仙露軒日常

利根川べりの仙露軒にすめる初老のおやじのつぶやきごと。ご笑止、ご笑止。

大炉

2012年02月29日 | 茶の湯

2月もいよいよ終わりです。

一月は行く、二月は逃げる、三月は去る

うまいことをいったものです。

2月といえば裏千家では大炉の季節です。

この点前は逆勝手といい、

お客さんが亭主の左側にいる場合の点前になります。

裏千家の大炉の間に由来する点前です。

暖房の乏しかった時代に、囲炉裏はなくてはならないもの。

お寒い中をお出かけくださってとここで一服、

それも改まった茶席でなく

次の間であったところがまたおもてなしでしょうか。

大釜の湯気と大炉の炭火

ほっとするのは現代人も同じです。

山庵さんの大炉です。

 

 


暁の茶事

2012年02月20日 | 茶の湯

 

暁の茶事は

前日からの残り火を改めて、釜の水も改めて行われる茶事です。

午前4時の席入となるために亭主の側はほぼ徹夜になり、

呼ばれる方も早暁から伺うので

一世一代の茶事とも言われます。

亭主は炉の火を改めたり、釜の水を改めたり、

初入りでは手燭などの灯火を用意したりしなくてはならず、

茶の湯巧者でなくては務まらないとされます。

客も老練の方でないと務まらないと言われています。

そんな貴重な体験を今回で二度目。

前回は箱根の雲霓

夜中にたたき起こされて眠かったことぐらいしか覚えていませんでした。

今回学んだことは、

前夜からともしていた竹檠の灯火がとぼるまでの間に終わるのだそうです。

灯芯の消える瞬間に炎がぱっとたちすっと消えていく様がごちそうなのだそうです。

 

 


御垣の内

2012年02月14日 | 浮き世

勢に七度熊野へ三度という訳でもありませんが

お伊勢さんにもお参りしてきました。

来年が式年遷宮に当たりますので

ただいまは浄財を募られていて

世が世であれば私どもでは入れない聖域にまで入ることをお許しくださり参拝できます。

御垣内参拝

もちろん画像はお許しになるところではありませんので

あしからず。

二十年後にまた機会に恵まれるとは限りませんので

ぜひとも心身ともに清められたい方はお参りなさると良いと思います。

何事のおはしますかは知らねどもかたじけなさに涙こぼるる

西行の和歌の気持ちが伝わる体験でした。

 

 

 

 


大はんゃ

2012年02月07日 | 浮き世

立春には大般若転読法要という法要があちこちのお寺で執行されますね。

私も毎年お知り合いのお寺さんで法要に参加しています。

だーいはんにゃだいはんにゃ

大般若大般若

こうぶくいっさいたいまさいしょうじょうじゅ

降伏一切大魔最勝成就

と唱えながら六百巻のお経をぱらりぱらりとめくって読んでいきます。

転読

という語がめずらしいですね。

経題や経典の初・中・終の数行だけを略読すること。大部の経典、特に「大般若経」600巻について行われる。転経。→真読

ということだそうです。

ちなみにお経として広く知られる般若心経は

この大般若経の教えをコンパクトにまとめたものだそうです。

立春大吉

みなさまにも良き年となりますように。