≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その1(洋館1階その1)

2024-02-17 18:13:25 | 行った話(展覧会以外)

虎渓山 永保寺へ寄って 神戸の方の実家に行き、それから群馬の山奥に戻る途中に、桑名にある六華苑に寄った。
カメラを忘れて出てきたので、虎渓山につづいてこの六華苑の記事の写真もスマホで撮ったものです。
ピントがマシな広角は歪みまくっているし、歪みが少ないズームはレンズに傷がついていてボケボケに撮れているのを強引に修正していて不自然だし、ホントすみません。


駐車場に車を置いて最初にたどり着く建物は長屋閣、と長屋閣の手前の看板の地図にある。



長屋閣を通り抜け、道を曲がると見えてくるのが、水色の壁が美しい洋館。よく見ると右側には日本家屋がついている。
しかし、見事なまでの曇天。外壁が明るい水色じゃなかったらお化け屋敷に見えてもおかしくない。風も強かった。



洋館の左側の生垣の向こうは芝生が広がり、地図を見るとかなり広い庭園だ。
しかし今日中に群馬の山奥に帰りつかなければならないので、庭園の見学は泣く泣く諦めた。



洋館についてのキャプション。
そうです、この建物はジョサイア・コンドル設計なのです。コンドル設計といえば、鹿鳴館。鹿鳴館はとうに取り壊されたけれど、復元された 三菱一号館 なら見に行ったっけ。
コンドルの弟子の片山東熊の設計なら トーハク(東京国立博物館)の表慶館 が思い出されるな。



上のキャプションによると 戦災で焼けてそれを復元した車寄せと玄関が下の写真。見学者はここからは入れません。
この写真より 上の写真の方が分かりやすいが、窓の上の飾りが奇数階は三角、偶数階は丸くなっている。そういう建物は 明治村の札幌電話交換局 で見たなあ。



玄関右側の塔。丸いカーブを描いている。それに沿って窓ガラスもサッシも曲線だ。
明治村の宇治山田郵便局舎 を思い出した。直線なものと比べると、作り難さは段違いだろう。



塔の右奥にある日本家屋の内玄関棟が 見学者入り口である。
見学した順に紹介するが、洋館の2階に間取り図があったので、把握しやすいようにそれだけは先に挙げておく。



間取り図で黄色い部分のうち右下にあるのが内玄関棟だ。そこから入って 左側の通路をゆくと 洋館のきわの和館に出る。そこを左に折れると洋館。
和館にいちばん近い側にトイレがある。和館側に窓がある。


キャプション。白地に黒い菱模様が並んでいるタイルががなかなかポップだ。



トイレの奥、階段横の小部屋は電話室。


キャプション。




   六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その2(洋館1階その2) へつづく




 
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六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その2(洋館1階その2)

2024-02-17 18:13:15 | 行った話(展覧会以外)
六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その1(洋館1階その1) よりつづく

トイレ、電話室につづいて洋館の1階。玄関横の塔の1階は応接室だ。
応接室は塔の丸に四角い部屋の角がくっついたような形をしている。つまり、上の写真では両側に壁がせまっているけれど、その向こう側だけが応接室なわけではなく、その手前も応接室なのだ。
窓の向こうにちらと見えているのは六華苑のレストラン、Rocca。フレンチですって。結婚式も出来るんですって。時間がたっぷりあったなら庭を見てレストランでお茶をしたかった。

ペンダントライトのスイッチだろう。スイッチカバーまでおしゃれ。
あとで和館を見学してから思ったのだが、もしかしたらこれは菊の花を模しているのかもしれない。


キャプション。応接室だけでなくその上階の塔や曲面ガラスについても述べられている。



車寄せの内側の玄関。ステンドグラスやタイルが お洒落ながらも突き放した感じではなく温か味がある。オレンジ色や茶色や赤のせいかな?


キャプション。玄関のタイルはトイレと同じですって。そういえばそうだ。ベランダのタイルはチェックし忘れた。残念。



ホール。玄関と、向かって左に応接室が見える視点。写真の外側の左側には階段が、右側には客間がある。


キャプション。



客間。ライトの上の天井の白いレリーフが美しい。
窓の向こうにレストランが見える。つまり、ホールの写真とだいたい同じ方向。
ホールとの間の壁に暖炉がある。暖炉の両脇には緑のタイルが使われている。マントルピースには鏡が嵌め込まれている。


ぐるっと右を向くと、窓の向こうには素敵な前庭が見える。なんと素敵な客間だろう!
右に続いている部屋は食堂。


キャプション。



客間と食堂の間の扉。客間側は白、食堂側は茶色に塗り分けられている。扉の側面は茶色だ。


左の白い引き戸は客間と食堂の間の扉、右は客間とホールの間の扉。
客間とホールの間の扉は、客間側は白、ホール側は茶色に塗り分けられていて、側面は白だ。



食堂。部屋の中心にはテーブルセットが置いてあったが撮り忘れた。


キャプション。扉の色についても述べられている。
その1~4でも分かるが、洋館のサッシは茶色が基本だ。客間と2階サンルームだけが特別に白で華やかだ。




六華苑はキャプションが多い。









その1同様、間取図を再掲。




   六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その3(洋館2階その1) へつづく




 
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六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その3(洋館2階その1)

2024-02-17 18:13:04 | 行った話(展覧会以外)
六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その2(洋館1階その2) よりつづく

階段。 キャプションは その1 の電話室と同じ札に書かれている。コンドルは階段の手すりに凝ったそうだ。
なるほど、シンプルなラインで出来た透かしだが、むしろ効果的でそれが温かみになっている。

2階に上って左の応接室に一歩入ったところ。変わった形の部屋だ。応接室は1階と同じ形だが、開口部のある壁が違う。
この部屋は窓だらけで採光も見晴らしもよいが、ちょっと使いにくいかも。というか、そもそもその考え方がそぐわないのかも。
洋館は2階建てだが、応接室のある塔屋だけは4階まであるので、階段が上へ続いている。


応接室の奥。1階の応接室と同じ感じ。


上へ続く階段を見上げて、


覗いたところ。ああ、上りたい。そして4階から揖斐川を眺めてみたい。
1階と2階をつなぐ階段より勾配が急で、いかにも塔の階段っぽい。

六華苑HPに建物内部を見ることができるVRツアー があるのだが、こちらだと塔の3階以上は上がれない。
だがじつは、もう1つ六華苑のVRがある。ミズタニセイキ提供六華苑VR だと塔屋の4階まで上れる。
4階は窓だらけだ。3階には扉があった。洋館の屋根に出るためのものだろうか。と思ったが、なんだか小さい。もしかしたら屋根裏に入る扉かもしれない。


2階の応接室の窓から階下の車寄せを見下ろしたところ。
部屋の丸い壁についている曲面ガラスの窓ではなく、寝室寄りの平らな壁についている窓だ。
車寄せの上にある柵のようなものが手すりのように見えるからといって、車寄せの上がテラスになっているわけではない。飾りだな。


階段の脇のトイレ。タイルが玄関や1階のトイレと同じだ。出入り口の脇の金の飾りはライトのスイッチだろう。
写真には入っていないが、その左側に女中室の扉がある。
このトイレは展示されている間取図にないんだよなあ。端折らないで下さいよ。
お、桑名市HP にちゃんと分かる間取図があった。こちらは塔屋の階段も分かる。


この小さい部屋は洋間に襖の押し入れがあるのが不思議な感じで、女中室だそうだ。ライトの傘もおしゃれというより実用的なデザインだし。
左の窓からは内庭の木々が見える。1階の客間や食堂から見える前庭とは違う。
右の窓から見えるのは内玄関棟の屋根。

桑名市立図書館 旧諸戸清六邸 (六華苑) 整備工事報告書 にある間取図よると、かつては女中室はもっと狭く、一角には浴室があったらしい。
ただ、ジョサイア・コンドルと縁の深い三菱地所の資料室に残っている図面には浴室は描かれていないので、これはこれで「正しい」のだろう。

キャプション。



寝室。1階の玄関やホールの上にあたる位置にある。
キャビネットの抽斗に何が入っていたか紙に書いて貼っている。足袋とか手拭とか書いてある。生活感があるのが寝室っぽい。


寝室の窓からも車寄せが見下ろせる。そして、六華苑の入り口から屋敷につづく道は車寄せを目指している。


キャプション。
写真を撮りそびれたが、寝室にも暖炉がある。書斎のものと背中合わせだそうだが、これは1階の客間の暖炉と上下に位置しているのだろう。前述した VRツアー だと建物を見下ろせるのだが、寝室・書斎・客間の暖炉のものと思しき煙突には3つ管が見える。
ちなみにもう1本ある煙突には管は2つ見えるのだが、それは2階の居間と1階の食堂の暖炉に繋がっているのだと思う。
六華苑を見学したときにちゃんとこのキャプションを読んでいたら、寝室のライトの笠を撮っていたのになあ。



諸戸氏についてのキャプション。
グーグルマップで見ると、諸戸氏庭園 は六華苑より広い。御殿とか蔵とか玉突場とかもある。お大尽だな。












その1、2同様、間取図を再掲。




   六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その4(洋館2階その2) へつづく




 
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六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その4(洋館2階その2)

2024-02-17 18:12:46 | 行った話(展覧会以外)
六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その3(洋館2階その1) よりつづく

書斎。見渡せる景色のよいこと。よすぎて むしろ気が散って仕事しづらいんじゃないか? わたしだけ?

書斎の暖炉。上の写真とは部屋の反対側の壁にある。
寝室との壁をはさんで背中合わせに書斎と寝室に暖炉がある、と寝室のキャプションにあったね(その3)。寝室の分も合わせて書斎に張り出しているようだ。
寝室への扉は暖炉の右側、写真の外にある。左側にちらりと見える扉は階段を上がったホールに通じている。
濃い緑のタイルが落ち着いた雰囲気を出している。このタイルは1階客間のものと同じだろうか。


キャプション。



書斎と居間の窓の向こうはサンルーム。1階のベランダの上にあたる。サンルームが面しているのは前庭。
サンルームの曲がった壁が視線を誘う。白い壁やサッシが明るい。窓の上部がカマボコ型に丸められているのも楽しげな雰囲気だ。コロニアル様式っぽい。
書斎の窓を通して向こうにロッキングチェアが見える。


キャプション。



居間。右の扉からホールや階段が見える。
この写真の外、右側に書斎がある。手前がサンルーム側。もちろんこの居間もサンルームに通じている。
ホール側の壁に押し入れの襖がある。思わぬところが和洋折衷。女中室(その3)にも押し入れがあったな。
左側には暖炉がある。暖炉のタイルの色は書斎や客間のものと異なるような気がする。もっとちゃんと見ておけばよかった。


キャプション。



ジョサイア・コンドルについてのキャプション。












間取図を再掲。




   六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その5(洋館2階その3) へつづく




 
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六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その5(洋館2階その3)

2024-02-17 18:12:37 | 行った話(展覧会以外)
六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その4(洋館2階その2) よりつづく

廊下の左側が居間で右側が女中室。サンルームやサンルームに面した書斎と居間があんなに開放的で明るかっただけに、廊下の圧迫感が強い。
見づらいが、女中室との壁には可愛らしい小さな窓がある。上部がカマボコ型に丸められているのがサンルームの窓などとおそろいだ。
実は電話室の階段に面している壁にはこれと同じような小窓がある。

廊下の先に和室が見えるんですけど!
左に折れれば居間。


和室は少し低いところにある。洋館と和館で天井の高さが違うからだろう。
そのような 洋館の2階と和館の2階が違う高さでつながっているのを 明治村の学習院長官舎 で見たな。写真を撮っていなかったのでブログにもアップしていない(それというのもカメラをホテルに忘れたからだった)。
和室の右側を覗き込む。縁側だ。サンルームとは反対側だ。六華苑は 塔屋もあるし、つくづく見張らすことに力を入れた建物だなあ。


入れない2階の和室が気になったので、場所を変えて、サンルームの端から和室を覗く。


こんどは女中室の窓から和室を覗く。扉から右に覗いたときに見えた縁側と籐家具が見える。旅館みがある。
右下の庭は内庭で、サンルームから見下ろす庭とは反対側。瓦屋根のつづく先に見えるのは一番蔵。出入り口にさし掛けてある屋根に瓦が葺いてあって立派だ。
和館の甍がバックの松と相まってすごく和風。


悔しいので、戻ってもう一度覗き込む。
あれっ?もうひと間ある?



間取図を再掲。




   六華苑(旧諸戸清六邸) へ行った。その6(和館その1) へつづく




 
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