前回までの「懐かしの~」のシリーズ記事は、歌手に関して総合的に述べていましたが、今回からはHPの方の書き方に準じて、こちらでも曲ごとの記述にしてまいります。
フィンガー5 昭和50年6月21日 発売
作詞:阿久悠 作曲:三枝伸 編曲:深町純
時代と密着し過ぎていたために、この歌は普遍性をもってリバイバルされる機会に恵まれない楽曲です。時代背景が特異過ぎて、時を隔てた現在ではこの曲の持つ意味が理解できないでしょう‥‥。(それに、あまりヒットしなかったので、多くの人がこの楽曲を認知していないでしょうし‥‥。)しかし、NHKの子ども番組で、同じフィンガー5の「バンプ天国」が歌われているのを聞いたことがありますが、子どもにとってはこちらの「ぼくらのパパは空手の先生」の方がお薦めですヨ。
歌の題材は、カンフーブームと沖縄ブームに由来しています。(若い方はご存じないでしょうネェ‥‥。)本家ブルース・リーの「燃えよドラゴン」の公開(昭和48年)によりカンフーブームが起こり、日本でも倉田保昭氏主演のTVシリーズ「闘え!ドラゴン」が制作されました(昭和49年)。そんな時代背景を意識した東洋色全開のイントロは、「空手の先生」という設定を色濃く感じさせてくれます。
そして沖縄音階によるテンポの速いギターのフレーズが続きます。昭和47年の沖縄返還後、「沖縄海洋博覧会」が開催されたのがこの昭和50年でした。もちろんフィンガー5のメンバーは沖縄出身であり、ここに「ぼくらのパパ」が表現されています。「沖縄」とタイトルの「空手」を見事に取り込んだイントロが絶妙です。
Aパートに入ると、エレクトリックギターは四分音符で高音のコード・カッティング。対照的にベースは八分音符主体で走り回ります。Aパートの歌メロはあくまでもポップ。歌詞にこそ題材が活かされていますが、メロディ、アレンジともにあまり「沖縄」も「空手」も感じさせません。
「良質なポップソング」の王道的メロディラインは、「♪パパが空を飛んだら~」でマイナーに行きますが、ブルース・スケールを巧みに取り入れた見事なメロディです。その後「♪痺れてる人は取り残し~」でドラムスは四分主体、ベースは全音符主体で4小節続き、「♪何も言わず~」からブラスが被ってきます。どこかで聞いたことがあるメロディを取り入れながらも、気持ちよく聴けます。
その後は「♪教えてよ~」の美しいメロディからメジャーに戻り、転調してサビ。「♪パパは空手の先生 イェイェー」の主メロディに対して、「♪ぼくらの パパは」というコーラスの小気味よさ。畳み掛けるように盛り上がっていきます。完璧なポップソングだぁ~。
実はこの時期、それまでほとんどのリード・ヴォーカルをとっていた四男・晃が変声期を迎え、高音の補充のために甥を加入させました。この甥が間奏のクラビコードをバックに「五十拳 ○○の型!」と3度絶叫し、その度に「オーリャ~」という謎の声が入るのですが、これが当時からこの曲の嫌いな点でした。正に「蛇足」でしかないと思います。制作スタッフは「子ども向け」の意味を履き違えていますネ。
そしてまた沖縄音階のギターに戻り、2番が始まるという構成。最後のサビはリフレインでフェイドアウト。間奏の絶叫を除き、完成度の高い楽曲です。
歌詞を手がけているのは、デビューからの「学園ソング」路線を押し進めてきた阿久悠氏。この曲ではカンフーブームに乗った世界を展開していますが、1番の歌詞で空手を駆使して悪漢をやっつけるのはなんとパパ!「実は自分は何もしていない」という内容に驚いてしまいます。(2番では「唸る僕の鉄拳」で、やっと自力で彼女のピンチを救うことができます。)
作曲の三枝伸氏はあまり耳にしないお名前ですが、フィンガー5のレコードでは編曲・作曲でよくお見かけします。特にこの曲以降は、それまでの都倉俊一氏・井上忠夫氏に替わるメロディメイカーとしてご活躍されていました。
フィンガー5といえば誰もが「学園天国」や「恋のダイヤル6700」を思い浮かべるでしょうが、一大旋風を巻き起こしたこれらの楽曲は日本フォノグラムからリリースされたものです。この「僕らのパパは空手の先生」からはポリドールに移籍し、しかもこの曲を境にしてフィンガー5の人気は下降していくことになってしまいます。一般的な認知度の低さとレコード会社が異なる関係で、この曲はこれまでのベスト盤CDなどには未収録でした。CD化されるチャンスは二度と無いかもしれないと諦めていたところ、21世紀に入って突如としてポリドール音源の楽曲も収録された2枚組ベストが登場して喜んだものです。(先日の記事のTSUTAYAの999円のベスト盤CDにも収録されていました。)
フィンガー5 昭和50年6月21日 発売
作詞:阿久悠 作曲:三枝伸 編曲:深町純
時代と密着し過ぎていたために、この歌は普遍性をもってリバイバルされる機会に恵まれない楽曲です。時代背景が特異過ぎて、時を隔てた現在ではこの曲の持つ意味が理解できないでしょう‥‥。(それに、あまりヒットしなかったので、多くの人がこの楽曲を認知していないでしょうし‥‥。)しかし、NHKの子ども番組で、同じフィンガー5の「バンプ天国」が歌われているのを聞いたことがありますが、子どもにとってはこちらの「ぼくらのパパは空手の先生」の方がお薦めですヨ。
歌の題材は、カンフーブームと沖縄ブームに由来しています。(若い方はご存じないでしょうネェ‥‥。)本家ブルース・リーの「燃えよドラゴン」の公開(昭和48年)によりカンフーブームが起こり、日本でも倉田保昭氏主演のTVシリーズ「闘え!ドラゴン」が制作されました(昭和49年)。そんな時代背景を意識した東洋色全開のイントロは、「空手の先生」という設定を色濃く感じさせてくれます。
そして沖縄音階によるテンポの速いギターのフレーズが続きます。昭和47年の沖縄返還後、「沖縄海洋博覧会」が開催されたのがこの昭和50年でした。もちろんフィンガー5のメンバーは沖縄出身であり、ここに「ぼくらのパパ」が表現されています。「沖縄」とタイトルの「空手」を見事に取り込んだイントロが絶妙です。
Aパートに入ると、エレクトリックギターは四分音符で高音のコード・カッティング。対照的にベースは八分音符主体で走り回ります。Aパートの歌メロはあくまでもポップ。歌詞にこそ題材が活かされていますが、メロディ、アレンジともにあまり「沖縄」も「空手」も感じさせません。
「良質なポップソング」の王道的メロディラインは、「♪パパが空を飛んだら~」でマイナーに行きますが、ブルース・スケールを巧みに取り入れた見事なメロディです。その後「♪痺れてる人は取り残し~」でドラムスは四分主体、ベースは全音符主体で4小節続き、「♪何も言わず~」からブラスが被ってきます。どこかで聞いたことがあるメロディを取り入れながらも、気持ちよく聴けます。
その後は「♪教えてよ~」の美しいメロディからメジャーに戻り、転調してサビ。「♪パパは空手の先生 イェイェー」の主メロディに対して、「♪ぼくらの パパは」というコーラスの小気味よさ。畳み掛けるように盛り上がっていきます。完璧なポップソングだぁ~。
実はこの時期、それまでほとんどのリード・ヴォーカルをとっていた四男・晃が変声期を迎え、高音の補充のために甥を加入させました。この甥が間奏のクラビコードをバックに「五十拳 ○○の型!」と3度絶叫し、その度に「オーリャ~」という謎の声が入るのですが、これが当時からこの曲の嫌いな点でした。正に「蛇足」でしかないと思います。制作スタッフは「子ども向け」の意味を履き違えていますネ。
そしてまた沖縄音階のギターに戻り、2番が始まるという構成。最後のサビはリフレインでフェイドアウト。間奏の絶叫を除き、完成度の高い楽曲です。
歌詞を手がけているのは、デビューからの「学園ソング」路線を押し進めてきた阿久悠氏。この曲ではカンフーブームに乗った世界を展開していますが、1番の歌詞で空手を駆使して悪漢をやっつけるのはなんとパパ!「実は自分は何もしていない」という内容に驚いてしまいます。(2番では「唸る僕の鉄拳」で、やっと自力で彼女のピンチを救うことができます。)
作曲の三枝伸氏はあまり耳にしないお名前ですが、フィンガー5のレコードでは編曲・作曲でよくお見かけします。特にこの曲以降は、それまでの都倉俊一氏・井上忠夫氏に替わるメロディメイカーとしてご活躍されていました。
フィンガー5といえば誰もが「学園天国」や「恋のダイヤル6700」を思い浮かべるでしょうが、一大旋風を巻き起こしたこれらの楽曲は日本フォノグラムからリリースされたものです。この「僕らのパパは空手の先生」からはポリドールに移籍し、しかもこの曲を境にしてフィンガー5の人気は下降していくことになってしまいます。一般的な認知度の低さとレコード会社が異なる関係で、この曲はこれまでのベスト盤CDなどには未収録でした。CD化されるチャンスは二度と無いかもしれないと諦めていたところ、21世紀に入って突如としてポリドール音源の楽曲も収録された2枚組ベストが登場して喜んだものです。(先日の記事のTSUTAYAの999円のベスト盤CDにも収録されていました。)
彼らが突然TVから消えてしまった理由としては
●それまでリード・ヴォーカルで人気を支えていた晃(サングラスを掛けていた四男)が変声期を迎え、表現方法が変わった。フィンガー5らしい魅力が失われた。
●メンバーが成長し、学校を舞台にしたコンセプトに似合わなくなった。
●この「僕らのパパは~」をリリースした後、半年間アメリカに渡り、話題が途切れてしまった。
●自分たちは楽器を演奏しながら歌うスタイルが本来の姿で、自分たちのやりたい音楽と聴衆が彼らに求めている音楽にギャップが生じてきた。
●長男・一夫が脱退し、甥の当時9歳の実が加入したことにより、聴衆のターゲットがブレてきた。
などがあげられますかネ。
でも結構しられていないと、キョウダイに教えられでもこれが一番好き!と大騒ぎしていましたよ。
B面の「夕暮れの~帰り道~」の彼女が亡くなった歌はなんという曲なのでしょう
気になっています
EPはキョウダイのとこにあり、今はみれません
あまり知られていない「ぼくらのパパは空手の先生」‥‥。本文にも書きましたが、あまりに時代と密着し過ぎていたので、その後に顧みられる機会が少ないのが残念です。
B面の歌は「銀の十字架」ですネ。『コンプリート・コレクション』というCDに収録されていますヨ。