妻一人 子一人 と 一匹

2005.9.26 『妻一人 子一人』としてスタート
2010.3.18、2021.8.28、2023.3.26 改変

興味

2017年12月01日 23時51分53秒 | Weblog
小林よしのり著「『個』と『公』論」を読了。
今から20年近く前の本である。ブックオフにて購入、税込200円。
いわゆる「知識人」と呼ばれている人たちの発言を、「妄言」「虚言」として
次から次へバッタバッタと斬りまくる痛快極まりない一冊だった。
確かに本のなかで引用されていた知識人の発言はおかしい。
まったくもっておかしい。矛盾だらけ。
ウィキペディアによると、知的権威やエリート主義に対して、懐疑的な思想・立場をとることを
「反知性主義」と言うそうだ。この本は、どうなんだろう。やっぱり違うのか。
ウィキペディアってのも怪しい媒体だな(笑)

小林氏が言うところの「個」と「公」とは、何となくだけどわかったような気がする。
「個の集合体は公にあらず」。でつまりは、究極の「公」っていうのは天皇陛下とその一族のことだろ?
この国において、個がなくて、公を体現している唯一の存在は、天皇一族だけである。だから天皇はエライ。
だとすれば、よーくわかる。私もその考えにはさんせいのはんたいである。
小林氏の「天皇論」は読んでいないが、そんなカンジじゃないのだろうか。

ところどころ聞き手の長ーい引用に対し、著者が短い文章でリアクションするだけの箇所があり、そこはとても残念だった。
私としては、もっと著者の言葉を聞きたいのに、この本の聞き手が、小林氏の腰巾着がごとく、
「親分、あんなことこんなこと言ってますぜ。それからあーんなことも、こーんなことも、それからまだまだ・・・」とチクリをいれれば、
親分である小林氏が「そいつぁ、ぁカンベンならねーーなーー!!!」と、雄たけびを上げるというカンジのやりとりが
何度も繰り返されるあたりは、なんとも興ざめであった。

ヤリ玉に挙げられた人たちとか、それを支持する人たちは、みんな真面目に考えているんだろう。
ここが厄介といえば厄介だ。お互い「何が悪いんだよ!」ってことになる。そんでもって論戦となる。
正義VS正義。果たして彼らはわかりあえるのだろうか。
「話せばわかるは大ウソ」という、「バカの壁」の帯にあった一文が刷り込まれている私には、
どうもこういった議論が深まっていけばいくほど、興味がだんだん薄れていってしまう。
誰かがキレて、バーンと相手を撃ち殺しちゃったらそれで終わるからだ。議論もへったくれもない。
「問答無用」「ポア」「アラーは偉大なり」

何はともあれ、中古で買った200円分以上は楽しめた。
続いて、108円で買ったビートたけしの「結局わかりませんでした-ザ・知的漫才」を読書開始。
まだ半分しか読んでいないが、私の興味は間違いなくこっちだとわかった。
宇宙、ヒトの脳、時間、ヒトの歯・・・私の興味・趣向は、社会科学より自然科学といったところか。