Duke MBA 日本人ブログ

Duke University - Fuqua School of Business(非公式)

Biotech and pharmaceutical strategyについて

2016-11-29 15:56:31 | 授業紹介

 みなさんこんにちは。2年生のYです。早くも年内の授業は残すところあと2週となり、学期末のレポートの作成など少々慌ただしい日々が続いています。 このブログをご覧になっている受験生の皆さんの多くは2nd Roundに向けての追い込みでお忙しい事と思いますが、留学で得られる世界の広がりは、今の頑張りを補って余りあるものになる事間違いありませんので、あと少し頑張って頂ければと思います。

さて、今日はヘルスケアに強みを持つFuquaの授業の1つ、Biotech and pharmaceutical strategyについてご紹介致します。この授業は製薬企業に関するケースをひたすら読み続けるというかなり業界Specificな授業です。 一言にヘルスケアと申しましても、当然のことながら製薬会社だけでなく医療機器メーカー、保険者、医療従事者、規制当局、そして患者さんを含めた様々なプレイヤーが存在します。私は留学以前、官庁で医療分野を中心とした社会保障関係予算の策定に携わっていました。その中で感じていた事の1つは、これだけ多くのステークホルダーが存在し、価値観も多様化してきている中で、陳腐な言い方になってしまうかもしれませんが、より良い政策作りのためにはそうした異なるステークホルダーが抱える価値や考え方に想像力をどれだけ働かせて実のある対話をし、合意形成をしていけるかが重要だなという事でした。官庁で働き続けるだけではきっと物事の見方が偏ってしまうのではないか。そうした意味で、私が留学生活、特にFuquaに期待していた事の1つは、特に医療という文脈でより幅広い見方を身につける事でした。そして、まさにこの授業を受講する中でFuquaがamazing place to beだなとしみじみ感じています。

FuquaはHSM(Health Sector Management、注1)というヘルスケアに特化した専攻で有名なのですが、そのコースに登録する学生は、年によってバラツキがありますが、現在1学年のうち30%以上(ちなみに一学年のクラスサイズは400人強です)にものぼっています。この授業は冒頭に述べた通り、製薬会社の戦略に特化するという一般的には相当マニアックと思われる授業なのですが、にもかかわらず授業の登録を希望した学生の数は定員をオーバーするほどの人気です。授業の中では毎回ケースを基に製薬企業の意思決定に関するイシュー(価格差別などを含めたプライシング、特許戦略、保険償還、開発戦略、広告等)について扱います。クラスでは、製薬会社で勤めていた人は当然のことながら、医療機関で勤務していた学生、医師や看護師などの医療従事者、医療保険会社、投資銀行やコンサルティング会社のヘルスケアプラクティスのチームで勤務・インターンしていた学生、グローバルヘルスに関するNGOで勤務していた学生、米国の上院で医療政策の立案に携わっていた学生など多種多様な学生が凄い勢いでディスカッションを行っていて、正直彼らの議論を聞いているだけでもとてもeye-openingな経験です。担当教官はDavid Ridleyという先生で、彼は米国の製薬企業や規制に熟知しています。彼の研究を基にFDA(薬や医療機器の承認を行うアメリカの規制当局)にPriority Review Voucher(注2)という制度が出来ました。また授業にはロシュの元CEOのGeroge Abercrombieが常駐し、Davidや学生の発言に実務的な観点からフィードバックを行うという理論と実践のバランスが取れた素晴らしいクラスになっています。

先進国における高齢化による医療ニーズの増大や医療技術の高度化等によりヘルスケア市場が増加の一途を辿る中、ヘルスケアに特化した専攻を設けている学校も近年増えてきている印象がありますが、この授業を取る中で改めて感じたFuquaの良さは、ヘルスケア関係のバックグランドを持つ学生の多様性と厚みがあることだなと感じています。こうしたヘルスケア分野の中での多様性が担保されている環境は、Fuquaが持つHSMの伝統と、前述の通りその名の下に集まる一定規模以上の学生の数によって成り立っているものであり、ヘルスケアを売りにしている学校の全てが必ずしもこうした学習環境を提供できるものではないと考えています。

先日の授業では、保険収載時の薬価が諸外国の薬価を参照して行われることが多いことに着目して、(1)どの国からどういう順番で、(2)いくらで、新薬を上市していくのが製薬企業によって最適かという上市戦略について、コンサルティング会社が授業に来て講演をしてくれました。折しも日本ではこれまで2年に1回だった薬価の改定を毎年行うべき、諸外国における薬価の参照を速やかに行うべき、と言った薬価制度に関する抜本的な制度改正に関する議論が経済財政諮問会議(注3)などで行われているところで、こうした制度変更は製薬会社の意思決定にも大きな影響を与えそうです。

また、今日のケースでは子宮頸がんワクチンの価格戦略について扱いました。日本ではその副反応の可能性等が指摘されたことで、一般的にはネガティブに捉えられている印象のある子宮頸がんワクチンですが、クラスメイトと話す中でアメリカでは同ワクチンを接種することがある程度一般的になってきているなど、同ワクチンに対する見方が日本とアメリカでかなり異なることなどが分かり、日本とアメリカを含めた諸外国での医療のあり方の違いなどについても気付きがありました。

・・・といった感じで毎回の授業で新しいTakeawayがあり、授業が楽し過ぎて授業の前日の日曜と水曜は毎回夜明けが待ち遠しいといった心境です。言い過ぎかもしれませんが。

ちなみにこのクラスで知り合ったクラスメイト達と来年1月に開催されるヘルスケアビジネスコンテストに出場するべく現在準備を進めています。書類などによる選考が今後行われることになっていますが、見事本選に参加できることになった暁には、その模様をこのブログでお伝えできればと思います。長くなりましたが、ご一読頂きありがとうございます。

(注1)HSMについてはこちらを御覧下さい。https://centers.fuqua.duke.edu/hsm/home/about/

(注2)同制度の詳細についてはこちらを御覧下さい。http://priorityreviewvoucher.org/

(注3)11月25日に開催された同会議に提出された薬価制度の抜本改革案等についてはこちらを御覧下さい。

http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2016/1125/shiryo_04-1.pdf


GATE Cuba/Panama 体験記 (3/4) – 旅程その2- 時が止まった国・キューバ

2016-11-27 15:42:51 | 課外活動

さて、今回はGATE Cuba/Panama体験記の3回目をお送りします。やっとキューバにたどり着きました!笑

 まずは簡単にキューバの歴史、社会について書きたいと思います。20世紀初頭にアメリカの支援を受けながらスペインからの独立を獲得しましたが、その後しばらくはアメリカの影響下に置かれていました。1950年代には、アメリカの支援を受けたバチスタが政権を奪取し、アメリカ資本の流入や政権の圧政によって富が一部の強者に集まり、貧富の差が拡大しました。その中で、フィデル・カストロ、チェ・ゲバラといったバチスタ体制に反旗を翻した者達によって、最終的にキューバ革命が達成されます。それによって成立したカストロ体制は共産主義を推し進め、今日においてもキューバ共産党による一党体制が維持されています。 

 ここからは、実際の旅程を一緒にたどっていきたいと思います。一つ一つがとても濃い経験でしたので、長文になってしまいますことを予めお断りしておきます。最後の方に印象に残った出来事ベスト3がありますので、以下は読み飛ばしていただいても結構です。

●5月7日(土)

 ワシントンD.C.からパナマシティを経由して、ついにハバナ入りしました。夜の到着であったため街並みはあまり見えませんでしたが、空港の入国審査待ちで数回停電し、空港からホテルに向かう通りも電灯が少なく薄暗いことが印象的でした。空港からは現地ガイドのAlejandroが同行してくれました。彼はアメリカに留学したこともあり、流暢な英語を話します。

●5月8日(日)

 この日はCultural tourの一日でした。朝からMuseum of Fine Arts, Museum of Revolutionを訪ね、午後は街を散策しました。

 まずMuseum of Fine Artsで印象的だったのは、多くの作品が当時の社会情勢を色濃く反映していたことです。例えば、19世紀末に描かれた作品は、画家自身が当時の首長国であったスペインと盛んに行き来していたため、ピカソに代表されるキュビズムに強い影響を受けていました。また、20世紀半ばの作品には、アンディ・ウォーホル、ジャクソン・ポロックのようなアメリカン・ポップアートのテイストが見られ、アメリカ文化への憧れが見てとれます。

 Museum of Revolutionでは、実際にキューバ革命の英雄たちが身につけていた衣服・銃器や、当時の新聞等の展示がありました。友人たちとめぐる中で目に止まったのは、当時のフィデル・カストロがどうして革命を志したか語っていたものです。趣旨としては「バチスタ政権は、民衆が望んでいることを無視している。そんな政府は存在すべきではないから打ち倒すのだ」といったものでしたが、現在の政府は本当に民衆が望んでいるものをもたらしているのか?といったところには大いに疑問があります。当時の劣悪な社会環境を知っている市民にとっては、現在の生活はそれよりも遥かによいものであることは想像に難くありません(飢えで苦しむことはなく、教育・医療サービスは無料)。他方で、インターネットの解禁に伴い、資本主義の下で豊かさを享受する国との比較がさらに容易になりつつあります。そんな中で、市民が革命の意義を認め続け、現状の社会を正当化・維持できるのか?といったことは、その後の訪問での個人的なテーマの一つとなりました。

 

●5月9日(月)

 この日は主にBusiness Visitの日となりました。午前中は在キューバ米国大使館と地元の散髪店、午後はラム博物館と自動車修理工場を訪問したのち、ヴィンテージ・カーで市内に残る砦に行きました。

 午前中の米国大使館訪問では、運良く大使からアメリカの対キューバ外交姿勢についてお話を伺いました。冷戦を象徴する1962年のキューバ危機以降国交を断絶していた両国でしたが、2015年の国交再開から今年に入ってのオバマ大統領の訪問など、対キューバ外交は大きく躍動しています。もちろん大使が発言できることとできないことがあり、その真意は行間を読み取るしかないのですが、歴史的にアメリカはラテン・アメリカの国々に深く入り込み、政権交代等において重要な役割を果たしてきたという事実があります(後に訪問するパナマもその国の一つです)。それについてはもちろん様々な意見がありますが、オーストラリア人の同級生 が「自分たちが何でもコントロールできると思っているのは傲慢だよね」とその姿勢をばっさり斬って捨てていたのが印象的でした。そういった、普段はあえて取り上げないような題材をもとに、友人たちとディスカッションをし、その意見を聞くことはとても楽しい経験でした。

 次の散髪店店主との会話は、キューバの社会を理解するのにとても役立ちました。資本主義社会で暮らした私にとって「共産主義」は今ひとつピンと来ないところがありましたが、端的に言うと資本主義の発明を否定するものです。マルクス経済学でいうところの「資本家」こそが貧富の差を生じさせ、労働者からの搾取を生む原因とみなします。そのため、「資本」「株式」「株式会社」といったものが認められません。「株式会社がない」ということについて、当初は唖然としたものですが、その店主自身もヨーロッパにて学んだ経験からその問題意識を共有していました(ちなみに上記にいくつか例は出ましたが、留学したのち再度キューバに戻ることはそこまで一般的ではないと思われます)。現在キューバでは、その経済情勢の悪化から、政府が定める200程度の職種において新たに事業を始めることが奨励されていますが、依然として株式会社は認められないため、その元手は複数人で出し合う(株式を発行する)のではなく、一個人としてその責を負わなければなりません。ご察しの通り、これは非常に非効率であり、これまで世界を発展させてきた金融という発明をことごとく否定するものです。絶対的な豊かさが幸福に直結するわけではなく、他人との比較での豊かさ、平等性が幸福感に寄与する場合があることも理解はしていますが、それにしても、と複雑な思いに駆られました。そういった、自身と異なるパラダイムの中で生きる人たちを理解しようとした際に、まずは虚心坦懐に話を聞く姿勢の重要性を感じました(もちろん最終的には自分の価値観での価値判断にはなるのですが)。自分たちの論理を適用して頭ごなしに否定するだけでは、彼らがどういった考えで過ごしているかは一向に理解できないままです。

 午後訪問したラム博物館では、キューバを代表する農産物であるサトウキビから蒸留されるラム酒の製造工程をたどり、最後に「モヒート」と呼ぶラム酒をソーダ水で割って、ミントを加えたカクテルを楽しみました。実は私はそこまでお酒が強くなく、それで酔ってしまったため、その後訪問した自動車修理工場では少し朦朧としながら話を聞くことになりました。笑

 アメリカからの禁輸を受けているキューバでは、基本的にアメリカ車の新車輸入がなく、また彼らとしても同じ車を修理しながら長く乗ることに非常に誇りを感じているようでした。単なる経済的な理由以上の動機で、自動車修理工場は運営されているようでした。その後、ヴィンテージ・カーに乗せてもらい、ハバナ市内の砦を皆で散策しました。

●5月10日(火)

 この日はハバナ郊外の共同農園を訪問しました。共同農園で生産されていた農作物・畜産物自体には目新しさはありませんでしたが、やはり共産主義下でのビジネスの難しさの一面が垣間見えました。生産性においてボトルネックになっているのは土地面積で、この点は資本を入れれば(融資を受けたり、株式を売却したり)土地を購入できて生産力が上がりますが、まずそれが共産主義下ではできません。「共同」農園という名の通り、そこに参加している人たちの土地を持ち寄って一つの農園として運営されているようです。ただ、それでも生活するに足る収入は得られているようでした。

 その後、昼食を取りながら現地のミュージシャンの方の音楽を聴き、画家の方のアトリエを訪問しました。彼らは基本的には観光客や海外からの引き合いを主な収入源にしているようでしたが、やはり娯楽を提供している仕事の常として、顧客側の興味・関心がすぐ離れてしまいやすい点に少し悲哀を感じました。

●5月11日(水)

 この日は朝からヘミングウェイ博物館を訪れた後、ハバナ市内にて有識者の意見を聞く機会に恵まれました。

 まずヘミングウェイ博物館ですが、実際にヘミングウェイがハバナで暮らしていた邸宅を見て回ることができます。中に置かれている本や家具なども、当時のまま保管されています。彼はハバナでの暮らしから構想を得て、「老人と海」を書いたと言われています。私が少し意外に思った点としては、ハバナや彼の邸宅の雰囲気と、「老人と海」で描かれているテーマとのギャップです。「老人と海」自体を読んだのは高校生か大学生の頃でしたので少しうろ覚えですが、根底に流れているテーマは「自然に対する人間の無力感」のように感じました。他方で、私が訪れた時期のハバナは天気も良く(おそらく年中あまり変わらないかとは思いますが笑)、彼の邸宅も日差しをたくさん浴びてとても明るい雰囲気で、ここから「人間の無力感」のような少し仄暗いテーマが出てくるものか?と感じました。これは想像ですが、彼の視点からはキューバの陰のような部分も、よく見えていたのかもしれません。

 午後には、ハバナ大学の経済学教授とリタイアされた外交官の方が直近の経済・社会の動きについてレクチャーをしてくださいました。彼らはやはり政府との関係が色濃く、またそもそもキューバではどこで誰が聞いているか分からない(=反政府的な話をした場合に何が起こるか分からない)ことから、政府の立場に立った議論が多かったように思います。印象に残っている点としては「キューバ政府は実はあまり変わる気がない」という点です。直近ではアメリカと外交を再開し、経済的にも交流を求めており、表向き資本主義に対して歩み寄ろうとしているように見えます。ですが、彼らの言葉の端々からは「国民はこれまで貯蓄の習慣がなかったし、税金という概念に対する理解も薄い。だからもし資本主義的なシステムに移行しても、人々は受け入れられない」といった、変化に対してネガティブな姿勢が見て取れました。ただ、キューバが経済的に苦境に立たされている点は事実で、そこに対する消極的な打開策の一つとして、渋々アメリカとの国交を開いているというのが実態のように感じられました。

●5月12日(木)

 この日は朝からまたハバナ大学にて観光業を研究している教授のレクチャーを聞いたのち、ハバナを離れバラデロという街に移動しました。

 観光業に関するレクチャーですが、教授は政府の観光政策立案にも関わっているとのことで、例によって政府見解の代弁者として発言しているようでした。観光業は、第二次産業の発達に乏しいキューバでは、農業の次に大きい、外貨獲得のための重要な産業です。しかしながら、ここでもやはりハードルとなるのは共産主義です。カリブ海に浮かぶキューバは、観光地としてドミニカやプエルトリコなどと競争関係にありますが、それらとの差別化において、取り得る施策が限られます。例えば、「高額報酬を用意して一流シェフを招致する」といった金銭的なインセンティブを与えることは難しく、ではどうやってサービスの質を向上させるかというと、「従業員教育」に頼るというのが教授の言です。私たちが実際に泊まったホテルのサービス水準に関しては、渡航以前の「共産主義=サービスの質を上げるインセンティブがない」といった先入観は良い意味で裏切られるほど、特に大きな不足は感じませんでした。他方で、プライベートで別のハバナのホテルに泊まった人の意見を聞くとがっかりだったということもあり、全体的なサービスレベルはやはり他国に比べると低いのかもしれません。また、外国資本の誘致においては、キューバ政府がジョイントベンチャー(と書きつつ、共産主義下でのリーガル・エンティティが本当にJVから想起されるような「会社」なのかは疑問ですが)の過半数の所有が必要となります。実際に同様の外資規制を持つ国は資本主義下でも存在しますので、これ自体が大きなハードルにはなり得ないかもしれませんが、そもそもの商習慣の違いやパートナーとしてのキューバ政府の振る舞いが大きな障害になり得るだろう、というのが同行していたDuddy教授の見解でした。

 その後、バラデロの街に移動しました。バラデロはハバナから車で3時間ほどの、キューバを代表するリゾート地です。まずバラデロでは、手作業で本を製作する工房を訪問しました。その後、現地に受け継がれている伝統的なダンスを、地元の方に見せてもらいました。アメリカと同様、キューバも過去にはスペインの手によって、アフリカから奴隷が輸入された歴史があります。その踊りは彼らアフリカ系キューバ人のコミュニティにおいて継承されているもので、曲調や内容もほぼアフリカ系の色合いがそのまま残されているように感じました。炎天下で踊っていた少年少女の凛々しさと つぶらな瞳がとても印象に残っています。

 夜はビーチに面したバラデロのホテルに宿泊し、友人たちと夜まで飲んでいました。海風がとても気持ちが良く、友人たちと解散した後も、海辺で波の音を聞きながら一人充実感に浸っていました。

●5月13日(金)

 この日はバラデロに所在する博物館に訪問したのち、昼食で訪れたレストランの経営者にお話を伺い、午後はダンス教室にてダンスのレクチャーを受けました。

 博物館では、スペイン入植以前から今日に至るまでのあらゆる文化財が保管されていました。特に、キューバ起源の土着文化には、インカの影響が色濃く残っているとのことでした。展示物の中でも、私が特に興味深く見ていたのは紙幣です。実はキューバには二種類の通貨が流通しています。私たちのような観光客が利用する兌換ペソ(CUC)と、一般のキューバ国民が扱うキューバ・ペソ(CUP)です。基本的に観光客にはCUPへのアクセスはなく、逆もまた然りです。これによって、観光客にはCUC表記の高い価格(1CUC=1USDであり、物価水準としてはアメリカと変わらない感覚でした)で買い物をしてもらうことで外貨を落としてもらい、国民には政府補助金が入っている国民用のCUP専用の店で買い物をすることで、たとえ月収が20USD相当しかなくても(実際に医師の月給は20-40USDだそうです)食うには困らない生活ができるようになっています。共産主義だと配給をイメージされる方もいるかもしれませんが、配給は段階的に廃止され、現在は政府が安価な価格での食料調達を保障することで配給に替える形となっています。通貨の話に戻りますと、この博物館で間近にCUPを見たのですが、CUCと大きく異なる点として三点ほどあります。一つ目は紙質。圧倒的にCUPの方が安い紙質のものが使われています。次に色。CUCは同一紙幣でも複数の色が使われているのですが、CUCは単色です。これらによって、CUCとCUPを並べて見ると、CUCの紙幣としての高級感が一目瞭然で、対外的には「人気観光地としてのキューバ」を演出しつつも、対国民目線ではシビアに通貨の印刷費用を削減しているように見て取れました。最後の違いがデザインです。国民用のCUPには、ゲバラを筆頭に、特にキューバ革命や対スペインの独立戦争の英雄の肖像画が採用されています。他方で、CUCはすべて実際にキューバ国内にある歴史上の人物の「銅像」の画で、注意深く見なければどれが誰の銅像なのかよくわかりません。そもそも近年まではアメリカ人の渡航は大幅に制限されていたとはいえ、アメリカ人を含む観光客の手に渡る紙幣に、キューバ革命を容易に想起させるようなゲバラらの肖像画を載せることは血生臭いと配慮したのでしょうか。それとも、国民用の方にあえてキューバ革命の英雄を多く配置することで、国民に対して「一時もキューバ革命の恩恵を忘れないように」と静かに圧力をかけるカストロの思惑があるようにも思えてなりませんでした。

 昼食のレストランでの経営者との談話もとても興味深く、大変充実していました。一つ目は、レストランの経営形態に関してです。まず、「経営者」と言えども、先の通り共産主義下では株式会社がなく、個人が誰かを雇用するということもできません。では、どのようにレストランが「経営」されているかというと、まずレストランの所有者は完全にオーナー一人に帰属します。実際に、レストランはオーナー個人の出資で店を構えたとのことでした。次に、レストランでの売上や費用、結果としての利益は、レストランという法人ではなく、そこで働いている人一人一人に分配されます。そこでの「従業員」は、給与の代わりにそれらの利益を分け前として受け取っているという構図です。ですので、税金に関してもすべて個人に対する所得税という形で課税されます(日本のように源泉徴収なのか申告納税なのかまでは聞きそびれましたが、課税逃れを排するという意味では源泉徴収をしているのではと推察します。とはいえ、どういう制度なのか謎ではありますが。。)。その売上・費用の配分に関しては、オーナーの裁量が入る余地があるということになります。もう一つ興味深かった点として、レストランの初期投資です。くどいようですが、共産主義下ですので、「金融」という資本主義の発明を否定します。ですので、投資の前に金融機関から融資を受けてレストランを建て、その後の利益を以て融資を返済する、という(資本主義下では)ごく当たり前の経済活動ができません。ということで、オーナーは25年(!)の貯金をはたいてレストランを自腹で建造し、現在運営するということをしています。当然ですが、このように内部資本のみしか投資に利用できない、ということは社会全体の投資額を著しく抑制します。これがキューバ人にとっての現実であり、そもそも資本主義の概念が染み付いていませんので、オーナーに「これって非効率だと思いませんでしたか?」と水を向けてみても、「これが普通だ」との答えです。「いや、それはキューバにとっては普通かもしれないけれども。。」と我らMBA生全員の頭の中に同じ思いが駆け巡ったことは想像に難くないでしょう。資本主義という豊かさと効率性、同時に格差をもたらす制度と、持続可能性に多大な難があり、生活水準は一様に低いながらも皆が比較的平等に暮らす共産主義のコントラストに、複雑な思いが去来しました。

●5月14日(土)

 ついにキューバを離れる日となりました。この日は朝からハバナ空港に向かい、パナマへと発ちました。

 キューバを発つに辺り、ガイドであるAlejandroとはここでお別れとなりました。彼についてとても印象に残っているエピソードが二つあります。一つは、彼が自身のバックグラウンドについて、全員に向けて語ってくれたことがありました。彼は一度アメリカに留学し、恐らくアメリカに残ればキューバでのツアーガイドよりも充実した暮らしを享受できたでしょう。しかし、彼はやはり祖国を捨てることができず、最終的に戻ることに決めました。彼にとって非常に重要な決断だったはずで、それを他のキューバ人に聞かれまいとして通りで立ったまま話してくれたことはとても印象的でした。もう一つは、前日夜のディナーにAlejandroを誘った時のことです。夕食は宿泊していたホテル内で取っていたため、我々は彼も誘って最後の夜を惜しもうと考えていましたが、彼は「自分はそこにいてはいけない」ということでディナーには来てくれませんでした。後で教授から伝え聞いたところによると、「ホテルは政府によって経営されており、従業員はもちろん政府につながっている。そのホテルにおいて、Alejandroが職務であるツアーガイドの範疇を超えて、我々のようなほぼアメリカ人からなる一団と仲良くしているところを見られるということは、良からぬ疑いを持たれかねない。だから彼は来れなかったんだ」とのことでした。ここまでの一週間、キューバのことについて理解が深まったつもりでいました(事実そうではあるのです)が、やはり実際に彼の国で暮らすということについての、大きな隔たりを改めて感じる

出来事でした。このディナーの後、キューバ最後の夜ということでタクシーを捕まえてクラブに行ったのですが、そこには無事にAlejandroは来てくれ、最後の思い出とすることができました。

<ここからまとめ>

 さてここまで、(ほぼ自分の記録のために)書き起こしてきましたが、キューバで特に印象に残っていることベスト3をピックアップしてみたいと思います。

第3位:キューバ独自のアートに触れ、油絵を購入

 ハバナではMuseum of fine artsにてスペイン、アメリカの影響を色濃く受けた絵画に触れたり、現地の画家のアトリエを訪問したり、バラデロではアフリカを起源とする少年少女たちのダンスを鑑賞しました。そのダンス鑑賞後にぶらっと入った絵画店にて運命の出会いがありました!

 私はもともと美術館めぐり自体が好きで、キューバでも何かあれば、とは思っていましたが、油絵に一目惚れするとは思っていませんでした。笑 40ドルにて以下の写真の絵を購入し、今は部屋に飾ってあります。これを見るたびに、キューバでの思い出が甦ります。実際に描いたアーティストの方ともその場で写真を撮りました。

第2位:共産主義下の社会、ビジネスの実態を知る

 次に、「共産主義」って一体なんなんだろう、そこで暮らすとはどういうことなのか、ということについて、自分なりの理解が構築できたことは収穫でした。

 やはり衝撃的だったのは、資本主義をことごとく否定しているその制度を知ったことで、普段我々が資本主義から受けている恩恵が大きいことを改めて理解しました。我々が訪問した散髪店店主やレストランオーナーは、雇用関係や融資といったことができないことで、資本主義経済では考えにくい非効率なやり方を取ることを余儀なくされていました。ただ、専門的な知識の差はあれ、キューバ国民は概ねアメリカという大資本主義国の豊かさを知っているのでは(同時に貧富の差についてもそうかもしれませんが)、と感じたのも事実です。それでもキューバに戻ったり、住み続けたりしている人たちの考えを直に聞けたことは、改めて「国」というものを考えるよい機会となりました。

第1位:オンボロタクシーで海岸沿いを疾走!

 キューバ滞在中には、日中はびっしりとビジネスビジットやスケジュールが詰まっていましたが、夕方以降は比較的時間に余裕があり、皆で街に繰り出してレストランやバーで楽しみました。ホテルは市の中心部から少し離れたところに位置していたため、タクシーを捕まえて街まで移動するのですが、そのタクシーが非常に古いのです。いわゆるヴィンテージ・カーと呼ばれるような、古くてもピカピカに磨かれて手入れされているものもありますが、全てがそういったわけではなく、単純に古い(おそらく軽く40年くらいは乗り回されているもの。日本だと廃車置き場に置いてあるような)ものも多くあります。

 我々が乗ったタクシーもそういった類のものでした。運転席も助手席も後部座席も、シートベルトはありません。もちろんエアバッグなんて粋なものがついているはずがありません。車高は心なしか低く 、足元にはすぐ路面が迫っているように感じます。にもかかわらず、車体はなんだか薄く、一際うるさいエンジンの音と振動が直に身体に伝わってきます。そんな状態の車体を、運転手のお兄ちゃんは60キロだか70キロだかの速度で夕暮れ時の海岸沿いのマレコン通りに疾走させます。友人たちと「これ事故になったらまず死ぬよね!?」とジェットコースターに乗っているような、心臓に悪いような気分で話していました。

 GATEの本筋とは関係のない一コマですが、昼間のスケジュールに対する充実感や友人たちと過ごす時間の楽しさ、異国の雰囲気も相まって、とても印象に残っているひと時でした。

というわけで、非常に長くなりましたが、以上でキューバ編を終わります。次回はパナマ編をお届けします!


Energy Club によるヒューストンの旅

2016-10-26 21:58:52 | 課外活動

はじめまして、一年生のCSです。7月末からデューク大学に通い、早3ヶ月が過ぎようとしています。

私は私費留学生としてFuquaに来ていますが、入学早々すでに就職活動が始まっています。通常日本人留学生の場合は、就労ビザを援助してくれるアメリカ企業を探す、または日本企業/日本に支店を置く外資系企業をターゲットに活動を行いますが、私は日米の二重国籍で米国での就労に問題がないため、卒業後もアメリカに残るも日本に帰るも選択肢としてあるので非常にラッキーです。

今回はアメリカでの就職活動の一環であるWeek-in-Cities についてお話ししたいと思います。

■Week-in-Cities とは

Week-in-Cities(WIC)は学校の休みを利用して1週間程度他都市に行って就活を行う旅行のことを言います。8月にデューク大学に入学して、全員必修である夏のGlobal Instituteから始まり、Fall 1でコア授業を受け、同時進行でリクルーティング活動をするという休みなき戦いが10月中旬のテストを境に一瞬だけ落ち着きます。約10日間の秋休みが始まるのですが、学生はこの休みを利用してデューク大学ビジネススクールの各クラブが主催するWICに参加します。これは学生がアメリカ各地に企業訪問をしに飛び立つもので、企業とのネットワーキングを主とした旅行です。例えば、テック志望の学生はサンフランシスコとシアトルに行き、グーグル、アップル、アマゾン等などを訪問します。コンサル志望の場合は、ダラス、アトランタ、シカゴ、ワシントンDC等、デュークが強いとされる地域を訪問しているようです。その他にも投資銀行やマーケティング、ソーシャルインパクト関連、ヘルスケア等々、自分の興味にあったところに登録をして行っているようです。また、WICの時期もずれていたりするので、最大で2種類のWICに参加できます。例えば、前半テックに行きそのあとシカゴでコンサル用のWICに参加する、など。

■Energy Club によるヒューストンの旅

さて今回は、私が参加したEnergy Clubによるヒューストンの旅をご紹介したいと思います。エネルギーに携わる方ならご存知かと思いますが、エネルギーの業界にとってヒューストンはメッカであり、テックにとってのシリコンバレーのようなところです。All roads lead to Houston.(全ての道はヒューストンに通ず)という言葉があるぐらい、海外のエネルギー企業も本社以上に巨大なオフィスをヒューストンに構えています。ちなみにヒューストンは全米で4番目に大きな都市なのですが、家賃がダーラムやチャペルヒルよりも安いという非常に魅力溢れる都市です。元々テクノロジー出身の私ですが、デューク大学が非常にエネルギーに強いということや、エネルギー業界のスケールの大きさに惹かれEnergy ClubのCabinet Memberになり今回のヒューストンWICを計画してリードする機会を手に入れました 。うまくいったかどうかは参加したメンバーに聞かないとわかりませんが、Organizerとしての視点からいくつかお話ししたいと思います。

■WICの規模

まず、どのくらいの規模感かというところですが、ヒューストンWICに参加したのは私を含め12人です。テックやコンサル等で大所になると50人とかになるようです。このように10人程度の小規模であれば企業訪問の際にかなり自分を売り込めるチャンスになり、実際に今回のヒューストンWICも非常に有効な就活の場となりました。数が多いとほぼただの旅行化するようですが、それはそれで非常に楽しいようです。つまり、小規模のWICは役には経ちますが毎回の企業訪問で気が抜けないので楽しむというより毎日非常に疲れます。

ヒューストンWICに参加したメンバーのほとんどがOil&Gasのバックグランドを持った人たちで、中にはチリでエネルギー業界のInvestment Bankerをやっていた人間から、メキシコのアクセンチュアで働いていて国からの支援でデュークに来た官僚、炭鉱エンジニア、化学エンジニア、等々業種は様々です。エネルギーのバックグランドがないのは私くらいでした。そんな私にこんな重要な就活旅行の指揮をとらせてくれるのですから、アメリカの寛大さに感銘を受けます。

■訪問した企業

そして、今回訪問した企業の種類ですが、事前に参加候補者にアンケートをとって訪問したい企業をリストアップしました。スーパーメジャーと呼ばれるExxonMobil、Chevron、Shellはもちろん、テック寄りのGE(Oil & Gasの本部がヒューストンにあります)、クリーンテック関連のNextEra、あとはコンサルや投資銀行もヒューストンオフィスはほぼエネルギーなので、マッキンゼー、ベイン、モルガン・スタンレーといった感じで、3日間、1日3社ペースで訪問をしました。我々とは別にエネルギー関連の投資銀行にしか興味がないという生徒もいて、そういった人達はニューヨークのWICには参加せず独自にスケジュールを組んで個別にヒューストンにある投資銀行へコンタクトしてました。その人たちは既にこの段階で面接を受けていたようです。また、今回企業にコンタクトしていて一番印象深かったのが一社も断られることが無かった、いう点です。過去の先輩方の実績もあるのでしょうが、デュークMBAの力を痛感した瞬間でもありました。 

■WICのスケジュール

今回のWICのスケジュールとしては、Fall 1の期末試験が終わり、その次の朝にヒューストンに向けて出発。2時間程度でヒューストンに到着し、メンバーの友人にヒュースト観光ツアーをしてもらい、午後にホテルにチェックイン。ヒューストンに家を持つデューク大学の仲間宅でBBQパーティ。そして、その次の日の朝から訪問開始。午前はマッキンゼー、午後はモルガン・スタンレー、エクソンモービルといった感じで回ります。ほとんどの会社が30分〜1時間をかけて会社の説明や夏のインターンシップの説明を細かく話してくれます。その後1時間くらいのQ&Aの時間を設けてくれます。Energy Clubの連中だけあって、会社のことよりも、現在の石油の価格や、IoTと天然ガスの関連性についてなどの質問が多く、質問自体も止むことはまずありませんでした。

その後は会社内のツアーがあったりなかったりですが、エクソンモービルに関しては、会社説明の後、天然ガスの探鉱に使われる3Dテクノロジーの体験や、息をのむほど巨大で美しいキャンパスのツアーをして頂きました。

■まとめ

このようなWICは、純粋に参加することだけでも非常に意味があり楽しいものですが 、Energy Club のCabinet MemberとしてWICを計画する立場は、就活には非常に有利だと感じました。というのも、直接企業のリクルーターやマネージャー陣と事前からやり取りができるので、非常に濃いネットワーキングができるからです。ただ、学校の期間中に勉強、リクルーティング、ソーシャルライフに加えWICのために時間を費やす必要があり、特に期末試験のタイミングに重なることから、なかなか精神的かつ体力的には鍛えられました。それでも計画する側としても参加する側としてもやった価値は十分にあったかと思います。ただの旅行としても、リクルーティングイベントとしても非常に楽しく、かなり充実できた期間となりました。


Campout初体験!

2016-10-01 22:13:56 | 課外活動

はじめまして、1年生のYです。6月末にDurhamに引越し、あっという間に3か月が過ぎました。9月からはいよいよFall1が始まり、統計、ミクロ経済、会計、リーダーシップ、という4つの必修授業の予習と課題に毎日追われている状態です。8月のGlobal Instituteという3週間のプログラムでは「組織のあり方」「世界の貧富の差の原因」といった壮大なテーマを扱っていただけに、今月からは打って変わっていよいよMBA必修のプログラムを勉強している、という実感が強く湧いております。世界中から集まった同級生達に刺激を受けながら、毎日を全力で乗り切っております。

さて今回のテーマはDuke大学院生の秋の伝統イベント、Campoutです。Duke大学はバスケットボールの強豪校として有名なのですが、その年間チケットを約$300で購入できる権利をかけて学校の駐車場で36時間キャンプをする、というのがCampoutです。さらに、その36時間の中で、20回以上の“チェックイン”の時間がランダムに設けられており、参加者は合図の笛が鳴る度にキャンプサイトに隣接する窓口に全員集合し、リストバンドのバーコードを読み取ってもらわなければなりません。チェックインを逃すごとに最終的な当選確率が下がってゆき、8割以上チェックインできた人のみに当選参加資格が与えられます。文字だけですと非常に意味が分かりにくいイベントですので、ここからは写真と私の実体験でお伝えしたいと思います。

9月16日(金)夜21:00、いよいよCampoutが始まりました。私はセクション(クラス)のメンバー25人程度で参加していたので、授業が17:00過ぎに終わり、参加者用のリストバンドをゲットし、クラスメイトと協力しながらテントを3つほど組み立て、一旦帰宅してシャワーを浴び、再び会場に戻って開始を迎えました。写真のように、初日夜は皆有り余るエネルギーで飲んで話して踊って・・キャンピングカーや軽トラックを借りているグループの周辺は大変盛り上がっていました。もちろん1時間に1回ほど笛が鳴る度にコップを置いてチェックインのために窓口まで走るのは忘れません。結局初日はAM3:00まで笛の呼び出しは続きました。

9月17日(土)、朝6:30に初回の笛が鳴り、寝ていてドロップアウトした人も沢山いたようです。こちらはテントサイトの様子です。所狭しとテントが立ち並んでいます。

日中はテントで寝る人、座って話す人、課題に取り組む人、飲む人(!)等、皆思い思いの過ごし方をしながら笛を待ちます。近くで子供向けのイベントも開催されており、参加者の家族も合流して楽しんでいました。

日中もチェックインは続きます。前方に窓口が見えます。

日本人チームは1,2年生共同で焼きそばを作り、近くの参加者に振舞いました。私のセクションでは、アメリカ人がSmokerという巨大な調理マシンで豚肉の塊を16時間燻してくれたため、皆で特製ハンバーガーを堪能しました。もちろんこの日もAM3:00までは皆眠れませんでした。日中寝ていた私もAM1:00頃にはまた眠気の限界がきており、椅子に座ってうとうとしながら笛を待っていました。驚かされたのはラテン系の人達のエネルギーで、初日も2日目も夜遅くまで大音量の音楽に乗って踊り歌い続けていました。

そして、9月18日(日)朝。後片付けの後はいよいよ結果発表です。最後まで参加できても、抽選に当たらないと年間チケット購入の権利は手に入りません。全てのチェックインに駆けつけ、当選確率が最高の6倍まで高まっていた私は・・・落選してしまいました。。。結局日本人は4人中2人、セクションでも参加者全体の半数程度がチケットを獲得していました。

「なぜ当たるかも分からないバスケのチケットのためにそこまでするのか」、入学前にはそのような思いも少しはありました。でも、実際にCampoutに参加して、眠さや疲れを共有しながらクラスメイトと色々なことを話したり、狭いテントで一緒に寝起きしたり、協力してテントを建てたり料理を作ったりする中で、学生同士の絆が自然に強まっていくのを実感しました。実際にクラスで気軽に話ができる友人も増え、一層学校生活が楽しく充実したものになったのを感じています。学業にも課外活動にも一生懸命なFuquaの文化に惹かれて入学し、早速その一面を味わうことができた2泊3日でした。(翌週は皆Campoutのダメージが残っていたようでひーひー言っておりました^^;)


Fuqua JAPAN BBQ Party!

2016-09-10 19:09:11 | Life

 

はじめまして。1年生のSIです。Fuquaに来て早2か月、ISB、GIという2つのカリキュラムを終え、振り返る間もなくどんどん前に進んできた、という感じですが、日々自身の成長を実感しております。どんな学び、成長があったんだ、と気になる方もおられるでしょうが、自分自身もう少し振り返る時間が必要ということで今回はご容赦いただいて、もう少し柔らかい話として、先日行ったFuqua BBQ Partyについてポストします。

 Fuqua1年生のカリキュラムはおおざっぱに7月にISB、8月にGI、があり、9月からFall1が始まる、という流れになっています。各Termの間には1週間の休みがあり、GIとFall1の間にちょうど2年生が夏休みやインターンを終え、Fall1に向け帰ってきますので、そのタイミングでFuqua在校生全体とその家族でBBQをしました。

 こちらでのBBQがどんなものかイメージいただくため、まず住環境について簡単に説明します。基本的に学生はComplexと呼ばれる集合住宅の一部屋を借りて住み、学校までは車あるいはバイク、自転車で通うという形が一般的です。Complexには共用設備が充実しており、ほとんどの場合素敵なプールやジム、ちょっとした公園、ドッグランなどがついています。Complexの入り口にはゲート等もあり、安全面もまったく問題ありません。部屋の広さと充実の共用設備は、こちらに来て私がもっとも感動したことの1つです(日本のわが家を思うと、、、あぁ。。。)。

 BBQピットも共用設備の一部で、どのComplexにも必ずついています。BBQパーティはこちらではとても一般的で、Fuqua内でも数多く企画され、そこでいろいろな人たちと知り合うことができます。今回は日本人だけということで、日本人が多く住むGarret WestというComplexにそれぞれがスーパー等で食材を持ち寄り、思う存分焼く、という形で進めました。ちなみに、スーパーもWalmartからWholefoodsまで様々な価格帯のスーパーが車で5-10分以内にあり、日本食材もアジア系スーパーで簡単に手に入ります。思ったより田舎じゃない、というのが良い意味で驚きでした。

 当日は1年生が5人、2年生が4人、交換留学生が1人、さらに各学生の家族が参加し、全体で約20名が集まる大規模なパーティになりました。子供もたくさんいて、非常になごやかなムードですごすことができました。他校から来られた交換留学生の方曰く、「Fuquaは縦のつながりも横のつながりも深く、代々培われてきたノウハウがきちんと受け継がれているのがすごい」とおっしゃっていましたが、確かに、そのあたりが就職にも強い理由なのかもしれません。私のように本格的な海外生活が初めての人間にとっても、こういったつながりは本当に助かります。その考えは日本人同士だけでなくTeam Fuqua全体に根付いており、様々な国籍の人たちと深いつながりがもてることがこの学校のすばらしさだと感じています。


GATE Cuba/Panama 体験記 (2/4) – 授業と旅程その1-ワシントンD.C.

2016-06-15 05:58:00 | 課外活動

 

今回は、GATE Cuba/Panama体験記の2回目をお送りします。
 早速ですが、GATEでは1タームかけてその国のことを学んだ上で、休暇中に現地を訪問します。では、どうやって「学ぶ」かと言えば、教授ごとにスタイルが異なりますが、Cuba/Panamaでは、教授が紹介する記事等のリーディング、ゲストスピーカーの講演、及び学生一人一人のプレゼンテーションとペーパー提出を通じて知識を深めました。Cuba/Panama及びBrazilはAmbassador Patrick Duddy氏が教授を務めています。彼はその名のとおり外交官・大使であり、パナマ・ブラジル・ベネズエラ等に調査官・大使として赴任した経験のある、人脈・経験ともに豊富な実務家です。また、65歳という年齢にもかかわらずとても情熱的で、人間としての魅力にあふれています。(最近では危機にあるベネズエラの状況について、メディアから取材を受けてもいます:http://www.foxbusiness.com/features/2016/05/25/amb-duddy-situation-in-venezuela-is-unraveling-before-our-eyes.html)
 そんな彼のおかげで、授業はとても濃い内容になりました。まず、全6回しかない授業にもかかわらず、ゲストスピーカーが6人訪れました(一回に2人訪れた回も)。またそのバックグラウンドも様々で、テレビ番組の取材のため最近キューバの首都ハバナを訪れたキューバ系アメリカ人や、キューバにてトラクターの製造業を立ち上げた起業家、また世界銀行系列の投資会社にてラテン・アメリカに対する投資戦略を検討しているマネージャー等、多岐にわたりました。彼らはもちろん彼ら自身の目線でキューバ・パナマを捉え、その現状や見通しについて話をしてくれましたので、それだけでも経済・外交・政治・歴史が複雑に絡み合う構造の一端に触れることができました。私個人としては、テレビレポーターの方が言っていた「キューバにいる間は常に監視されていた。監視されているのは(レポーターである)私だけではなく、市民もそうだった」という点が、正直に言うと想像が及ばず、特に記憶に残っていました(実際に現地に入ってから、この点は腹落ちします。これも後述します)。
 また、学生自身も実際にテーマを決めて調べることで、それぞれに理解を深めました。全員がそれをプレゼンテーションの形でクラスにて共有しましたので、幅広い分野についての知識を得ることができました。以下に一例を紹介します。
<キューバ>
●キューバ革命
●移民の状況と米国の対キューバ移民政策
●インターネットの普及状況
●自動車
●食文化
<パナマ>
●パナマ運河拡張計画
●パナマにおけるcorruption(汚職、賄賂)の状況
●FDI(Foreign Direct Investment: 外国直接投資)
 私自身もパナマ運河拡張計画について情報収集・プレゼンテーションを行いました。ご存知の通りパナマ運河は太平洋と大西洋をつなぐ物流上の要衝ですが、建造から100年以上が経過しています。その結果、拡大の一途をたどる輸送船の規模や運河通過の需要に対して、運河のサイズ・キャパシティが追いついておらず、その拡張が急務となっています。産業の多くを運河に頼る同国にとって、その拡張は国家の一大プロジェクトであり、今後の発展においても鍵となるでしょう。
 さて、これらを経て実際に現地に向かいます!最初に、旅程は以下のようになりました。
 5月6日:ワシントンD.C.
 5月7日〜13日:キューバ(ハバナ、バラデロ)
 5月14日〜18日:パナマ(パナマシティ) 
 これから、それぞれの日程で何をしたか、どういったことを学んだかについて詳述していきます(やっとですが、今しばらくお付き合いください笑)。
 D.C.では、在米パナマ大使館勤務の経済調査官、米国国務省でのキューバ担当者、米国商工会議所の中南米担当者からお話を聞きました。講義においては「アメリカから見たキューバ・パナマ」の観点に偏りがちでしたが、今回パナマ大使館勤務の調査官から話を伺ったことで、「パナマ人から見たパナマの将来見通し」の観点が増えました。やはり後者の方が楽観的に思えたことが印象的でした(立場上ということもありますが、やはり気質も関係しているのでしょうか…?)。また、国務省担当者からは、米国・キューバの国交及び禁輸の解除について、改めてそれらの手続き的違い(外交は大統領の裁量だが、禁輸は法によるものなのでその撤廃には議会の承認が必要)、大統領が交代した後での見通しを伺えたことはとても貴重でした。
 また、D.C.においては自由時間もありましたので、各々お互いに交流を深めました。私はインド人同級生と市内散策に出かけ、歩きながらお互いの価値観や将来についてゆっくり話す時間を持てたことがとても有意義でした。彼はグループの公式なリーダーではないながらも、折々に自然にリーダーシップを発揮していました。そのコミュニケーション力・グループをまとめる力については、尊敬すると同時に真似したいと思えるものであり、そういった友人と出会えたことは、このGATEでの財産の一つとなりました。
次回はキューバ編をお送りします!


GATE Cuba/Panama 体験記 (1/4) – GATEの価値とは?

2016-05-25 19:14:59 | 課外活動

こんにちは、Class of 2017のKNです。

今回は、先日参加してきましたGATE Cuba/Panamaについての体験記をお送りします。4回にわたる大作になる予定になっていますが、それだけ濃い経験となりました。第1回は実際の講義内容や旅行に入る前に、先に「GATEで何を得たか?」ということについて書きます。

まずは簡単に「GATEとは何ぞや?」ということですが、Global Academic Travel Experienceの略で、1タームかけて対象国について学び、その後のbreakにて2週間ほどかけて同国を旅行するプログラムです。行き先は年により多少異なりますが、本年度はブラジル(Spring1)、南アフリカ(Spring1, 2)、中国(Spring2)、キューバ・パナマ(Spring2)が開講されました。今回、私は20数名ほどの同級生、教授とともにキューバ・パナマを訪問いたしました。

このプログラムに対してよくある意見として、「旅行なら自分で行く。どうして高いお金を払って学校のプログラムで行かないといけないのか?」(実際に参加費は少し割高です)というものがあります。実際に、私も入学前には「単なる旅行であり、主体的にリーダーシップを伸ばすようなプログラムではない」との考えから、そこまでの興味を持っていませんでした。しかしながら、今回の参加を通じての学びがとても多く、GATEの価値をもっと伝えたいとの思いから本稿を書くことにしました。

GATE、またFuquaのMBAにおける究極的な目標は、「グローバルに通用するリーダーを育てる」ことです。今回の参加を通じて私自身が感じたGATEの価値は、以下の三点に集約されます。

  1. 国を知る
  2. 友人を知る
  3. 自分を知る

1. 国を知る

 Fuquaの卒業生には、将来的にグローバルに活躍することが期待されています。もしかすると「どの国で働くか」ということは選べない場合も出てくるかもしれません。もし文化や宗教が大きく異なる国で働くことを考えると、言わずもがな、現地の顧客・上司・部下がどういった価値観のもとに生活を営み、働いているのかということを抜きにして成果を上げることは難しいでしょう。そういった際に、経済・歴史・外交・政治・文化などを通じて、多面的にその国のことを理解する姿勢が求められます。もちろんGATEで訪れた国が将来のビジネスの舞台になれば、知識・経験を最大限に活かすことができます。ただ、今回私がキューバ・パナマの訪問を通じて得たものは、その国でしか通用しない性質のものではなく、もっと汎用性の高いものだと思っています。それは、「全く知らなかった国をゼロから知っていくプロセスとそこで必要になる姿勢」です。具体的には、歴史の重要性、虚心坦懐に相手の話を聞く姿勢、相手の視点に立つ想像力です。これについては、次稿以降で講義と旅程をたどっていく際に折々に触れることとします。

2. 友人を知る

 Fuquaはteam-based assignmentが多いため、多くの同級生とグループワークを通じて相手のことを知る機会があります。とは言いつつも、普段は皆様々な活動で忙しく、じっくりと話をする機会はなかなか取れなかったり、意識しなければ新しい友人とそういった機会を持つことは難しかったりというのも実情です。

 しかしながら、旅行中は今まで知らなかった友人たちと1日の多くの時間を過ごします。文字通り同じ釜の飯を食いながら、友人たちと議論をしたり、過去の経験について話を聞いたり、一緒に飲みに行ったりして、相手のことを理解し、新たな関係を築くことができます。また、リーダーシップの観点でも、リーダー(GATEには学生側のリーダーが2人います)がどうグループをまとめていくか、またそのリーダーをどうサポートするか、どうイベントを提案していくか、といったことからリーダーシップを発揮する/触れる機会に恵まれます。私自身、この旅行を通じて、これから関係を深めていきたい、又リーダーシップのお手本としたい友人を見つけることができたことは、大きな収穫でした。

3. 自分を知る

 人は自分と大きく異なる集団に属したり、価値観の違う文化に触れたりすることで、改めて自身の考え方や性格を知っていくことができると思います。その意味で、Fuquaに来るまで日本以外に住んだことのなかった私は、アメリカかつFuquaという環境から、改めて自分のことを見つめ直す機会をもらっています。

 さらに、今回のGATEにおいて、特にキューバという日本ともアメリカとも社会構造を大きく異にする国を訪問し、彼らの社会の一端に触れ、他の友人ともそれを題材に話をすることで、改めて自身が持つ興味・関心、価値観について知りました。それと同時に、自分の思考の癖、自分がこれまで持っていなかった視点についても自覚することができました。例えば、それは日本という国が持つ構造であったり、私自身の経済学部・会計士といったバックグラウンドから来るものであったりします(これらについても折に触れ後述します)。これらの気づきが、残りのMBA生活、又将来の人生において、どういった知識・経験を得たいか改めて考える材料となっています。

 さて、第1回から長くなりましたが、次回は「講義では何を学ぶのか?」と行程の概略、序盤のワシントンD.C.滞在についてお話ししたいと思います。

<予定>

第2回 講義内容、行程とワシントンD.C.滞在

第3回 キューバ

第4回 パナマ


Distinguished Speaker

2016-05-14 22:48:30 | その他
 

初めまして、FYのSU です。 

先日、Distinguished Speaker として元FRB総長のバーナンキ氏がFuqua に来ました。

Fuqua には様々な業界のリーダーシップポジションの方が来て、実体験や教訓などを私たち生徒に話してくれます。その中でも、Distinguished Speakerとはその名の通り“大物”スピーカーを指し、年を通して4人の大物リーダーが講演者として招かれます。そして、今年のDistinguished Speaker Series  大取りはバーナンキ元FRB議長でした。

もともとトレーディングフロアで彼の発言のヘッドラインを一字一句舐めるようにフォローしていた身からすると、生バーナンキの講演が聞ける事にミーハー心が動かされました。

講演チケットも瞬く間に売り切れ、運良くチケットが手に入った私。いつもになく厳重体制で、講演中は携帯電話の使用禁止、レコーディングもなし。

そんな中、奥様と一緒に会場に現れたバーナンキ元議長。パブリックになっている講演よりも和やかな雰囲気と感じました。Financial Crisis の事について色々と詰められても落ち着いて話す様子は、FRB政策金利発表後の記者会見での姿を思い出させられました。

特に驚く様な発言は出ませんでしたが(出ても書けないか :p)貴重な体験をさせてもらいました。

この様に世の中を引っ張るリーダー達の話を直接聞けるのは大変刺激になります。そして、私が驚いたのがこの様なスピーカーを引っ張ってくるのも学生なのです。Student-led   Culture なFuqua では学校のほぼ全ての行事を学生が企画、そして実行します。もちろん学校は十分なサポートはしてくれるものの、学生が行動しなければ実現しません。言葉を変えると行動さえすれば、周りの学生や学校のサポートが得られるということです。こういう行動力もTeam Fuqua に繋がっているのだなと感心させられる、今日この頃。その話はまた機会があればゆっくりと書きますね。

あっという間の一年が終了。8月末まで夏休みとなるので、また次回は2年生としてお送りします~! 


FCCP体験記 - Social Entrepreneurship関連のコンサルプロジェクトを通したアフリカ訪問

2016-04-14 09:49:51 | 課外活動

はじめての投稿になります、1年生のJです。FCCP(Fuqua Client Consulting Practicum)は春学期に行われるコンサルティングを経験するためのプログラムです。授業を通して、仮説思考やプロジェクトマネジメント、クライアントとのコミュニケーションなどコンサルの基礎をプロ講師から学びつつ、実際に5~6人のチームを組み、半年間かけてクライアントの問題解決に取り組みます。クライアントは国、セクター、規模など様々です。私はSocial Entrepreneur 系のプロジェクトを選び、アメリカ人2人、ブラジル人2人、日本人1人の計5人チームで、ウガンダでヘルスケア関連のサービスを提供している小規模な非営利組織のコンサルティングに取り組んでいます。春休みには2週間かけて現地訪問してきました。

ウガンダはもちろん、アフリカに訪問するのも今回が初めてでした。危険だという先入観からかなり身構えて行ったのですが、ウガンダはとても安全な国でした。人々は穏やかで、どこか控えめです。こちらから現地語で話しかけたり、友人に紹介してもらったりして一旦打ち解けると、人懐っこくさえなります。身の危険を感じることは一回もありませんでした。またウガンダは比較的雨も多く、ビクトリア湖やナイル川もあることから緑に溢れた豊かな土地です。さらに南西部には、世界でたった2カ所しかないという野生のマウンテンゴリラが見られるBwindi国立公園があります(間近で見てきました!)。食事も穀物中心かつスパイスも強くないので日本人の口に合いました。アフリカでしか手に入らないコカ・コーラ社の製品、Stoneyというジンジャーエールはとても美味しかったです!

そんな素晴らしい環境のウガンダですが、一人当たりGDPは500ドル程度と、世界中で最も貧しい国の一つです。貧困率は25%、地方に限れば61%です。その結果、まともな医療が受けられない人も多く、乳児死亡率は7%と高く、平均寿命は53歳と短いです。HIV感染率も7%と、世界で10番目に高いです。実際にKampalaやMasakaなど、ウガンダの様々な都市にある医療クリニックを訪問しましたが、錆びかけたメスや、期限切れの薬が並ぶ棚、電球のない手術室などの他、手洗いや滅菌などの初歩的な衛生管理への意識がないクリニックさえありました。こうした現状を目の当たりにし、自分の置かれた環境が如何に恵まれているかを再認識すると共に、世界に対し何か自分に出来ることは無いかと考えさせされました。

守秘義務の関係からプロジェクトの詳細は書けませんが、ウガンダ訪問を通した学びや気づき、感じたことなど、五月雨式にいくつか書きたいと思います。

1.  ビジネス環境・・・首都Kampalaの人口は約160万人です。急速に都市化が進んだ結果、道路インフラが追いついておらず市内は常に大渋滞です。停電もしばしば起こるなど、社会インフラはまだまだ弱いと言わざるを得ません。また、つい先日の大統領選では与党の選挙不正を訴えた野党候補が身柄拘束されるなど政治の不透明さも指摘されています。一方で、現地で出会ったウガンダの人々は、総じて素朴で真面目でした。派手さはありませんし、ゆっくりとしたペースではありますが、コツコツと仕事をする姿勢には安心感を得ました。経済発展を続けるアフリカとビジネスをする機会はより身近になってくると思います。その意味においても、アフリカの抱える課題と可能性を肌で感じることが出来たのはとてもいい経験でした。

2.  イノベーション・・・アフリカではとても速いスピードで、画期的なイノベーションが次々に生まれています。例えばアフリカはモバイルペイメントが世界の中で最も普及している地域であり、人々は個人資産を銀行からモバイル企業へ移管しつつあるほどです。こうした爆発的な普及の背景には、銀行といった既存インフラが無かった、または機能していなかったことがあると思います(預金者は利子を得るどころか多額の口座維持手数料を払わなくてはいけません)。アフリカで起こっているイノベーションの例を挙げれば枚挙に暇がありませんが、既存システムによる制約が少なく、社会的課題が多いことが、アフリカでイノベーションが生まれやすい構造的な理由なのだと思いました。イノベーションについてアフリカから学べることは多そうです。

3.  経営者の視点・・・クライアントはたった10人からなる小規模な組織です。その中でトップの人は若干30歳と若く、自分たちとあまり歳が変わらないにも関わらず、経営者として、資金調達から、市場調査、競合分析、ポジショニング、マーケティング、ブランディング、コストカット、効率性向上、サービス改善、新サービス開発、信用力獲得、人材採用、人材育成、リストラ、業務アウトソース、規制対応、成長戦略、長期戦略まで、様々な問題に対し最前線で奮闘していました。このように様々な経営課題が論点として挙がりましたが、これまでにMBAで習ったフレームワークが次々に頭に浮かび、議論を深掘りすることが出来ました。また夜にはチームミーティングを重ねました。表面上のチームワークに留まらず、時にお互いを刺激し合い個の力を最大化させ、また多様性を最大限に活かすなど、これまで学び身に付けてきたTeam Fuquaならではのチームワークを活かすことで翌日への良い準備ができたと思います。こうしたことからクライアントは私たちのことを本当に信頼してくれて、全てさらけ出して相談してくれました。現地訪問はたった2週間でしたが、企業経営の酸いも甘いも身近に感じさせてもらうことが出来、コンサルティングを経験するという意味においても、ためになるプログラムでした。

4.  ビジネスの力・・・先ほど衛生管理がなされていないクリニックの例を紹介しましたが、手洗いのような簡単なことを徹底するだけで感染症のリスクは減り、多くの命を救うことができます。今回のウガンダ滞在を通して、ビジネスの世界も同じであると感じました。例えば、簡単な会計仕分けや記帳が徹底していないことから現金が紛失しても気付けないクリニックが多くありましたが、その解決のためには高度な知識が必要なわけではありません。ほんの少しの改善で経営は良くなりえます。手洗いで救える命があるように、ほんの少しのビジネスの力で多くの非営利企業や新興国企業の手助けができるのだと思いました。このようにMBAの力を必要としている組織は世界中に沢山あるのだと思います。Social Entrepreneurshipに興味を持つMBA学生は年々増えていると言われていますが、かくいう私もその一人です。今回の経験を通じて、ビジネスの力をどのように活用できるのかについて、少しだけですがヒントが見えたような気がします。

最後になりますが、ウガンダでの2週間は最高に楽しかったです!!濃い時間を共に過ごしたチームメートはかけがえのない友人です。チームメートは皆、Social Entrepreneurshipや国際開発など、似たような志を持っています。このFriendshipが将来どのように発展していくか、今から楽しみでなりません。

 


Marketing Strategy

2016-04-10 02:18:59 | 授業紹介

こんにちは、一年生のKNです。

今回は、普段の授業から一つケースをご紹介します。と言いますのも、何かとGATEやFCCPなどプロジェクトもののプログラムが関心に登りますが、学校生活の大部分を占めるのはもちろん通常の授業です。充実したGeneral Management科目の一端と、授業の雰囲気を少しでも皆様に感じてほしいと考えたためです。

さて、今回は選択科目であるMarketing Strategy(Spring2, Christine Moorman教授)を取り上げます。

扱う内容は、科目名の通り「戦術的」なマーケティングの手法よりも、企業の置かれている立場をビジネスモデルから俯瞰し、マーケティングを切り口としていかに企業戦略を考えるか、という点に重きが置かれています。

先日は、アメリカにおけるある小売業において、「いかにMillennialの来店、又はウェブサイトへのアクセスを増やすか」というお題が与えられました。Millennialというのは1980~2000年ごろに生まれた、幼い頃からインターネットに親しみのある世代を指します。

このケースでは、以下のようないくつかの特徴がありました。

1. ケースが現在進行形の課題を取り上げている

 通常、ケースというと過去に実際にあった意思決定に焦点を当て、その妥当性の検討を行いながら知識の獲得・運用を行うものが多数です。しかしながら、今回のケースは実際にその企業から最新の情報が提供され、与えられた課題も現在直面しているものです。そのため、明確な答えがないのはもちろんのこと、結果すら明らかではありません。ケースの分析や解説は、ともすると単なる結果論にもなりかねませんが、今回は小売業という身近な企業のon-goingな課題ということで、他のケースよりも「手触り感」を持って取り組むことができました。

2. ケースに対するアプローチの仕方がユニーク

 次なる特徴として、ケースに対するアプローチも今回は変わっていました。通常、ケースでは全員が同じ情報を持っていることを担保するため、与えられた情報以外にアクセスすることは基本的に許されていません。他方で、今回は「ネット検索による情報収集」「実際のMillennialへのインタビュー」「店舗訪問」が許されるどころか奨励され、そういった生の情報を元に課題に取り組むこととなりました。さらには、集めた情報を昇華させ、実際の解決策を編み出す方法を学ぶため、デザイン・コンサルティングのIDEOのディレクターを授業に招聘し、直にそういった課題解決の手法を学びました。

これら、情報収集・IDEOとのセッション・解決策の立案もすべてチームでのディスカッションとして取り組んでいます。最近注目されることの多いデザイン・シンキングについて、その手法を現役のコンサルタントから学べたことは、(もちろん再現できるかということはありますが)貴重な経験でした。

3. 成果物は対象企業へのプレゼンテーション

 最後は、取り組んだ課題に対する解決策をスライドにまとめて提出しますが、指定されたチームは授業でプレゼンテーションを行いました。そこには、題材となった小売業のマネジメントがスカイプで参加をし、実際のプレゼンテーションを聞いた上でフィードバックや質問をしてくれました。和やかな雰囲気ながらも、相手は実際にその課題に取り組んでいる張本人。提案された解決策の実行方法や実効性について、的確な質問が飛ぶ場面もありました。単なる意思決定の後追いだけに留まらない、ダイナミックな経験をこの授業を通じて得られたように思います。

 私自身の学びとしては、正直なところMillennialの中でもどういった層が当該小売業に興味があるか、どんな競合他社がいるのか直観的につかめなかったところがあり、議論でもかなり苦戦しました。他方で、様々なリサーチや分析を通じて、日本とアメリカの違いはあっても、ネットに親しみのある若者の消費行動は両国で似通っていることが見てとれました。今回の議論やアプローチは今後の私自身のキャリアにおいても、振り返って活かすことができるように感じています。


GATE South Africaの体験談

2016-04-05 09:27:07 | 課外活動

はじめての投稿になります,1年生のYMです。

GATE(Global Academic Travel Experience)は、1ターム分の授業と約2週間の現地訪問がセットになっている選択科目で、ビジネス、文化、歴史、経済など幅広い側面からその国について学ぶことが目的です。事前の授業では、担当教授による講義を受けながら、チームで特定のテーマについてリサーチを行います。今年はブラジル、南アフリカ、中国、キューバ&パナマと4つのGATEがあり、私は南アフリカのGATEに参加してきましたが、とても学びの多い2週間となりました。南アフリカの専門家である担当教授も同行する中、様々な企業や非営利団体を訪問することができ、普通の旅行では得ることのできない体験ができました。全ては書ききれませんが、振り返りも兼ねて内容をまとめました。

(1)    ケープタウン (1日目~4日目)

ケープタウンは、テーブルマウンテンと呼ばれる独特の形状をした山と、海の間に位置する街で、空港からバスで向かうに連れて見えてくるその美しい景色は圧巻でした。観光客も非常に多く、喜望峰やケーブルマウンテンを初めとする壮大な自然、近郊に位置する数多くのワイナリー、とても美味しい(そして安い)食事など、その理由も納得です。クラスメイトと観光をする時間も十分にありました。また、アパルトヘイト下で政治犯が収容されていた監獄も訪問して元受刑者の話も聞きましたが、事前の授業で学んだアパルトヘイト時代の統治についてより実感を持って理解することができました。

ビジネスビジットとしては、Pick n Payという南アフリカ最大のスーパーマーケットチェーンを運営する会社への訪問が印象に残っています。現在役員を務めている女性の方が、アパルトヘイト時代の事業運営、ウォルマートの参入への対処の話などについて熱のこもったプレゼンをしてくれました。地域社会への貢献も重要な使命であるということで、南アフリカ国内からの製品の購買量を増やすためにSmall Businessに投資をしたり、農家に対して良い製品を作るためのコンサルティングなども無償で行ったりしており、そのような活動がリーディングカンパニーとしての地位を築いているという話は印象的でした。

(2)    ダーバン (5日目~7日目)

ダーバンはケープタウンとは雰囲気もがらりと変わり、一般的にイメージするアフリカの都市で、ここに来てようやくアフリカにやってきたという気持ちになってきました。世界トップレベルの取り扱い量を誇るダーバン港が有名で、その港を運営する会社にも訪問し、レクチャーを受けるだけでなく、広大な港内も案内してもらいました。また、ダーバンはリゾート地としても有名で、森の中にあるホテルに泊まることができました。朝起きてベランダを見ると猿がいたり、なかなかワイルドな環境でしたが、クラスメイトとお酒を飲みながらプールで遊んだり、とてもリフレッシュできました。

(3)    ピラネスバーグ (8日目~9日目)

ピラネスバーグはヨハネスブルグの北西に位置する地域で、サファリが有名です。我々もサファリに隣接したロッジに宿泊し、早朝など国立公園内をガイドと共に車で走り、野生のライオンやチーターなどを驚くほど間近に見ることができました。これはビジネスビジットの一環でもあり、サファリを運営するマネージャーの話を聞くこともできました。観光客の満足度を高めるための取り組み、動物の管理、サイの密猟者の対策など、興味深い話を聞くことができました。また、毎日クラスメイトと朝から晩まで過ごしているので、この頃になると皆とても仲良くなってきますし、英語でのコミュニケーションにおける学びも数えきれないほど得ることができました。

(4)    ヨハネスブルグ (10日目~14日目)

最後にいよいよ、南アフリカ最大の都市であるヨハネスブルグにやってきました。世界で最も治安の悪い都市の一つであるという話も聞きますが、ホテルのあるエリアはそんなことはなく、高層ビルやブランドショップが立ち並び、経済発展のスピードを感じました。一方、郊外に行けば、雰囲気はがらりと変わります。200万人が住むヨハネスブルク最大のタウンシップ(旧黒人居住区)であるソウェトでは、雨をしのぐのも難しそうなトタン屋根の家が立ち並んでいました。ソウェトの中でも豪邸があったり、地区ごとに貧富の差があるのには驚きました。

ビジネスビジットの一つとして訪れたAfrican Leadership Academyは、今回のGATE全体を通して最も印象に残っています。ここは16~19歳が対象の2年制の全寮制の学校で、将来アフリカのリーダーとなるような人物を育てることを目的としています。アフリカ各地から応募があり、入学率は3%の狭き門ですが、卒業生の多くが欧米の有名大学に奨学金を得て進学します。経営陣のプレゼンテーションの後、スモールグループに分かれて、在校生達が校内を案内してくれたのですが、私はその生徒達に衝撃を受けました。皆驚くほど話が上手く、表面的な校舎案内ではなく、リーダーシップを伸ばすために学校がどのような価値観の元に運営されているのか、体験談を交えながら堂々と笑顔で紹介してくれました。

ボツワナ出身の16歳の女の子は、英語は母語ではないそうなのですが、入学後半年にも関わらずとても上手な英語を話していたので、アメリカ人同級生達が”You are awesome!”としきりに言っていたところ、すごいのは私ではなく、スクールの素晴らしいカリキュラムといつもサポーティブなクラスメイト達のおかげだと謙虚に話していました。また、ケニアから来た17歳の男子生徒にこの学校を選んだ理由を聞いたところ、ダイバーシティ、Speak upを奨励する環境、リーダーシップ育成に重きを置いたカリキュラムの3点で、将来社会に出た時に必ず役に立つからだと言っていました。このままMBAの面接をしても合格しそうです。二人とも卒業後は欧米の大学で学び、その後はアフリカに貢献したいと言っていました。このような生徒達、また発展著しい街並みを見ていると、まだ数多くの問題はありますが、アフリカの将来は明るいなと力強く感じました。


踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら…?

2016-02-18 09:03:07 | Leadership

Class of 2017KNです。突然ですが、もし日本人以外のグループに放り込まれて、何の前触れもなく「これからの質問について、マッドサイエンティストになりきって答えてほしい。どうして地球は誕生したと思う?」と聞かれて、あなたならどう答えるでしょうか? 

一見、ビジネスとは何の脈絡もないような状況ですが、これは私が先日参加した”Managerial Improvisation”(通称”improv”)というクラスでの一風景です。Improvisation、つまり即興劇の体験を通じて、コミュニケーションスキルを高めることが、このクラスの目的です。Winter break中に5日間の集中講座として開講されています。
即興劇の種類は多岐にわたり、先に挙げたような言葉中心のものもあれば、パントマイムやダンスもあります。そのいずれもが、その場の思いつきでお題が与えられます。

私がこのクラスに参加することに決めた最大の理由は、Fuquaに来て「コミュニケーション」に対しての関心が非常に高まったからです。MBAに来る前は、ハードスキルの面、例えばいかに市場の分析を行い戦略立案ができるようになるか、また海外のクライアントに対するコンサルティングを通じてプロジェクトマネジメントの実績を積むか、など比較的わかりやすい成果を求める傾向にあるように思います。私自身もその一人でした。
しかしながら、実際にこちらに来てからの生活では、チームプロジェクトで自分なりの貢献のしかたを見つけること、そもそもどうやって他国の友人たちの輪の中に入っていくかが、とても大きな関心事として迫ってきます。いかに知識が豊富で、頭の中にたくさんアイデアがあったとしても、チームでの議論や普段の会話でそれを表現しなければ、誰もわかってくれません。また、卒業後に自身が成したいことを考えたとき、一人ではそれを達成できそうにない以上、どうやって他のメンバーを引っ張ってまとめていくか、ということが大きく問われます。

実際に、improvでは多くの即興劇を通じて、自身の強み弱み、他のメンバーの良いところを知ることができます。私自身、improvを通じて得た最大のtakeawayは「場数」と「non-verbal communicationに対する意識」です。
一つ目の「場数」は言わずもがな。冒頭に挙げたようなお題を集中的にダイバーシティに富んだメンバーに囲まれて取り組み、最終日には大講堂にてステージの上でパフォーマンスをします。多くの失敗にまみれながらも(特に私は最終日のパフォーマンスが悲惨でした。笑)、最後には「(どんなお題を出されても)どうにかなるかな」という達観したような境地に至りました。結局のところ、「コミュニケーション」は伝えたいことがあるから行うのであり、決して「最初から最後まで完璧な英語を口に出す」ことではありません。当たり前のように聞こえますが、つい完璧主義に陥って表現を手控えるような場面があった私にとって、「失敗したくない」という自分中心の考え方から「このメッセージを理解してほしい、知ってほしい」という受け手中心の考え方を自分の中に取り込める貴重な機会であったと思っています。

二つ目の「non-verbal communication」についても、発信者側ではなく受信者側、受け手がいかに相手の表現を受け取るかについての捉え方が変わりました。本当に同じことを口に出していたとしても、ジェスチャーや声のトーン、大きさといったことは、発言内容以上のものを伝えます。いかに良いことを言っていても、自信なさげであれば全く取り合ってもらえないこともあります。他方で、英語が稚拙だったとしても、鬼気迫るものがあれば周囲は耳を傾けてくれようとするでしょう。これも文章にすると月並みですが、このことが単なる頭での「理解」ではなく、「価値観の変節」のレベルで身についた感覚がある、ということが私にとっては大きな収穫でした。 

ただ、もちろん5日間のクラスだけでコミュニケーションのスキルが上がるほど、簡単なものでもないことも事実です。この文章を書いている今、すでにクラスの修了から3週間程度が経ち、少しずつ「表現することに抵抗がなくなる」あの不思議な感覚から、普段の日常に戻ってきていることに気づきました。このクラスでの学びを最大限にMBAに活かすべく、改めてimprovの感覚を日々のコミュニケーションにも組み込めるよう努めていきたいと思います。

他にもFuquaには、多くのチーム課題や必修クラスであるプレゼンテーションの授業など、コミュニケーション、リーダーシップを高めることができる環境が整っています。改めて、ハードスキルだけではない、MBAの価値に思いを馳せていただければ、大変嬉しく思います。

写真は最終日のパフォーマンスの様子。ステージ上の一人一人に対して、観客から意見を募って「ラジオ局」が割り当てられます(カントリーミュージック、恋愛相談、賛美歌等)。前に座る指揮者に指を差されている間は、そのラジオ局になりきって音楽を流します。私には”beat box”が割り当てられましたが、ボイスパーカッションが上手くできなかったために放送事故のようになりました。。笑

 


Health Sector Managementについて

2015-12-27 22:27:22 | Health Sector Management

こんにちは!1年生のYです。Fuquaが強みを持っているindustryには色々ありますが、その中でも特に際立っているのがヘルスケア分野かと思います。かくいう私もHealth Sector Management(通称HSM、参考1及び2)という医療分野専門のコースがフルタイムMBAの中に設けられていることを決め手にFuquaを選びました。今回はFuquaで得られるHealthcare関係のオポチュニティについて申し上げたいと思います。

近年はヘルスケア分野を強みに掲げるビジネススクールも増えてきている印象があリます。FuquaのHSMはプログラムとしての伝統に加え、フルタイムMBA生のうち2~3割がHSMに所属するという生徒の厚み、そしてそこから生まれるヘルスケア業界の中でのdiversity、すなわち製薬企業・医療機器メーカー出身の人や医療従事者(医師・看護師)などに加え、例えばホワイトハウスでオバマケア法案の起草に携わっていたという政策担当者や、ヘルスケア専門のコンサルティングに従事していた人など様々な人がいます。こうした環境が授業におけるディスカッションの多様性、ひいては質の高さにもつながっていると思います。

もう1つのFuquaにおけるヘルスケア分野の特徴はDuke university Hospital/medical schoolを含めた他学部とのコラボレーションです。Duke medical schoolは全米でもトップクラスの研究機関として有名ですが、medical schoolを始め公共政策大学院(Sanford school)等の学生と一緒に授業を受ける機会(Spring2に開催されるHealthcare policyなど)は勿論の事、他学部の学生と半年間かけてデータ解析やコンサルティングなどに取り組むQuality & Innovation Scholars Program (QISP)というプログラムもあります。私は時間の制約で今年は断念しましたが来年チャレンジしようと思っています。

学生主体のヘルスケアクラブの活動も盛んです。10月後半の秋休みには各都市の企業を訪問するweek in citiesというイベントが開催され、私はサンフランシスコトリップに参加し、GenentechやMckessonといった大企業に加え、Castlight healthなどのスタートアップにも訪問しました。これらの企業に実際に就職しようと考えている学生にとっては貴重なネットワーキングの機会になったようです。余談ですが、同時期にサンフランシスコに加えヘルスケア関係のトリップとしてニューヨーク、ボストン、ロサンゼルス、ナシュビル(ノースカロライナ南部の都市)に訪問するツアーが企画されましたが、こうした選択肢の多さは前述の生徒の厚み・関心の広さのなせるところかなと思います。

また、ヘルスケアクラブのイベントとして11月中旬にAnnual health care conferenceが開催されました。有名企業の重役、ヘルスケア関係のスタートアップのCEOといったメンバーが集い様々なトピックについてパネルディスカッションが行われました。私にとって最も興味深かったのは「医療ビックデータの今後」というトピックです。例えば医療ビックデータの活用として、日本の場合だとレセプトデータをデータベース化しそれを解析することで政策立案に生かすという取り組みが行われています(参考3)。他方で、アメリカのように私的医療保険が中心の場合、各医療機関・保険者が独自にデータを管理しているためデータ量をスケールさせることが難しい、またそれぞれが独自のベンダーを使用しているため各医療機関同士のデータに互換性がないといった問題に直面しているため分析対象となるビッグデータの生成が難しいという話でした。日本の場合は医療保険制度が公的な国民皆保険制度であるが故にレセプトデータを通じて網羅的なデータベースを構築することが可能となっており、そのデータベースが先進国でも稀なものであるということは聞いたことがあったのですが、それが具体的にどういう事なのかがわかった良い機会となりました。

来学期からはFCCP(Fuqua Client Consulting Practicum)(参考4)の一環として、地場にある病院のオペレーション改善に取り組むことになっています。私が選んだ病院以外にも、アフリカにある診療所や大手医療機器メーカーといった様々なクライアント候補がありましたが、自分はプロバイダー(医療サービスの提供者)の視点を得られる良い機会になること、また地場にある病院ということでより密接にクライアントとコミュニケーションが取れることを期待してクライアントをチョイスしました。早速大量のミーティングがセットされ予想以上に大変そうですが(笑)。来学期以降に活動が本格化するため、今から非常に楽しみです。

最後になりますが、出願等を検討されておられる方で何かご疑問等がございましたらfuqua-japan_ANTISPAM_googlegroups.com(_ANTISPAM_を@に変換)までご連絡ください。


【写真】Genentechを訪れた際に参加メンバーで撮った集合写真)

(参考1)Fuqua HSMのHP: http://www.fuqua.duke.edu/daytime-mba/academics/certificates/health-sector-management/

(参考2)Fuqua HSMのTwitterアカウント:@Duke_HSM

(参考3)医療・介護情報の活用による改革の推進に関する専門調査会HP: http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shakaihoshoukaikaku/chousakai.html

(参考4)FCCP(Fuqua Client Consulting Practicum )は、クライアント企業・NPOに対して学生がコンサルティングを行うHands-On型のプログラムです。当然ですが、クライアントにはヘルスケア関係以外にも様々な分野のクライアントがいます。


Fuquaでの交換留学生活を振り返って(2)

2015-12-22 08:48:10 | Exchange Program

こんにちは。2015年9月から12月まで、交換留学生としてスペインのIESE Business SchoolよりFuquaに来ていたTです。今回の投稿ではFuquaでのSocial, 生活面についてお話しさせて頂こうと思います。

-       Social

私がFuquaについて好感を持っていることの一つがその校風です。ひと学年280名ほどのIESEに比べれば生徒数は多いのですが、クラスの規模をとってもキャンパスビル内の人口密度をとっても、多すぎると感じたことはなく、互いに干渉しすぎず、その一方で全体としてのコミュニティ意識はしっかりと維持されているように感じました。生徒はmaturedかつ(2年目ということも大いに関係している気がしますが)程よくrelaxedな人が多い印象で、インターナショナル及び交換留学生が多い環境も相まって、とても居心地良く過ごすことができました。Fuquaは卒業後も生徒間のつながりが強いと聞きますが、こうした環境で2年間を過ごせばそれも頷ける気がします。 

一点、反省を込めて少し残念に感じた点があるとすれば、よりフルタイムの学生たちとも交流を深めたかったな、ということです。前述したようにFuquaは交換留学生にとっても居心地の良い環境ではあるのですが、交換留学生の多さ(私の在籍したFall 2015だけで50名弱)ゆえ、そこで一つのコミュニティが出来上がってしまい、授業の内外を問わず交換留学生同士で固まってしまう傾向がありました。この交換留学生コミュニティは非常にダイバーシティに富んでいて、ヨーロッパ、アジア、南米等の各国から生徒が集まってきており、ここで構築できるネットワーク自体とても貴重だと感じたのですが、より意識的にフルタイムの生徒ともつながりを作る努力をすべきだったかも知れません。(もちろん、日本人学生の皆さんにはとても良くしていただき、授業で同じチームにアサインされたフルタイムの学生とも仲良くなることはできましたが。)

ちなみに、IESEはバルセロナ市内にあるため、イベントやパーティを開催する場所には事欠かきません。ダーラム郊外にあるFuquaではどうなのだろう、と来る前はあまりイメージがわかなかったのですが、こちらでも学生間の交流を深める機会はたくさんありました。多くの生徒が活用しているのがFuqua Fridayではないでしょうか。これは毎週金曜日の夕方、授業後にキャンパスビルの中心にあるFox Centerにて、無料で食べ物やビールを含む飲み物が提供されるという粋なイベントで、他の学生と親睦を深めながら一週間の疲れを癒すのに良い機会となります。また、長期休暇の前後など、定期的にダーラムのダウンタウンにあるバーなどで大型のパーティも開催されており、学生たちは市内バス(学生証の提示により無料となる)やUberを活用して会場に駆けつけます。なお、IESEでは多くの学生が集まるオフでのイベントとなると、とかくパーティとなりがちなのですが、学生スポーツが盛んなDukeでは、バスケットボール(全米屈指の実力を誇る)やアメリカンフットボールの試合観戦も多くの生徒にとって重要な娯楽となっているようです。

最後に、主に現在、交換留学を検討されている方向けに、生活面について書かせていただきます。生活面でまずカギとなるのは住まい探しだと思います。国際免許証の有効期限の問題もあり、車を持つことが難しい一方、キャンパスに接続するバスの本数があまり多くなく、運航時刻も必ずしも正確ではないことから、交換留学生にとってはキャンパスの近くにアパートを借りるのが現実的な選択肢となるかと思います。この点、キャンパス周辺には多くの学生が利用するサービスアパートがいくつかあるため、交換留学を検討されている方にはこれらにまず当たってみることをお勧めします。長期滞在者向けの割引価格が適用されないため、どこに住んでもそれなりに値が張ってしまうのですが、それでも価格帯にはある程度幅がありますし、学校中心の生活スタイルとなることを踏まえれば、値段を優先してキャンパスから離れたところに住むよりも結果的に費用対効果は高いのではと思います。現に、同じ交換留学仲間でも、当初はキャンパスから離れたところに住んでいたものの、交通の利便性に最初の1週間で音を上げ、キャンパス近くに移ってきた人もいました。私自身はキャンパスから徒歩20分強の場所にあるサービスアパートを借り、ここから自転車で通学していました。

食事については、キャンパスで摂られる場合はきちんとしたカフェテリアが毎日営業しています。サンドイッチやピザ、インド料理、丼、サラダバーなど品揃えはそれなりに充実しており、(しっかり食べると10ドルくらいしてしまうのですが、)味も全く問題ありません。他方、家では自炊をされるのが現実的かと思います。キャンパス近くにもいくつかレストランはあるのですが、値段やボリュームを考えると、通える頻度には自ずと限りが出てきます。私自身、これまで東京、バルセロナとあまり外食やテイクアウトに不自由することがない環境で暮らしてきましたので、こちらに来てから初めて本格的に自炊を始めました。徒歩または自転車で通える範囲内に大型のスーパーがあったため、週に一度か二度ほど通って食材を買い込み、少なくとも夕食は自分で調理するようにしていました。

生活面については、初めての土地で心配に思われることもあるでしょうが、Fuquaには交換留学生のサポートを専門とするスタッフがいますし、FacebookにはOB/OGも参加する交換留学生グループもあります。日本人の皆さん含め、生徒も親切で協力的な人が多いので、不安や疑問があれば、これらのチャネルを通じて積極的に相談してみて下さい。

以上、私なりの視点でFuquaについてご紹介させていただきました。4ヶ月弱と短い期間ではありましたが、新たな環境にて、新たな視点や学び、友人を得ることができ、満足度の高い交換留学生活となりました。フルタイムでの応募または交換留学を考えられている方、ぜひFuquaを具体的に検討してみて下さい。


Fuquaでの交換留学生活を振り返って(1)

2015-12-15 20:54:43 | Exchange Program

こんにちは。20159月から12月まで、交換留学生としてスペインのIESE Business SchoolよりFuquaに来ていたTです。今回は私がFuquaを選んだ背景やFuquaの特色などを、母校との違いも織り交ぜながら、2回の投稿に分けて紹介させていただきます。

私の母校であるIESEは充実した提携校のネットワークを強みの一つとしており、交換留学生として、ヨーロッパのほかにもアメリカやアジア、南米など世界各国で学ぶチャンスがあります。入学当初はさほど意識していなかったのですが、実際に交換留学に行った先輩から話を聞いたり、友人らが交換留学を志すのを目の当たりにする中で、自然と志望度が高まっていきました。中でも幼少期に数年間アメリカに住んでいたこと、MBA発祥の地アメリカでIESEでの学びを相対化してみたくなったことなどから、アメリカの名門校への交換留学を目指すようになりました。Fuqua2014年のBusiness Weekのランキングでトップを飾るなど、トップスクールの一つという認識がありましたし、調べるにつれ私のバックグラウンドであるファイナンスで評価を得ていることもわかりましたので、MBA 2年目の前半を当校で過ごすことに決めました。 

以下では主にIESEとの対比を意識しつつ、Academic及びSocial(次回投稿)という2つの切り口を通じてFuquaの特色について考えてみたいと思います。一口にMBAと言っても、校風や授業の進め方、成績のつけられ方など、多くの点で母校とは異なることを実感し、私のMBAについての見方を良い意味で広げることができました。 

  • Academic

私の母校では、ほとんどの授業がケースメソッドにより行われます。授業時間の大半がケースに関するディスカッションに費やされ、生徒の評価も相当程度がディスカッションへの貢献度、すなわち授業中の発言の量と質により決定されます。この点Fuquaは、(i)授業の前半をケースディスカッション、後半をレクチャーに充てる形式、(ii)レクチャーをベースに、ところどころで生徒の発言を促す形式、のいずれかが主流であるように思います。レクチャーに大きなウエイトが置かれていることは、毎回の授業においてTake Awayがはっきりしている点、教授の意図するところまでさほど道筋を外さず効率的に到達できる点、などにおいて優れていると感じました。私はファイナンス系の科目を中心に履修していたため、特にレクチャー形式のメリットを実感する機会が多かったかも知れません。各科目とも、コンテンツの充実したスライドが用意されており、授業のポイントを体系立てて理解するうえで助けになりました。一方で授業中に学生間で互いの発言にチャレンジし合うような機会は多くなく、ケースの具体的な中身に深入りすることもまれであったように思います。やはり、ケースメソッド、レクチャー形式とも一長一短であり、どちらがより相応しいかは科目毎、または個々人の学びのスタイルやフィットによるところが大きいと感じました。但し、Fuquaの教授及び授業のレベルは総じて高く、課題も程よくチャレンジングなものが多かったため、アカデミックな点での満足度は高いです。なお、私が履修した科目は以下になります。 

Corporate Finance
Marketing of Innovations
Managing Innovation
Project Finance
Valuation and Fundamental Analysis
Venture Capital/Private Equity

グループワークが各科目とも多く課されるのもためになりました。これは私の母校とも変わらない点ではありますが、IESEでの一年目は同じチームで全科目の全課題に取り組むスタイルであったため、フルタイム、交換留学生を問わず、科目毎に様々な生徒とチームを組むのは今回が初めてでした。チームの組み方は科目毎に異なり、生徒同士が自由に組める場合もあれば、教授がアサインしてくる場合もあります。前者の場合はどうしても身近な交換留学生仲間と組んでしまいがちなのですが(後述)、教授にアサインされる科目では私以外全員フルタイムの学生ということもありました。いずれのケースにおいても自分の得手不得手や実力、チーム内での立ち位置などを新たな環境・文脈で確認することができ、良い経験になりました。

次回の投稿では、FuquaでのSocial, 生活面についてお話しさせて頂く予定です。