茶事で客が最後に席を立つときにこう言い残します。
しかし、亭主は客の出た後
再びにじり口から客に送り礼をします。
客も露地に立ちしばし待って送り礼を受けることがならいです。
先日、松下幸之助氏の伝記を読んでいたら
松下さんは客をかならずエレベーターまで見送ると、
エレベーターが一階に着き点灯が消えるまでお辞儀していたそうです。
また工場の見学者には門の外に出るまでクルマを見届けたそうです。
相手に心を残して見送ることは、
茶の湯ならずとも大切なことなのですね。
今日、さる茶道界の大先輩に少しの時間お目にかかりました。
玄関まで送られたのでどうぞここまででと固持いたしましたら、
それではと玄関で立ち止まられました。
しかし、門の外に出ましてふたたび振り返りましたら、
案の定、まだ見送っていらっしゃいました。
茶の湯が身につくと言うことはまさにこういうことであり、
茶の湯を学ぶことの大切さはまさにここにあるのかもしれません。