お気楽海外生活 → 帰国して子育て中

イギリスボランティア留学&アフリカオーバーランドツアーの後はアメリカ移住。今は日本で子育て中です。

目次

ブログを始めて2年が経過しました。
最初はイギリスにいる間の身内への近況報告だったんだけど、今は単なる趣味です。
ブログって書くのはラクなんだけど、ホームページと違って読み難いのが玉に瑕。
ということで、2周年記念に目次なるものを作ってみました。
なんとなくテーマ性のあるものはまとめて見れるようにしてあります。


 イギリスボランティア留学
2005年の話です。
行くぞ!と決めてから実行するまで。
行ってからの日記なんかはこちらをご覧下さい。


 イギリスアルバム
イギリス滞在中に行った国内旅行。
パスポートがなかったから国外に出られなかったんだよね~。
これだけ行ってもまだまだ行きたい場所があるのが不思議。
 アフリカキャンプツアー
当初予定していた欧州周遊は寒さのため却下。
南下してアフリカに行ってみました。
当時はいっぱいいっぱいだったけど、思い返すととても楽しかった。


 アフリカアルバム
最初は写真もここにアップしてたんだけど、途中で4travelを知ったのでそっちに変更。
多少だぶってる写真もあったりして。
 アメリカ生活
アメリカに引っ越すまでと、引っ越してからの話。
日々のどうでもいい日記以外の記事に、テーマ別にリンクしてあります。


 アメリカアルバム
アメリカの国内旅行アルバムリンク集。
一応アルファベット順になってます。
メキシコとか混ざってるのは、国内感覚で行けちゃうから。


ゴースト・ボーイ

2024-04-07 14:04:56 | 映画とか本とか
12歳で脳感染症から植物状態になり、3年後には意識を取り戻した男性の自伝。
なんか、すごい人ってイメージで読み始めたら、ちょっと違いました。
耐えるしかないので耐え続け、ようやくコミュニケーション手段を得る。
子供時代をすっぽり抜かして、大人として人生をスタートしているも同然で、
とっても怖がりで純粋な様子が伝わってきました。

暑い寒い愛してる、そんな簡単なことを伝えたいという思いは叶い、現実はさらにその先へ。
複雑な人間関係、社会に徐々に入り込んでいくものの、なかなか適応できない。
何かを選択したことはないし、当たり前に健康な人が当たり前に思うことが分からない。
みんながほめてくれるけど、どうしてだろう?と理解できない。
意識だけあった9年間は、周りの人がどう思ってどういう関係にあるか分かったのに、
自分がその中に放り込まれて当事者になるとさっぱり分からない。
とまどいながらも成長していく様子が書かれていました。


 ゴースト・ボーイ | マーティン・ピストリウス, ミーガン・ロイド・デイヴィス, 長澤 あかね


1988年1月(12歳)にのどの痛みを訴えたのが始まり。
数か月後には何も食べなくなり、ついには人の顔も分からなくなる。
16歳くらいで意識が戻り始め、19歳になるころには完全に回復していた。
1994年にネルソン・マンデラが大統領になったことはぼんやりと、
1997年にダイアナ妃がなくなったことははっきり覚えている。

幼いころの記憶は失っていて、意識を取り戻した時点からの記憶しかない。
それでも家族という概念を理解したり、言葉の意味が分かったり。
脳機能の一部は生きていたということかな?

意識を取り戻しても体は動かず、周囲の人には気づいてもらえない。
22歳の頃には肺炎で死にかけ、死により「煉獄から解放」されたいと願う。
介護施設の職員からは虐待され、人生と取り戻した後も悪夢に苦しむ。

2001年7月(25歳)、この人、意識があるかも?と気づいたスタッフの進言により検査を受ける。
ノートパソコンを買ってコミュニケーション手段を得る。
2003年には週に1回、医療センターでボランティアで働き始める。
コンピューター関連に強く、修理しているのに驚き。
すぐに有給職員(週1日)となる。
働き出して4か月でスピーチを行うなど、目覚ましい変化が生じる。

2005年には犬を飼い始める。
コミュニケーションセンターで週3日、学術研究所でコンピューター技師として週2日働く。
この頃、大学の過程を修了する。
2007年にはコミュニケーションセンターをやめ、学術研究所の常勤へ。
大学で学位を取ろうとしたら、まず高校を卒業しろと言われて戸惑う。
別の大学をトップクラスで卒業したばかりなのに、今更高校?とショックを受ける。
特別扱いではなく社会の一員として普通に扱われている感じがした。
コミュニケーション手段を得てたった6年で。
2008年4月(32歳)、結婚して英国へ移住。
現在はすっかり力強くなって、車いすレースの選手になっているようです。

10年間の植物状態から回復し父親に 南ア男性が半生語る - BBCニュース

マーティン・ピストリウスさんは10年以上「閉じ込め症候群」となり、コミュニケーションが一切取れなくなった。

BBCニュース

 


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脳を鍛えるには運動しかない!

2024-04-07 13:37:14 | 映画とか本とか
すごくおもしろかったけど、多少専門性が高いのと頁が多いのとで、時間かかった。
運動すると脳にいい物質が脳内でも体内でも出て、体内で出た物質は脳に入り込んで働く。
運動は健康にも学習にも精神安定にもいいよ!というお話でした。
2009年の本なので現在では新しい知見も出ていそうだよね。

運動をすると心臓から血液がさかんに送り出され、ベストの状態になる。
動かない生活は脳も殺してしまい、実際に脳は縮んでいく(こわっ!!!)。
ニューロンは運動によって生まれ、環境からの刺激を受けて生き残る。

そもそも人類は農耕民族として定住する前は狩猟を行っていたわけで、
体は運動するように出来ているというのがすごく説得力ありました。
「元来、わたしたちは体を動かすようにできていて、そうすることで脳も動かしている」
そうだよね、血糖値を上げるホルモンは沢山あるけど、下げるホルモンはインスリンだけ。
それも人類の長い歴史の中では飢餓状態になることはあっても、飽食はなかったからだもの。

 脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方 | ジョン J.レイティ, エリック ヘイガーマン, 野中 香方子

第一章 革命へようこそ

アメリカのある校区で0時間目として朝運動を取り入れたところ、
生徒たちの成績はあがり、肥満率は下がり、精神的にも安定して暴力事件は減少。
心拍数計を取り入れた新しい「フィットネス」としての体育。
健康でい続けるための体育。

足が遅い子には、もっと頑張れ!と早く走らせていた体育教師が、
その子の心拍数系を見てびっくり、めっちゃ頑張ってるじゃん!!!というのが印象的。
誰よりも頑張ってたんだ、と思うんだよね。

これ、日本でもぜひ取り入れてほしい!!!
こういう概念で体育をやってくれれば、運動に対する認識が育ち、
生涯を通して役に立つ授業になると思うんだよね。
そして運動が出来ない子も、劣等感を抱かずに済む。
ダンスの授業でコミュニケーションを学ぶのもおもしろかった。

第二章 学習

脳の学習は運動により促進されるという、専門用語たっぷりのちょっと難しい話。
これを読みながら、体を動かせない天才、スティーブン・ホーキング博士を思った。
ALSを患いながらもその頭脳は冴えまくっていた人。
めっちゃすごいな、と改めて思った。

脳内の信号の80%はグルタミン酸とγ‐アミノ酪酸(GABA)が担っているが、
セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質や、
「因子」と呼ばれる分子グループも重要な働きを担う。
脳由来神経栄養因子(BNDF)は、ニューロンを育てる肥料のような役割をする。
何かを学習するには長期増強(LPT)と呼ばれる動的メカニズムにより、
ニューロンを強化することが欠かせない。
学習を繰り返すことでシナプスが増え、結合は強化される。
この変化を「シナプス可塑性」といい、BNDFはここで中心的な役割を果たす。

運動はBDNFは増やし、BDNFはニューロンの機能を向上させ、成長を促し強化する。
BNDFはシナプス近くの貯蔵庫に蓄えられ、血流が盛んになると放出される。
その際に体内の多くのホルモン(※下記)が招集され、そのプロセスを手助けする。
・IGF-1(インスリン様成長因子)
・VEGF(血管内皮成長因子)
・FGF-2(線維芽細胞成長因子)
運動するとこれらの成長因子が血液脳関門を通過し、脳内でBDNFと協力して、
学習に関わるメカニズムを活性化させている。

感覚刺激と社会刺激の多い環境で暮らすと、脳の構造と機能は変化し、重量も増す。
猫の片目を閉じたまま育てると視野皮質が明らかに委縮した。
脳は、使うか失うかだ。

第三章 ストレス

ストレスは体の均衡を脅かすもので、体はそれを克服するか適応するか。
椅子から立ち上がることをストレスとは思わないが、生物学的にはストレス。
失業しそうなときのストレスとは比べ物にならないが、体と脳の同じ回路を活性化させる。
ニューロンは「よい」要求と「悪い」要求を区別しない。
コルチゾールが多いと、ストレス以外の新しいことを記憶しずらくなるだけでなく、既存の記憶へのアクセスも阻まれる。

ストレスによる警報が出ると偏桃体はメッセージを発信し、副腎が異なる段階で異なるホルモンを分泌する。
ノルアドレナリンが交感神経を伝わって副腎を刺激し、アドレナリンが分泌され、心拍数と血圧が上がり、呼吸が早くなる。
同時に、ノルアドレナリンと副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)によって運ばれた信号は、
視床下部でメッセンジャー(神経伝達物質)に渡され、下垂体を刺激して副腎の別の部分を活性化させる。
ここでは、ストレス反応にとって二番目に重要なホルモンであるコルチゾールが分泌される。
この一連のリレーはHPA軸と呼ばれ、ストレス反応メカニズムにおいて重要な役割を担っている。
H:Hypothalamus(視床下部)
P:Pituitary(下垂体)
A:Adrenal gland(副腎)

ストレスと同じように、コルチゾールもいいか悪いかではない。
少々ならなら記憶を回路につなぐのに役立つが、多すぎると邪魔をする。
あまりに多いと、ニューロン同士の結合をむしばみ、記憶を破壊してしまう。
シナプスの結合は切断され、樹状突起は委縮し、細胞は死に、ついには海馬もしなびてしまう。

コルチゾールはピーク時にはニューロンの材料となるたんぱく質を増産させる。
その結果樹状突起も受容体も大きくなり、シナプスは太くなる。
その強くなったニューロンが生存にかかわる記憶を強化し、その回路内のニューロンをほかの要求から遮断する。
本来1個のニューロンは、いくつもの記憶の一部になることができるが、脳がストレスを感じているときに入ってきた情報は、記憶になろうとしてもニューロンの大半が遮断されているので自分用の回路にニューロンを取り込みにくい。
慢性ストレスのせいでコルチゾールが多い状態が続いていると、新しい情報が頭に残らなず、うつ病の人はものを覚えにくい。
海馬のニューロンがそのグルタミン酸機構をフル回転させ、それほど重要でない刺激を遮断してしまう。

筋トレと脳の共通点。
筋トレによって傷ついた筋肉は、修復する時により強力になる。
ニューロンもいったん壊れて、より丈夫に作り直される。
運動はニューロンの回復プロセスのスイッチも入れる。

運動するとインスリン受容体が増え、血糖がよりうまく利用され細胞は強くなる。
運動中、脳の中で血液の流れが前頭葉から大脳辺縁系へシフトする。
大脳辺縁系には、偏桃体と海馬がある。
運動するとIGF-1が増えてインスリンがグルコースの量をコントロールするのを助ける。
IGF-1は海馬の中でLPTを促進してニューロンの可塑性を高め、新生を促している。
FGF-2とVEGFにより脳の中で血管網が拡大され血流もスムーズになる。
BNDFの分泌量も増え、これらの因子が協力しあって脳の活動を活発にし、慢性ストレスの有害な影響に対抗する。
心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)はHPA軸にブレーキをかけ、脳の騒音を沈めて体のストレス反応を直接抑える。

第四章 不安

有酸素運動をすれば不安がたちまち解消されることは昔から知られている。
運動すると筋肉の緊張がゆるみ、脳に不安をフィードバックする流れが断ち切られる。
体の方が落ち着いていれば、脳は心配しにくくなる。
不安障害患者の偏桃体は、危険と安全の区別がつかない。
運動が不安に作用するのは、主にANPの働きによるものと考えられている。
激しい運動だけが、不安による肉体的な興奮に対する感受性を和らげる。

筋肉が働き始めると、脂肪を分解して脂肪酸が作られ、血液中に放出された遊離脂肪酸はトリプトファンと結合していたアルブミンを奪い取る。
身軽になったトリプトファンはBBBを通り抜け、脳に入っていき、セロトニンの構成材料になる。
運動によって増えたBDNFもセロトニンを増やし、安心感を高める。
また、運動はGABAの分泌やANPの生成も促す。
ANPはBBBを通り抜け、海馬の受容体にくっついてHPA軸の活動を調整する。
ANPは脳内でも青斑核や偏桃体のニューロンで生成・分泌される。
青斑核も偏桃体も、ストレスと不安に関してい重要な役割を担っている。

第五章 うつ

本を書かれた当時、イギリスではうつの治療の第一歩として運動が勧められていたが、
アメリカでは運動がうつの治療に用いられることはほとんどなかった。
今はどうなっているのかな?
日本で、うつの治療に運動ってやってるのかしら。

うつとは、人生のつながりやニューロンのつながりが蝕まれており、運動はそうしたつながりを元通りにする。
習慣的に運動するようになると、脳のドーパミン貯蔵量が増えるだけでなく、受容体を作る酵素が生成され、「報酬中枢」にある受容体そのものが多くなる。
ストレスホルモンのコルチゾールが多いと、海馬のニューロンは死んでしまう。
抗うつ剤は効き目が出るまで3週間かかるのも珍しくないが、それはニューロン新生にほぼ同じ期間がかかるからかも。

抗うつ薬はボトムアップ方式で作用する。
脳の下位組織である脳幹に働きかけ、その影響が辺縁系に伝わり、最上位の前頭前野に及ぶ。
抗うつ剤の効果がまず体に現れるのはおそらくそのためで、悲しい気分が薄れるより先に、体にエネルギーが満ちてきたように感じられる。
認知行動療法と心理療法などのセラピーは、トップダウン方式で前頭前野から下位組織まで波及していく。
まず思考を修正して「学習された無力感」に向き合えるようにし、希望がもてない悪循環から抜け出せるようにする。

運動は一度に両方向からうつを攻められる。
体を動かすことにより脳幹が刺激され、エネルギーと情熱と関心とやる気が湧き上がってくる。
前頭前野ではセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、BDNF、VEGFを調節し、自己概念を変化させる。
脳全体の化学反応を調節して、信号を正常に戻し、がんじがらめの状態にある前頭前野を開放する。
うつには強めの運動(高用量)の方が効果がある。
体重1ポンドあたり8をかけると、高用量の運動として週に消費すべきカロリーが分かる。
目安としては、中程度の有酸素運動を毎日30分ほど続けるとよい。

第六章 注意欠陥障害

1994年にADHDの著書がベストセターになったと書いてあり、日本はADHDについて20年くらい遅れてるのかも?と思った。
ADHDの人は、著者によると「現在にとわられる人」。
大学入試のための勉強のような長い目で見て価値のある作業より、すぐに満足感を得られる作業を好む。
長期目標に焦点を合わせられないので、やる気がないように見えるのだ。

注意システムの調整においてドーパミンとノルアドレナリンが主導的な役割を果たしているので、運動によりADHDの症状が緩和されるのはこの2つの神経伝達物質が増えるためだと言える。
定期的に運動すると、脳の特定部位に新しい受容体が生まれ、ドーパミンとノルアドレナリンのベースラインを上げることが出来る。

第七章 依存症

規則正しい運動や生活は、脳を活発にし、薬物から気持ちをそらし、大脳基底核を再プログラミングして別の行動につながる回路を作る。
運動すると偏桃体が落ち着きを取り戻し、ドーパミンが放出されて禁断症状が楽になる。
完全に依存症を断ちたいのであれば、週に5日30分のハードな有酸素運動というのが最低ライン。
運動するとD2受容体が生成され、報酬システムのバランスが回復する。
また、自分に否定的なイメージをもっている人にとって、体から脳へ気持ちを切り替えることで、かつてないやる気がわいてくる。

エンドルフィンは脳内のモルヒネ様物質であり、エンドカンナビノイドはマリファナ様物質。
どちらも体内で自然に作られ、麻薬と同じ効果があり、等しく痛みを緩和する。
エンドルフィンと違って、エンドカンナビノイドはBBBをすんなり通り抜けられる。
運動により2つのエンドカンナビノイド(アナンダミドと2アラキドノイルグリセロール)が体と脳で作られる。
それらは血流で全身に送られ、脊髄の受容体を活性化させ、苦痛のシグナルが脳に届かないようにする。
狩りをつづけることで生じる筋肉や関節の痛みをしのぐために進化した。

第八章 ホルモンの変化

運動すると血液中のトリプトファンのレベルが上がり、それにともなって脳内のセロトニン濃度が上がる。
また運動にはドーパミン、ノルアドレナリン、BDNFのようなシナプス伝達を調節する物質のバランスを整える効果もある。
多くの変数を安定させることにより、運動はホルモン変化がもたらす心身の反応をトーンダウンさせている。

エタノールを摂取した母ラットから生まれた子ラットはニューロンの申請率と可塑性が際立って低かったが、子ラットが運動するようになると脳ダメージは正常な状態に修復された。

女性ホルモン低下による不調に対抗するために。
少なくとも週に4日、心拍数を最大の60~65%に上げる運動(戸外に出て早足で歩いたり、ジョギングやテニスをしたり)をすることが推奨される。
そしてできればそれを1時間は続ける。
骨粗しょう症を予防するために、週に2回筋力トレーニングをする。

PMSに悩まされている若い女性は、週に5日有酸素運動を上記のレベルで行うことを推奨。
そのうち2日(連続ではない)はスプリント(全力疾走)のような激しい運動を組み込むと更によい。
負荷の高い運動が、イライラ・不安・うつ・情緒不安定といった症状に劇的な効果をもたらす。

第九章 加齢

1 心血管系を強くする
①血管新生により詰まりを防ぐ
運動して筋肉を収縮させるとVEGFやFGF-2などの成長因子が放出され、ニューロンの申請や結合を促すほか、分子の連鎖反応を誘発して内皮細胞を作らせる。
内皮細胞は血管の内壁を形成する細胞で、新たな血管を作るのに欠かせない。
そうして生まれた血管は脳の各領域でライフラインとなっている血管ネットワークを拡張し、さらに予備のルートも作って血管が詰まるのを防ぐ。
②一酸化窒素により血管が拡張し、より多くの血流が流れる
③血流増加により脳の動脈が硬くなるのを予防する
④運動は血管のダメージをいくらか修復する
脳卒中を起こした人やアルツハイマーの患者でさえ、有酸素運動をすると認知テストの成績が上がる。
運動は若いうちに始めるのがベストだが、いくつでも初めて遅すぎることはない。

2 燃料を調整する
加齢によるインスリンは低下し、燃料となるグルコースが細胞に入りにくくなる。
血液中にグルコースが増えると、細胞内にはフリーラジカルにような老廃物が生まれ、血管が傷つき、脳卒中やアルツハイマー病になる危険性を高める。
全てのバランスが整っているとき、インスリンはアミロイド斑の蓄積を防いでいるが、インスリンが減ると斑の蓄積が進み、炎症も促され、周囲のニューロンが傷つけられる。
運動はIGF-1を増やし、全身のインスリンが調節され、脳ではシナプスの可塑性が高まる。
運動することで余剰の燃料が消費されると、高血糖のせいで減少していたBDNFが、またさかんに供給されるようになる。

3 肥満を防ぐ

4 ストレスの閾値を上げる
運動は過剰なコルチゾールによる腐食を抑えることが出来る。
コルチゾールは慢性的なストレスから商事、心と体を蝕み、うつや認知症を導く。
運動はニューロンを強化し、過剰なグルコースやフリーラジカル、興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸に対抗できるようにする。

5 気分を明るくする
より多くの神経伝達物質、BDNF、より強いニューロンの結びつきは、うつや不安によって起きる海馬の委縮を予防する。
また、多くの研究により、いつも朗らかな気持ちでいると認知症になりにくいことが実証されている。

6 免疫系を強化する
ストレスと老化は、免疫力を弱める。
運動は2つの重要な方法によって免疫力を直接強くする。
第一にほどほどの有働で抗体とリンパ球が活性化される。
第二に、運動すると免疫系のバランスが回復されて、炎症を抑え病気を食い止めることが出来る。
傷ついた組織を修復する細胞を活性化させるのも免疫系の仕事だ。
この働きが低下すると傷が悪化し、炎症が慢性化する。50を過ぎると健康診断でCRPが検査されるようになるのはそのためだ。
CRPがあるということは、心血管系の病気やアルツハイマーのおもな要因となる慢性的な炎症が起きている証拠だ。

7 骨を強くする
8 意欲を高める
9 ニューロンの可塑性を高める

有酸素運動
週に4日、30分から1時間、最大心拍数の60~65で運動する。
それに加えて、週に2日は最大心拍数の70~75%で20~30分運動する。
※大人の最大心拍数は220から自分の年齢を引いた値

筋力
週に2日、ダンベルかトレーニングマシンを使った筋力トレーニングを無理のない重さで、10~15を1セットとして3セットする。

バランスと柔軟性
週に2回、30分程度
ヨガ、ピラティス、空手や柔道、ダンスなど

第十章 鍛錬

週に6日、なんらかの有酸素運動を45分~1時間する
そのうち4日は中強度でやり、あとの2日は高強度で短めにする
・低強度(ウォーキング) 最大心拍数の55~65%
・中強度(ジョギング) 最大心拍数の65~75%
・高強度(ランニング) 最大心拍数の75~90&¥%

ウォーキング
血流が増すとセロトニン、BDNF、その他の栄養因子が生成される。
体の脂肪が多すぎると、筋肉はインスリン抵抗性を持つようになり、そのせいで脂肪がますます蓄積し、IGF-1の産生は減る。

ジョギング
中強度の運動をすると、体は脂肪だけでなくグルコースも燃やすようになり、筋肉組織はストレスによって微小断裂を起こす。
脳細胞の内側では中強度の有働が引き金となって代謝系の掃除屋ともいうべきたんぱく質や酵素が放出され、フリーラジカルやDNAの断片、そのまま放置すると細胞の破壊をもたらす炎症因子を始末する。
鼓動を打つ信金でANPが合成され、血流にのって脳へ運ばれ、ストレス反応を緩和し雑音を減らす。
中強度の有酸素運動をした後で爽快な気分になるのは、痛みを鈍らせるエンドルフィンやエンドカンナビノイドのほかに、ANPが増えるからでもある。

ランニング
体は完全に緊急体制に入り、かなり強く反応する。
高強度の上限(90%)あたりで、代謝は有酸素から無酸素に切り替わる。
筋肉は組織内に蓄えていたクレアチンとグリコーゲンを乱暴なやり方で燃やし始め、筋肉には乳酸が蓄積する。

中強度と高強度の重要な違いのひとつは、最大心拍数に近づき、特に無酸素運動の域に達すると、下垂体からヒト成長ホルモン(HGH)が放出されることだ。
HGHは腕にいいエンジニアで、腹部の脂肪を燃焼させ、筋肉組織の層を作り、脳の容量を増やしている。

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