERO! ~Carnet de Recettes qui Voyage~旅するレシピノートから

フランス・スペインをはじめ世界45ヶ国を旅して出会った思い出の料理レシピ。簡単&ちょっとお洒落な料理で楽しいひとときを!

実は簡単!朝飯前の、そば粉のクレープ~Galette au Sarrasin

2008年08月13日 | Weblog
ここ5、6年で都内あちこちに専門店が増えた、フランス・ブルターニュ地方名物・そば粉のクレープ。実は作り方も材料もとってもシンプル。私は気が向いたとき朝ごはん用に作ってます。

フランスでは、そば粉を使った薄茶色のものは「ガレット」と呼ばれ、小麦粉で作ったうすい卵色の生地「クレープ」とは区別されています。そば粉の「ガレット」が主に食事用の塩味の具が入るのに対して、白い「クレープ」はデザート用としてメニューに載っています。(日本では逆に、そば粉の気生地のデザート風クレープもあれば、小麦粉のほうのクレープでも食事風サラダクレープなどとして売っているのも見かけますが)。甘いクレープといえば東京・原宿には昔からお店がたくさんありますね。パリにも学生街のカルチエ・ラタン(Cartier Latin)など、いわゆる食べ歩き用クレープ(そば粉のものではなく白いクレープがほとんど)を売る路面店は時々見かけましたが(レストランかカフェの軒先でやっている事が多い)、原宿で見かけるほどフランスのデザートクレープの種類は豊富ではないので、昨年フランスから遊びに来た友人がカンゲキしておりました!

今では日本でも、ゲランドの塩、塩キャラメル、クイニーアマンなどですっかりおなじみのブルターニュ地方ですが、土壌がやせていて農作物が育ちにくかったためヨーロッパでも珍しく昔から海草やそば粉などを食べてきた背景があります。日本人としては親近感がわきますネ!ちなみに最近では健康ブームでパリなど都市部の有機食品店などにも並ぶブルターニュ産の海草ですが、数種類ある海草もフランス語ではひとくくりでles algus(レ・ザルギュ=海藻類)とよばれる事が多く、固有名詞となるとWAKAME,HIJIKIなど日本語をそのままローマ字表記して使われている事が多いです(日本食材店ではなくフランスの地元食材店での話)。

私がフランスで暮らしていたのはパリですが、最後に住んでいた部屋は6区のシェルシュ・ミディ通り(rue du Cherche-Midi)で、リュクサンブール公園やモンパルナス駅は徒歩圏の距離。この界隈は19世紀から20世紀初頭にヘミングウェーなどの文豪行きつけだったカフェなどがあちこちにあり、テラス席を眺めつつ、好物のピーナッツのプラリネがけ(またはフランボワーズのタルト♪)をつまみながら、マロニエの木の緑が鮮やかな道をぶらぶらお散歩するのが好きでした。モンパルナス駅といえば地下鉄複数路線が乗り入れるほか、ブルターニュ地方へのTGV(高速鉄道)の発着駅。その近辺には、故郷を懐かしむブルターニュ人たちのために、ブルターニュ風クレープ店が軒を連ねている通りがあります。私の自宅から近いこともあり、一時期相棒がハマッていて毎週末のようにブルターニュ風クレープ屋めぐり?をしていたのですが、物価高のフランスはご多分にもれずもちろん外食も高い!普段行けるような気取らない予算のレストランに関して言えば、同じレベルと質と量のものを食べようと思ったら、それこそ今では日本のが3割くらいは安く食べられるし、サービスもいい気が・・・。(もちろん星付き店、高級店となれば一概にそうとも言えないけれど)。自分では作れない、ウットリするようなお料理にはお金を惜しまないけれど、自分でも身近な材料でパパッと短時間できて、しかも味も店と変わらないなら家でで作っちゃえ!と思って、今からもう8年位前にパリのミニキッチンで試したら超カンタンでした。そば粉のガレットの名コンビ、シードル酒を片手にブルターニュ人とそば粉のガレットについて話し出したらそれこそエンドレス。誰かが「あの独特の味わい深さを出すためには、生地にビールを数割混ぜるのがコツっておばあちゃんに聞いた」といったかと思えば、別の誰かが「いやビールじゃないね、粉の配合だよ」と相当なこだわりがある様。それを尻目に「まあ、理屈っぽくて頑固なブルトン(ブルターニュ人)はほっといて、さっさと食べよう」とパリジャンが皮肉ったり・・・。

私のレシピはシンプルにしてありますのでぜひお試しください♪(そば粉はスーパーの小麦粉売場にあります。)

そば粉のクレープ Galette au Sarrasin

調理時間 約15分
材料 (基本の生地4~5枚分)

そば粉・・・大さじ6
小麦粉・・・大さじ1
とき卵・・・1/2個分
牛乳・・・1/2カップ(=100cc=大さじ7弱)
水・・・1/4カップ(=50cc=大さじ3強)
塩・・・ひとつまみ

バター(またはサラダ油)少々

(中の具用に、ハム、チーズ、卵などお好みで。)

作り方


そば粉、小麦粉をボウル(大きめのどんぶり鉢でも)に入れて中央をくぼませ、そこにとき卵、牛乳、水、塩を入れ、泡だて器(または箸)でなめらかになるまでよく混ぜる。ボウルにラップをかけ冷凍庫で5分ほど休ませる。弱火のフライパンでバターを熱し、とけたらお玉で生地を流し、フライパンをまわしながら全体にうすくのばす。淵がちりちりと乾き始めたらひっくり返して軽く焼く。

(ひっくり返すのが難しい!という方は、生地を始めから薄めに流し、ひっくり返さずに片面だけごく弱火で長めにじっくり焼いて表面を乾かす感じでもOK) 焼けたら皿にとりだして残りの生地も同様に焼く。

ちょっと一言♪
写真はガレット・コンプレット。フランスのそば粉クレープ屋には必ずある一品で、「コンプレット」は日本のラーメンでいう、「全部のせ」とでもいいましょうか。ハム、卵、チーズが一般的。通常このコンプレットは、フライパンの上の焼けたガレット生地の上に直接たまご、ハム、チーズを乗せて仕上げるのですが、これが意外と難しい!!といいますのも、卵は一向にかたまらないし、固まるころには下のガレット生地が焦げたり。そこで苦肉の策として、先に焼いたガレットは皿に広げておいて、その上に、ガレットをどけた後(!!)に同じフライパンで作ったハム・エッグ(&好みでピザ用チーズ)を乗せ、最後にガレット生地のふちをパタンと折り返す方法。つまり生地と中身は一緒ではなく別々に焼けばいいのです。(最終的に同じ見た目と味ならイイでしょ?!)

焼いた生地は冷凍できます。生地と生地の間にオーブンシートかラップをはさみ、まとめて保存袋に入れます。食べるときは軽く温めなおすだけ。

中の具には、ほかにシーフードのクリーム煮やスモークサーモン、鶏肉ときのこのクリーム煮などがフランスでは一般的。シチューが少し残った時などに使いまわせますね!

この生地、そば粉が主体なので(粉によっては)どうしても破れやすいです。心配な方は、邪道かもしれませんが、水溶き片栗粉(片栗粉と水を同量)大さじ1くらいを生地に混ぜるとよいです。本場ではこんなことしませんが、日本料理で薄焼き卵を作る際の破れ防止に、水溶き葛粉を(糊がわりに)少し生地にまぜる料理人のアイディアにヒントを得て応用してみました。

             
           












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4 コメント

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Unknown (モフモフ)
2008-08-13 23:49:33
へ~、フランスより日本のほうがデザートクレープが多いなんて初めて知りました。それに、海草の表示がワカメやヒジキって日本の海草名も世界的!?そういえば、フランスの料理で思いつくのはオニオングラタンスープですね。小学校のころの国語の教科書に書いてあってすごく美味しそうに思った覚えがあります。それから自分で作ってみてもどうしてもひと味足りないような気がしてなりません。フランス行ってみたいー。
足跡でーす (akira)
2008-08-14 01:00:17
すごーい!本格的じゃん。
でもやっぱあたしは作るより作ってもらう方がいいなー(笑)また来ます
モフモフさん (Elsa)
2008-08-14 18:09:45
オニオングラタンスープってけっこう手間かかりますよね。フランスって地下鉄の中もりんごの芯とか落ちてるし、衛生面など考えると必ずしもオシャレで素敵なとこではないですよ!(笑)どこの土地もそうですが、実際暮らすといやなこともいっぱいでした(笑)。
akiraちゃん (Elsa)
2008-08-14 18:10:45
訪問ありがとう!また来てね♪