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領土拡大の野心とどまらぬ中国に知らぬ間に国土を2割奪われたブータン

2011年11月20日 15時05分54秒 | 無題

ぼやきくっくりさんの所でブータンに関する驚きの記事が紹介されていました。リンク先から転載しました。中国の領土拡大に対する貪欲な野心には、その周辺国は、戦々恐々としていますが、ブータンも5年前に気づいたら中国に国土を奪われていたという、油断もすきもなさです。


ブー タンはチベットと国境を接しており、チベットが中国に侵略されて併呑されたときに、国境を閉じたそうです。ブータンもチベットと同じくチベット仏教を信仰 する国です。ぼやきくっくりさんによると、ブータンはインドの保護国のような所があり、そのために、チベットのような侵略から逃れることができたのではと おっしゃっています。

 

 

強引に道路を建設し、国境線を書き換える暴虐行為

南シナ海どころではない!ブータンでは知らぬ間に国土が2割も奪われていた

SAPIO 2011年7月20日号掲載) 2011年8月4日(木)配信

 

 

文=ノンフィクション作家 河添恵子


 中国の領土的野心に対しては、最大限に用心する必要がある。何しろほんの5年前、人知れず中国に領土を奪われてしまった国が実在するからだ。南シナ海、東シナ海に目を奪われがちだが、内陸部では既に中国の領土拡大が進んでいる。


 前国王が掲げた“国民総幸福量(GNH)”を国是に、ゆるやかな変化と発展を続けるブータン王国。「お金やモノという尺度ではない、独自の幸せを追求する」というチベット仏教に根ざした価値観を基軸に、自由で平和で安全で笑顔が溢れる「幸せ度」が高い国といえる。


 が、現在、忌々しき事態に国は少なからず東奔西走してい る。植民地化された経験こそないが、鎖国状態を経てきた内陸国ブータンの国境は、2大国= インドと中国(チベット自治区)に接しており、地政学上、微妙な位置にある。チベット動乱の1959年以降、ブータンはチベット自治区と接する北側の国境 線(大部分はヒマラヤ山脈)を閉鎖してきたが、いつしか侵食されていたのだ。


「ブータン・中国の国境問題に、国会議員らが憂慮している。これは国家安全に対する脅威である」


 ブータン国営テレビの報道によって、国境紛争が明るみになったのは2005年のことだった。地元有力紙によると、ブータンの国境管理防衛局長官は「中国とブータンで両国の地図を見せ合ったところ、国境線のあまりの認識の違いに愕然とした」という。


「中国・ブータン国境地帯の平和と安定を保つ協定」を1998年12月に締結した両国は、国境線もその際に画定している。ところが、2004年から中国はブータン側に“冬虫夏草ロード”とでも称したくなる道路建設工事を始めていたのだ。


 別名「メンジョン(薬草の国)」と呼ばれるブータンの北部 は、漢方の三大薬材の1つ、冬虫夏草の産地だ。滋養強壮や精力増強、抗癌作用などの薬効 が認められる冬虫夏草は、世界に300以上の品種があるが、その中でコウモリガの幼虫に寄生する「コルディセプス・シナンシス」が最高級とされ、チベット の標高3000m以上の高山にしか生育しない。工業国でなく酸性雨が降らない環境からも、ブータン産の品質は“お墨付き”なのだ。


 それを喉から手が出るほど欲しがっているのは、冬虫夏草を 投機対象にする中国人だ。地方紙『昆明信息港』(2010年9月6日付)によると、「雲 南省昆明市内では1kg46万元(約575万円)、40年前の1万倍の価格で取引されている。年間10万m2の草地が破壊され、縄張りを巡っての殺人事件 が頻発する」有り様だ。


 また、中国の人民解放軍がブータン側に掘っ立て小屋をつくっていることに気付いたのは、高地に暮らしヤクで生計を立てている遊牧民だった。夏は牧草を求め4000m以上の高地をさまよい、冬は寒さを逃れ、低地へ下りてくるのが遊牧民の生活だ。


 ところが何年か前より、ヤクが山を下りてこない事態に直面。「探しに山深くへ入ると、見慣れない掘っ立て小屋が……」というのだ。ヤクのバターやチーズは貴重で、珍味であり高級加工品だ。毛も防寒服になる。人民解放軍に捕獲され、売られている可能性が高い。


 両国の国境線の認識の違いを、「一歩も譲れない」と突っぱ ねた中国外交部による公式談話(2005年12月1日)は、「中国とブータンは良好かつ 平等な友好関係を維持しており、協議を通じて、両国間の国境問題が早期に解決するものであることを支持する。双方の努力により、国境地区は平和で安寧な局 面を維持している(後略)」だった。


 翌2006年、ブータン政府は新国境線を発表。北部の突起部分が切り取られたラインで、国土面積は約4万6500km2(九州地方の約1・1倍)から約3万8400km2(九州地方の0・9倍強)へ、18%近くも縮小してしまった。


 そして2009年8月より、中国は道路の延長工事を再開。「道路を敷設した地域までが、中国に組み込まれるのでは」との危機感から、ブータン政府は同年、4度も抗議を行なっているが、中国側は「チベットを含む西中国の経済発展のため」と居直ったという。


 ブータン政府は、この数年「国境線を一刻も早く画定させ る」ための会議を中国と重ねているが、国境(密)貿易の拡大と秘薬のスムーズな確保のため にも、中国が道路工事を止めるとは考えがたい。チベット仏教を信じるブータン国民にとって、山は精霊が住んでいるとされ、信仰の対象でもある中国政府そ して人民解放軍らによる蛮行を、単に「領土侵犯」という表現で片付けていいのだろうか?





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