福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

椅子のレストア

2014-02-19 23:47:50 | 椅子
椅子のレストアのご依頼を受けました。

以前、紹介しました机のレストアと同じお客様です。


小ぶりな椅子で、机同様、年代モノと思われる風格?を備えております ↓





布地のクッションのようですが、生地はボロボロで、鋲も腐食しており、

再生が可能かどうかドキドキしながらめくって見ると ↓






何と、中身は藁!


二重のクッションになっています ↓






今まで、椅子の座面は木でしか製作したことがありませんので、

布地や皮の座面の中身はどうなっているかなど考えたことも無いのですが、

まさか、藁が入っているとは驚きでした。

昔の椅子はこんな風だったのでしょうか?

それとも、たまたまこの椅子を作った職人さんのやり方だったのか。

地方によって色々な特色もあったかもしれません。



布地と藁を取り除きました ↓





この仕事を引き受けるときの打ち合わせでは、

この座面を、板で作り直すつもりだったのですが、

引き取りに伺った時に、お客様が、皮を張ってくれたら嬉しいな♪

みたいなことをさりげなく仰るではありませんか!


正直、やったこともなければ、皮の座面なんて、やる気もありませんでしたので、

一瞬、怯んだのですが、

ふと、

コレをきっかけとして、

何か新たな世界が開けそうな気がして、

気を取り直して、やってみますと言っちゃった訳です。


さて、どうしよう。

後先考えずに引き受けたのはいいのですが、

経験も無ければ知識もありません。

こんな時に役立つのがインターネット。


色々と調べました。

便利なものです。

皮を扱うショップもあれば、

皮の張り方を紹介した動画もありました。


色々とあったのですが、

鋲で留めるタイプの椅子の張り替え方に関しては情報が見当たりません。

このような家具はアンティークの部類に入るのか、

日本ではそれほどメジャーではないと思われ、

情報量も十分ではなく、アレコレと検索するもヒットしませんでした。


こうなったら適当に、いや自分なりに頑張るしかありません。

せっかく、新しいドアの前に立つことが出来たのですから、

思い切って前に進みましょう。


まずは材料から。

色々と調べて購入したのがコレ ↓





知る人ぞ知る?

世界の高級車のシートに使われている、東レのエクセーヌ(アンカンターラとして採用)。


普通ではとても手が出ないほど高いのですが、

現品限りのアウトレットにて購入しました。

同時に、普通の合皮も購入したのですが、

素材感が、今回の椅子に合いそうなのでエクセーヌにした次第です。



次にコレ ↓






スポンジです。

下は、よくあるウレタンチップスポンジで、

上の黄色いのは、高弾性スポンジと呼ばれるちょっといい(高い)モノです。



そしてコレ ↓





古今調色の鋲。

専門店(ネット上ですが)で買いました。

良い雰囲気が出ております。


大きな声ではいえませんが、技術、経験がありませんので、材料で勝負です(汗)。


こんな感じに仕上がりました ↓









アップの写真はありません。

その訳は・・・

ご想像にお任せします。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
修理 (やっさん)
2014-02-20 14:13:30
このブログを見たので、地下室の椅子を修繕しました。
このようなきっかけで椅子がぐらつかなくなりました。
きっかけありがとうございました。」
返信する
コメントありがとうございます (福島木工家具店)
2014-02-20 21:54:23
再び、お役にたてるようになった椅子は喜んでいると思います。
今回の、レストアした椅子も、ご依頼主のもとへ帰るのを楽しみにしているように思えます。
返信する

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