福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

弁当箱製作記録 その1

2014-10-31 23:13:09 | 製作記録





弁当箱の試作品を製作することになり、その記録をこのブログで紹介することにします。

数ヶ月前、知人より、弁当箱の試作品の製作依頼を受ける。

その弁当箱とは、昔々、集落行事(おそらく岳参りなどの神事)にて使用していたものだが、

残念ながら、今では、その弁当箱はほとんど現存していないとのこと。

この度、奇跡的に残っていた現物を預かり、まずは試作品として、一つ製作することになった次第です。

今後、この弁当箱を集落行事に活用して、地域を盛り上げていきたいという知人の思いに協力することになりました。



現存していた、一人弁当箱 ↓






正面の蓋を引き上げると ↓





三段の重箱が収納されています。


箸は、正面蓋の裏側に斜めに入れてあったと思われます。

この弁当箱の箸は紛失して残っていませんでした。


外形寸法は、縦横145mm角で、奥行きは110mmと小さいサイズとなっています。


材料の樹種は、屋久島ではよく見かけるセンダンです。


塗装は、柿渋と漆塗りと思われます。

重箱の内側には、赤色系の鮮やかな漆が施されており、

小さいながらも重箱としての風格が漂っています。

また、取っ手をはじめ、角を守る各種金具も取り付けてあり、

格式高い仕上がりとなっています。


さて、この度、この弁当箱をそのまま復活させたいところではありますが、

独学で、個人で細々とやっている家具屋にとっては、なかなか難しいものであります。

そんな事情を察してか、ご依頼主は、全く同じように作らなくても結構とのこと。

材の厚みや寸法などの仕様も変更しても良いとのお言葉を頂きましたので、

出来る範囲で全力を尽くし、頑張って製作していきたいと思います。



とまあ、前置きが長くなりましたが、本題である製作記録を記していきます。

記録といっても、一人で作りながら、一人で撮影していきますので、

仕事に夢中になっている時や、時間的に余裕がない時は、写真を撮り忘れたり、記録がとびとびとなったりしますのでご了承ください。



まずは、既に製材が終わって乾燥しているところです ↓





天気に恵まれましたので、良く乾きました。


乾燥により板に反りや捻じれが出ています。

修正が難しい部分は切り取って、良い部分を残します。

殆どの板材の仕上げ寸法は6mmとなります。

薄いですね。

この薄さでの家具の製作は初めてです。


あまり薄い材を自動カンナへ通す場合は、

このように厚みのある板の上に、削る材を乗せて一緒に機械に通します ↓





この機械にはローラーがついており、その段差は、はがき一枚分くらい厚みのなのですが、

短い材もしくは薄い材を、そのまま機械に通すと、その段差による段差がそのまま板材に反映されてしまい、

段差の分だけ、板材に段がついて仕上がってしまいます。


先ほど、6mmが薄いと言いましたが、正面の蓋の厚みは、更に薄く、

その厚さ、たったの3.5mm ↓





板目では反りやすいので、柾目にしました。

柾目も割れやすいので要注意です。



厚みを揃えた材をペーパーがけしてます ↓






下処理として使うもの ↓





柿渋と、との粉。


この弁当箱で使うセンダンという樹種は、導管が大きく、また、木材表面に小さな穴がいくつも開いていることがありますので、

木地を整えるために、水で薄めた柿渋へ、との粉を入れて、練っておきます ↓





既製品のとの粉の他に、同じ材であるセンダンのとの粉(ペーパーがけで出たもの)も混ぜます。



ウエスを使い、板材へすりこんでいきます ↓





センダンの材は特に水引が大事です。

これを怠ると、塗装した後に、表面が荒れてしまいます。

予め、板材に水分を一度含ませて、圧縮されていた木の繊維を戻してから、再度ペーパーをかけて整えると、きれいに仕上がります。


今回は、柿渋での着色、との粉による木地調整、水引と、一石三鳥となりました。


乾燥の後、再度、ペーパーがけをして、今度は柿渋の原液で塗装して、今日の仕事はおしまいとしました。


この製作記録は、しばらく続く予定です。


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地杉の二人掛けテーブルセット

2014-10-22 22:25:09 | 椅子

地杉の二人掛けテーブルセットです ↓






地元食材をふんだんに使った飲食店を開業するにあたり、

御客様より、一年前に初めてご相談を頂き、この度、このテーブルセットを3セット納品することが出来ました。

その他にも、スツール、座卓、子供椅子などなど、お店の家具類の多くをご注文頂きまして、嬉しい限りです。



テーブル天板は、四角ではなく、丸みをつけてみました。

このカーブが何とも良い感じで、心が和みます ↓






地杉(屋久島産)でつくった椅子 ↓










今まで、色々作っておりますが、デザインも少しずつ変ってきております。


座り心地にはいつも配慮しております ↓














福島木工家具店、おススメのセットです!





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今日のモッチョム岳

2014-10-14 19:19:44 | 日記

今日のモッチョム岳 (午後12時半頃撮影) ↓






爽やかに晴れました。

暑くも寒くもなく、とても良い季節です。


思えば、この夏は雨ばかりで、夏らしい夏を過ごした覚えがない。

何といっても、車で20分も走れば行ける海水浴場に一度も行っていない。

雨ばかりで仕事もスケジュール通りに進まず、

そのため納期に追われ、休日をとるというメリハリもなく、

ただ、ズルズルと忙しい日々といいますか、

スケジュールの遅れによる焦りの中で過ごしたものです。

ただ、救いとしては、夏休みに家族で旅行に出かけることが出来たことです。


気がつけば、あっという間に10月に入り、納期遅れになりつつも、

なんとか、まとまった注文分の製作をこなしてひと段落し、

さあ、その他の大変遅れている注文分に取り掛かるかー

と気合を入れたところに、今回の2週連続の台風来襲!


参りました。


今日、ようやく10日振りくらいに仕事を再開し、木工機械を動かすことが出来た次第です。

我が、作業場はとても貧弱の簡易、仮設の作業場でして、

大雨と強風の中で仕事をするのは、ほぼ不可能に近い環境なのです。


ああ、愚痴ばかりになってしまいました。

今日、書きたかったのは、

そう、この爽やかな秋晴れ!

他の季節にない、かすかな緊張感をともなう、この青い空気の感じ!!

心身の喜びが溢れでてくるようで、ただただ感謝です。



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地杉のスタッキングスツール

2014-10-13 18:22:03 | 椅子

地杉のスタッキングスツールです ↓






スタッキング、つまり積み重ねたところ ↓






その最大の特長は、収納場所を小スペースに出来ることです。

また、フレームは杉で、割と軽いので、スタッキングしたままでの移動もそれほど重たくありません。


座面には、快適に座って頂くため、一工夫してあります。

クッションには3種類のスポンジを採用。

最初に、ウレタンチップスポンジ、次に、高弾性スポンジ、最後に低反発スポンジの3段重ね。

そして、表面には、東レのエクセーヌ(スエード調の人工皮革)。

この素材感は好きです。

お手入れもそれほど難しいものではありません。



カラーバリエーションもたくさん! ↓






地杉と高級素材のエクセーヌとの取り合わせも、なかなか良いものです。




材料: フレーム:地杉 クッション:スポンジ、合成皮革

寸法: 幅480mm 奥行き390mm 高さ410mm

塗装: オイルフィニッシュ クリア




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宇宙(そら)に思いを馳せる

2014-10-08 22:15:33 | 日記
たまーに、ふと、日常の煩雑さから離れて、一つの生命からの視点・・・、

まあ、大自然の中のちっぽけな私みなたいな、遠慮して謙遜した感じから、

はたまた、自分自身(自神)がいるから世界が存在しているという壮大なことを考えてみたりしながら、

ああ、自然は凄いなあー、とか、

今、こうして生きている、生かして頂いているって、有難いことで、奇跡的なことだなあーと、

思うことがあったりするのだけれども、

近年の自然現象・・・、


われわれ人間から見ると自然災害と呼ばれるものを見ていると、

やはり、当たり前に、ただで住まわせて頂いているわけではないのだと思われるのであります。


万物は、元は、一つのモノから派生しており、

それぞれがバラバラに協調性を無くす方向に進もうとすれば、

全体のバランスをとるために、それなりの陰陽の作用があるのは科学的視点からも自然の流れである訳でして、

とどのつまり、全ては運命共同体ということで、

万物の総和が、今現在の現実の有様として、ただ出現しているということだと思うのです。


別の視点から見てみますと、

その国の政治家(民主主義の選挙による)のレベルは、その国民の民度の反映そのままであり、

個々人においても、その個人のあり方が、その人の運命、その人の未来の進む方向を、

個々人の責任において、今現在形成しつつあるのが実態であると思われ、

ですので、国のあり方とか、周りの環境のせいにして、不平不満を言って、

結果的に、ますます自分自身を貶めてしまっているのは、なんとも損なことなのではと思うのです。

私たち自身の中には、万物創造の遺伝子が、生まれながらに備わっていることを自覚する時世になっているのでは思うのです。

とまあ、忙しい日常生活の最中では、微塵にも思いつかないことを書いてしまいましたが、

こんな想いを、数秒でも思い出すことがあれば、自然(万物)に感謝できればと心掛けたいと思うのであります。





The helical model - our solar system is a vortex




The helical model - our Galaxy is a vortex




The Detailed Universe: This will Blow Your Mind.





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ディスプレイラック

2014-10-03 22:51:39 | その他作品

ディスプレイラックです ↓





開店予定の飲食店からのご注文。

各種フライヤーなどを置けるようにとご依頼いただきました。


フライヤー・・・まあ、平たく言えばチラシなのですが、

その規格は決まっているわけでなく、様々なサイズがある訳でして、

それをどのようにして置き、バランス良く見せるか?


小さなものは名刺サイズから、大きなものはA4くらいのサイズまでをカバーするとした場合、

それぞれのサイズのマスで仕切ってしまえば、置ける種類は限られてしまい、効率も悪いでしょう。



ということで、考え付いたのがコレ ↓






コレを、このように隙間に嵌めて ↓






様々なサイズのコレ(名称がなくて申し訳ない)を作っておけば、こんな感じに ↓






その時々のフライヤーの大きさや種類に応じて、配置換えして、ディスプレイすることが出来ます。

今回は、設置場所の都合で、小ぶりなサイズとなりましたが、大きなものも製作可能です。



背面はこんな感じ ↓





規律正しく配置されたスノコと、緩い縦の曲線がいい塩梅となっています。




材料: 地杉 アクリル板

寸法: 高さ740mm 幅580mm 奥行き200mm

塗装: オイルフィニッシュ クリア




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